17時間目 由姫はおもむろに携帯を取り出した
「無難に花火にしよう」
生徒会長が帰った後、俺達はサプライズの企画を考えていた。俺は無難に花火にしようと言ったのだが…
「いえいえ、サイス水溶液に電流を流しサイス水溶液の反応を見るという実験も面白そうですよ」
部長の憂はサイス水溶液なるものに電流を流すという実験がしたいそうだ。何故そんな実験をがしたいのか…俺は気になった。嫌な予感しかしないしね!それに対して書記の由姫が質問をした。
「それってどんな実験?」
「えーとですね、サイス水溶液に微量の電流を流すととってもグロ…とっても面白い反応をするんですよ」
「今グロって言ったよな!?グロって言ってから何事も無かったかのように訂正したよな!?」
「え?グロ?何を言ってるんですか?バカですか?」
「おーかしーなー!なんで私が貶されてるのかなぁ!」
「…けなされる?」
由姫はおもむろに携帯を取り出した。そして少し経ってから言った。
「ことさら欠点を取り上げて悪く言う。くさす。つまり『なんで私が欠点を取り上げて悪く言われてるのかなぁ』という意味か」
「どうでもい!?」
「どうでもよくありませんよ?貴方の浅学さが少しでも改善するかもしれませんのに…」
「せんがく?」
由姫はおもむろに携帯を…
「ってもうええわ!コントちゃうねん!」
「ウチコントやと思うとったわ…これコントじゃないの?」
「会議してたよね?ちゃんと来月のクラスマッチの会議、最初はしてたよね?」
「あーダルイ」
なんてことだ!この世界のツッコミ要因たる凛は怠くてツッコミを放棄している…だと!?本当になんてことだ…俺もボケたいのに。
「あ、本音が出た」
早乙女がすかさず言った。
「違うモン!本音じゃないモン!別にボケたくなんて無いんだからね!」
「こらこらそんなボケかますんじゃないの」
誰のせいじゃ。それにしても話しがずれたな。
「どうやってサイス水溶液の実験をするんだ?」
「サイス水溶液を二百ml用意して、電流を流すとスライムみたいに動き出す…様に見えるんですよ」
「へー少し面白そうだね。んで何がグロいの?」
「電流を流すのを止めると砕けるんですけど、その砕け方が…」
瞳や表情が逝っちゃっています。きっとすっごくキモチワルインだろうナー…よし絶対に止めないと。この時俺は清々しい顔をしていた気がする。
結局その日は何も決まらずそのまま家に帰った。二学期早々長い会議をしてしまったけど、たまには悪くないかなと思っていたりする。
「あ、一般開放にして楓君にも来て貰おうかな~」
そうしたら面白そうだなと考えつつ今度生徒会長に意見してみようと思い、俺はその日を終えた。