19時間目 人間に必要なのは休息 後編
「ほらあなたたち帰りなさい。
中の人も迷惑でしょ?」
外に居た人たちが先生のその一言で去っていった。返事をした者や落胆する者様々だった。とうとう鬱陶しい程いた人々が居なくなり、いつもの静けさに戻っていった。
「やっぱ先生はスゲェな」
「ふふふ。私外面には自信あるの♪」
是非内面も誇れる人になってください…。今回は助けられたから何も言わないが。
「どうぞ」
「あら、ありがとう。今日は紅茶なのね」
「珈琲もいいんですけど、たまには違ったのもいいと思いますよ」
「そうね…紅茶なんてあんまり飲んだことないし、たまにはいいかもね」
ああ…俺は目がおかしくなっているのか…先生が女神に見える…。
「…グヘへ。んん゛」
いや、やっぱり気のせいだったみたいだった。
帰り道、俺たちの帰る丁度途中の所に憂の家はある。俺たち三人は憂を見送り、各々別れて帰っていく。俺の家は憂の家の前を通る道路を東に50m程行き、スクランブル交差点を左に曲がって運動公園を突き抜けた先にある静かな住宅街に建っているアパートの四階にある。
俺は「お気に入り」の場所経由で帰ることにした。気の向くままに。その場所近くにある石段の上に楓君が座っていた。
「こんにちは」
俺はニッコリと笑った。彼もニッコリと微笑み何かを言って…消えた。いや、その様子は形を失っていったようにも見えた。そして俺は…?あれ?
「…何してたんだっけ?」
まるで記憶が失われたかの様な虚無感に襲われる。なんとかして思い出そうとするけど全く成果は無かった。気のせいだったのだろうか?しかしこの言いようの無い虚無感と危機感は?大事な何かを忘れた…聞かれても答える事ができない。思い出せないもどかしさが俺の体をさながら電流の様に流れていった。
「…探さねーと」
何を?一体俺は何を探すというんだ?自分で呟いた言葉へ自分で問いかける等という間の抜けたことをしながらも俺は探した。最近全く休んでいないせいか、すぐにへたり込んでしまった。やはり人間に必要なのは休息なんだろう。
さぁ立て俺!これが終わったら好きなだけ休ませてやるから!行け!
俺は自分の心と体を奮い立たせ走った。
実は結構熱いの大好きだったりします。
しかしその一方でユルイのも好きだったりします。
まぁ何が言いたいかと言うと
「雨なんてキライだぁぁぁぁぁああああ!」