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二人の刺客

供養中なので初投稿です


「.....ふぅ...想定外に手こずりましたね。姉様」


「えぇ...セナ首の傷は大丈夫?」


血が傷から流れる。


「えっ..?...あ?...致命傷では無いので大丈夫です」


「ダメ、傷を舐めてると酷い目を見るからちゃんとしなさい」


そういうとリナはバックパックから包帯を取り出す。


「ほら、自分で巻きなさい」


「あぁ...はい...」


くるくると自分の首に包帯を巻き付ける。

視界の端っこで倒れ込んでいる彼女が目に入る、見ていればだんだん這いずってこの場から離れようとしている。

そしてセナはため息をこぼした


「それで、そこの白いの、どうする?」


ビクリとその白い布が動く。


「どうせ、もう起きてるんでしょ」


甲高い金属音が暗い森に響く、それはセナがブレードを展開した音だ。


「.......」


そして、白いヤツの顔の横に剣を突き立てる。


「で?気づかないとでも?」


「ひっ...」


リナはうつ伏せになっているそれを仰向けにする。


「あら、可愛い顔してるじゃない結構私の好みかも」


殴られた影響か頬が赤黒く腫れているが、白い肌に黒い目に黒い髪。

そして、整った顔であった。


「俺を...どうするつもりだ!」


リナを睨み付ける彼女。


「言ったじゃん、『招待』しに来たって。セナ、ロープ取って」


腰のポーチからロープを取り出し、リナに投げ渡す。


「前と後ろ、どっちが良い?」


.......


結局問答無用で後ろで縛り、座らせられた。


「起きてくれて良かったですね、姉様」


「そうだね、気絶した人間を合流地点まで担ぎたくないし」


布で猿轡をされ、足にも歩幅を制限する為に紐で結ばれた彼女は相変わらず彼女達を睨み付けている。


「...ッ...そろそろ行くぞ、捜索隊が動き出した見たいだ」


遠くから彼女を呼ぶ声が聞こえてくる。


「ふゥん...君ナオトって言うんだ...さっさと立て、行くぞ」


剣の(きっさき)を彼女に向けると、さっきまで睨み付けて居た目は一瞬で怯えの目に変わる。


「ん....」


進めと顎で催促する。


「姉様、彼女殺意を向けられた事が無いようですね」


「そうね、異世界人って化け物ばっかりだと思ってたけどそんなこと無いようね」


よろよろと歩く彼女の目にから涙が溢れ、口に噛まされた布を噛み締めている。


_________________


数時間歩かせ、空も薄明るくなってき始めた頃、合流地点に辿り着いた。

彼女は最早抵抗する可能性なしと考え、猿轡は外されていた。


「少し早く着きすぎた見たいね」


薄明るい、静かな林道のヒンヤリした空気が鼻の中を刺激する。

セナはナオトがモジモジとしている事に気がついた。


「....あの...トイレ...行っても..いいですか...?」


ナオトが数時間ぶりに声を発した。


「....セナ、ついて行ってやって。私は寝る」


そう言いリナは木の影で外套を脱いで、丸めて枕にして横になってしまった。


「...寝てしまいました...姉様なら大丈夫でしょう」


「あの...早く...」


彼女の顔を見れば表情が消え、目から光が消えていた。


「こっちに来い」


セナは手招きをする。

彼女はセナの前を弱々しく歩いて茂みの中に入って行った。


「適当な所で用を足せ、終わったら言え」


ブレードに手をかけいつでも抜けるようにする。


「.....あの」


「なんだ」


彼女は直ぐにセナに声をかけた。


「えっと...その.......わからなくて....」


「なんて?」


聞き取れずに聞き直す。


「やり方が...わからなくて...」


「なんの...」


若干の苛立ちを感じながらまたしても聞き返す。


「おしっこの....」


「.......は?」


呆れた、さっきから訳の分からないことばかり言っていたが『アレ』が分からない。

生きていく上で避けられない現象を発散する方法を知らないなんて信じられない。


「....なんなの?こっちに呼ばれる時に記憶でも無くした?」


頭痛がして頭を抱える。


「あの...その....実は...俺...元々は男だったんです.....」


「......は?」


その瞬間セナの脳みそが処理落ちし、機能が一瞬停止した。


「......異世界人だし....まぁ....ありえなくもないか...うん...そう思おう...そうしよう..それがいい...」


考える事を放棄し、これ以上思考を停止させないようにした。


______________


「.....姉様...」


「どうしたセナ?」


ナオトの後ろを頭を抱えた彼女が歩いてきた。


「そこに座ってろ.....はぁ...」


セナは深くため息をし、ナオトは木のそばに膝を抱えて座ってしまった。


「姉様...相当厄介な物を拾ったみたいですよ」


「厄介って?」


リナは起き上がり、聞く体勢になる。


「彼女...こっちに来る前までは男だったみたいです」


「......は?」


流石双子と言うべきか、殆ど同じ反応をする。


「......異世界人だし....まぁ....ありえなくもないか...うん...そう思おう...そうしよう..それがいい...」


やはり彼女も処理落ちからの機能停止を味わい、思考を放棄した。


「...もう少しで迎えが着くかな」


ポケットから懐中時計を取り出した。

朝日が登り周辺が明るくなる。


遠くから蹄鉄と馬車の音が聞こえてくる。


「ようやく来たね...」


迫ってくる馬車を見れば、天幕が破れ矢が刺さっている。


「....遅い」


ため息混じりの疲れた声で御者に文句を言う。


「すまん、アンデットに絡まれて遅れた」


御者の男は緑色の髪に筋肉質な体の中年男性だ。


「....デイクさっさと行くわよ。セナそいつを載せて」


彼女はナオトに近づくとナオトの体を揺らす。


「おい、立て迎えが来た....おい?...おい!チッ...寝やがった...姉様、こいつを起こしますか?本っ当に世話がやける...」


「起こさなくていい、持ってこい」


股の下に腕を入れ肩に載せて担ぐ、いわゆるファイヤーマンズキャリーで彼女を運ぶ。


「....はぁ...」


馬車にナオトを投げ入れ彼女も乗り込む。


「....生きてる?これ?」


勢いよく投げられても目を覚まさない彼女の事が心配になりリナはナオトの頬をつつくが一切の反応がない。


「ええ、脈が有るので生きてはいるようです」


セナはナオトの手首を掴み脈をとる。


山の縁がオレンジ色になり日の出が近いことがわかる


「もう直ぐ完全に日が出る、行くぞ」


御者の掛け声と共に馬は全速力で走り始める。


「姉様、そろそろ覆面を外しませんか?」


「そうだね...暑いし」


覆面のてっぺんを掴み一気に脱ぐ。

すると圧縮されていた肩の下まである銀色の髪がサラリとおりる。

そして瓜二つの少女の顔、彼女達は双子というものだ。

格好、髪型、声全てが同じ、違うのは妹が姉に思う気持ちだけだろう。


「....あの鎧の異世界人がマジの勇者で間違いなさそうですね」


「ええ、今は戦闘素人でも彼自身の技術は凄い、磨けば物凄く輝くでしょうけど....あれは、正義感に燃える闘心よ...いつか必ず燃え尽きる....」


「魔王なんて数百年前から和平が結ばれてますし勇者を召喚する理由なんてないように思えますが....まぁ、普段から魔王を滅しろって騒いでる国ですし、理由はお察しですね....姉様....それと..寝ていいでしょうか?」


「ええ、いいよ。さっき私が寝たから」


緊張が緩んだのか眠そうにしているセナに寝ていいと言うとセナは積荷の布を枕にして寝始めてしまった。

自分で書いてるのに(2年前)物語の整合性取れないのおかしいだろ

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