我慢を重ねてー小鳥遊昇平回想ー中編
入学してから2年がたった。
「クラスの担当をした教師から、お前の授業態度への苦情が来ている。」俺は昼休み、担任の先生からのお説教を受けるために職員室にいた。
「はいはいっ」俺はわざと、バカにするような口調で返す。
「っ、そういう態度が問題だと言っているんだ!」お前はこの授業ではこう、この授業ではああだと、所々に同じ内容が含まれている担任の話をずっと聞き流す。
この2年で俺はすさまじい変貌を見せた。顔中にピアスをあけ、髪型も乱し、制服も一番上のボタンを開けていたり…関わりたくないような不良の完成形になっていたのだ。長々と続いたお説教も昼休み終了のチャイムなり終わると、「次こそは自分の態度を改めろよ」と投げつけ終わり、俺は廊下にでた。
「おっ、しょうぺいちゃん。また説教かい?」へらへらと近づいてくる、イケメンな友達と顔をあわせた。
「なぁなぁ、今日もラーメン屋行くよな?」彼は俺の肩に腕を回し、ちゃらけた風に言った。
「あぁ、もちろん」「よしっ決まり!じゃぁ、放課後待ってろよ~」そんな約束を取り付け彼は廊下を走り去った。
「えー。この方程式を解くには…」
「「ハッハッハッ!!」」授業中は俺の友達を中心に大きな笑い声がとぶ。「これみてよしょうぺいちゃん、面白いだろ?w」席の離れている友達がスマホ片手にこちらに向かってくる。そして、差し出されたスマホの画面に映っていたのは、変な芸風の漫才だった。
「ハハッ、これは傑作だな」俺はそう大声でいった。俺の声で、さらに教室は騒がしくなった。
「……。」数学の教師は立ち尽くし、その光景を呆然と見ていた。
「じゃっ、またなしょうぺいちゃん」
「あぁ」
俺は友達のラーメン代を支払い、友達を家まで送るという最近ではもう当たり前になっているようなことを終わらせ、帰宅しようとしていた。電車賃がなくなってきたので、今回は切符を買うことになりそうだ。
家に着き、玄関を開けると
「おかえりなさい。」待っていたかのように立って、にこにこしている母が見えた。
「ただいま、ごめん遅くなって」と毎日のように言っている言葉を母にかける。
「いいのよぉ、気にしないで。今日は楽しかった?」優しい口調で返ってくるが、母の目には心配の色が浮かんでいた。
「今日、お夕飯いるかしら?」
「外で食べたからもういいよ。風呂入ってねるわ。」
そう…。という母の横を大股で通り、一度リビングに入った。食卓にはラップのかけられた食事と、スマホが置かれていた。きれいに整ったリビングに紙が落ちていたので拾ってみると、僕の学校や行きつけの図書館などの電話番号がびっしりと書かれていた。
「…。」僕は黙って紙を机におくと、風呂へ移動した。




