夜汽車を待って
ヒュウヒュウと風が鳴る
夜のホームを照らす灯はごくわずかで
線路の先は重たい闇で覆われている
時折恐ろしい風と音を立てて列車が通過しては
去りきった空白ののち
またか細い風の音だけがそこに響く
ホームには人1人いない
いや、自分1人がここに居る
荷物の重みが肩に食い込み
肩ひもを強く握る手がじわじわと痺れていく
これから、どこへいってしまうのか
どこへ連れていかれるのか
これが自分で選んだ道だろう
なのになんでこんなに不安なのか
足元がよろめいて膝を付きそうになる
けれど
今座り込んでしまったらもう立ち上がることはできない
ここまで来たのだから
進む道はその闇の向こうにある
得るためならどんな闇でも突き進んでみせる
そう心を奮い立たせ前を向く
(もうすぐ列車が来る)
迫り来るものに
運命を委ねて