24時間目 お弁当
夏休み通算30話計画は無理そうです(汗)
それと二ヶ月放置してすみません。
ここ最近色々あってですね…
言い訳ですね。はい。
四時間にも渡る眠気との戦いは俺が見事に勝利したのだが、四組に行く余裕がない…。しばらく机の上で休んでから行こう。そう決めてしばらく机の上でボーッと外を眺めていたら、俺の視界を遮る様に(いや、意図的にだろうが)司が目の前に立つ。
「あー…どうしたの?」
問いかけるも反応がない。今朝と同じように俺の全てをその美しいとさえ思える瞳でとらえて放してくれなかった。もしかして今朝のライトのベルの感想の催促だろうか。しかし生憎とまだ1ページも読んじゃいない。感想を言えと言われても何も答えることが出来ない。
「お弁当」
「え?」
一言だけ、単語を口から出し彼女は黙る。驚きのあまり俺は思わず聞き返してしまった。だって、どうしたの?の返答が二、三分遅れて更にやっと言ったかと思ったら修飾語もなにもない単語一つだけの返事なんて…どうしても驚いてしまうに決まってるじゃないか。
しばしの沈黙。相変わらずの無表情、の様にも見えるがなんとなく…戸惑ってる?様にも見える。
「じゃあ一緒に食べようか?」
なるべく明るい表情でそう言った。すると、司もニッコリと頷き(頷くのも笑顔も全然分かりずらかったが)俺の手を引っ張った。
「っ!?」
手を引っ張られた事に声を上げたわけではない。では何故声が出てしまったのか、それは司が指と指を絡ませてきたからだ。
天然なのか打算なのか…どっちにしても考えが読めないのは確かである。
「あ、麻衣。一緒にお弁当食べよ」
ショートカットの少女に連れられて、俺は特別教室棟の屋上へと来ていた。するとそこには既に美羽と長谷部がいて、弁当の包みを広げている。
「…なるほど」
考えてみれば司が俺を一人で誘うわけが無い。この二人(特に美羽)が司を誘い、司に俺を誘うよう仕向けたのだろう。
とまぁ考えていても何が分かるわけでもないしまして俺の悪い頭が良くなるわけでもないので、俺を待ってくれていた優しい?友人達とご飯を食べる為に座ることにした。
「ほら、麻衣はここに────って!なんで手繋いでんの!?」
「あ!すっかり忘れてた…」
そういえば教室からずっと繋いでたんだっけ。途中から繋いでるほうが自然なんだと思わせてしまうほど司の手は暖かかった。
「ごめんな…」
繋がっていない方の手で司の頭を撫でる。
「どうして?」
すると多分くすぐったそうにして、そう訊いてきた。
俺はそんな可愛らしい仕草をする(したのかどうかは正直よく分からないが)少女に苦笑いで答えた。
「いや…気づいてあげられなくてって意味で」
「そう」
司は俺から手を離して自分の膝の上で弁当を広げた。
俺も彼女へのお詫びをしていた右手に自分の弁当箱を広げるという役目を与え、なおも不機嫌な美羽に話しかけた。
「美羽があの小説を知ってるとは思わなかったよ」
「別に、タイトルが面白そうだったから読んでるだけ」
冷たく突き放される。取り付く島がないとはこの事だろうか。
俺は長谷部に目線で助けを求めた。しかし苦笑で返されてしまう。
と、思っていたら俺に体を寄せてきた。
「大丈夫。ちょっとほっとけばすぐ機嫌直すから…」
そっと耳打ちされる。くすぐったくてビクッと体を震わせてしまうが特に何も言われなかった。
「そう?美羽のことなら長谷部は何でも知ってるよね」
「そりゃあ小学校からの仲ですからね」
二人で笑いあう。
「……」
すると俺の左に座っていた司が急に立ち上がりゆっくりと遠ざかっていった。
「どうしたんだ?」
「手すりのところで止まったね」
司の奇怪な行動に頭を悩ませていると隣から、異質な空気が流れてきた。
「み…美羽?」
それを出していた少女はそこに座ったまま。なのにすぐに離れないといけない気がした。
俺は真っ先に逃げた少女のほうを見る。そこには手招きをしている司と長谷部が居た。
「い!いつの間にっ!?」
そこで気づいた。
また逃げ遅れた…。
司回?
いえいえ、脇役回ですよ。
前書きで述べた『色々ありまして』の一部にあたる出来事が
活動報告に紹介させていただいております。
その他にも今年は色々あったのですが
それは小説中に反映させていきたいと思います。