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プロローグ
20×5年3月。私はこの世から居なくなった。元々体が弱かった私は高校に入学する直前に余命宣告を受けた。
「長くて3年程。短いと1年程生きられるかどうかです…」
当時生きることに希望など感じていなかった私はとくに悲しむことも無く、涙を流してる両親の横で複雑な気持ちでいた。
「ああ、私死ぬんだな。まあ、心残りなんかないし、別にいいや。」
そんなことを思っていたのも今となってはいい思い出だったな。
そう、私は死ぬ直前悲しみで溢れていた。あんなに生きることに興味がなかった私が、そんな感情を持っていた。私を変えてしまった人物、それは同級生の伊藤奈那、通称バカだ。
これは私とバカが過ごした私が死ぬまでの話。