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21時間目 まずはチューニングというのを覚えましょう

 十月、クラスマッチも終わり三日経った頃、ここ三戸東高校ではある授業が執り行われた。音を楽しむ授業…まぁ特に隠す意味は無い。言ってみただけで、ぶっちゃけると音楽の授業だ。そして今日から三月までずっとギターという楽器を扱うらしい。

男子陣も女子陣も楽しみにしていることが話し方で分かってしまう。俺も血沸き肉踊るという程ではないにしても楽しみなのは確かである。

 しかしここから俺の人生は更に奇抜になっていく-----

「今日からギターをやりますけど、まずはチューニングというのを覚えましょう」

太った顎髭の長い眼鏡をかけた先生だった。先生はのんびりにこやかにそう言う。チューニングって何だ?車のチューンとは違うのか?

「チューニングというのは、ギターの音を正しくするのです。日本語だと調弦といいますけれども」

あ~調弦なら聞いたことあるな、バイオリンとかのアレだろ?

「ではみなさんギターを持ってきて下さい」

まずは男子陣が率先して隣の教室からギターを持ってくる。そして女子陣もノロノロとその列に並んでいく。

戻ってくると先生はピアノの前に座っていた。ピアノの音を使ってギターの音を合わせるらしい。

「ではいきますよ、まずは上から数えて六番目、一番太い六弦です。チューニングするときは弦が巻いてあるペグっていうのを緩めたり締めたりして音を調整しますよ。緩めると低くなり、締めると高くなります。ではミ」

そう言うとピアノの音が響いた自分の持ってきたギターの音を聞いてみるが合っているか全然分らない…。ん~ちょっと高いのかな?少しだけ緩めてみた。

「どんどん行きますよ~五弦で~す、ラ」

あ、ちょ!俺まだだけど!ああもういいや!適当にしてやる!


「ではチューニングしたのを持ってきて下さい」

ん~…適当にやった割に中々上手くいったんじゃね?意味もなく自画自賛してみる…しかしギターなんてチューニングしたこともなければ、触ったこともない割に出来ている手応えはあった。

「お願いします」

だから俺は一番最初に持って行った。恥ずかしかったけど、手応えがあったし、それにこのままだと誰も持って行かなそうだったしね。先生は俺の持って行ったギターの弦をピアノと一緒に一音一音、一本一本鳴らし始める。

「一弦がちょっと低かったけどよく出来ました」

おお!マグレとはいえ中々良い滑り出しじゃないのか?ちなみに一弦は細すぎて巻きたくても怖くて巻けなかったんだ。だって巻いてる途中キリッって音がしたんだもん。切れちゃいそうで怖いじゃん?

俺が自分の席に戻っていくと先生の前に長い列ができていた。

学校のパソコンは便利やなぁ…

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