第一章 1時間目 勧誘そして非日常の始まり
え~人物紹介でございます。
部長 入野鷹文→入野憂
普段は普通だが、スイッチが入ると…
研究大好き
よく変な薬をつくっては実験する
生徒会化学部の頭脳担当
副部長 友部恍→友部凛
よくぼーっとしてるが、面倒見の良いお兄さんキャラ
しかし誰にも知られていない隠れた一面も…
生徒会化学部のまとめ役担当
書記 早乙女和希→早乙女由姫
学校に通いながらも、モデルの仕事をこなす。
特に気取ったりせず、メンバーの中で一番熱い
生徒会化学部のボケ担当
会計 岡田淳→岡田麻衣
不良だが、お調子者でみんなから人気
ノリが良くいつもメンバーの中心
広く深くがモットー
両極端な性格で、学校一早く登校する場合か遅刻する場合のどっちかしかない
生徒会化学部のテンション担当
この学校には生徒が誰も近寄らない場所がある。そう生徒会化学部だ。なんでもこの学校のある卒業生が校長に無理矢理、部活動設立申請書を叩きつけて承諾させたのだ。ちなみに提出したときの文章を以下に記す。
一 生徒会化学部と命名する
一 部長のしたこと、することに口を出さない
一 問題が起きたとき学校側は全力で助力する
一 他言無用
一 生徒会よりも上の立場にする
余談だがその卒業生は学校に莫大な寄付と援助を今でもしているらしい。全く恐ろしい話である。
「面白かったかい?」
そう言って入野鷹文は笑った。
「なんでそれだけ待遇良いのに誰も近寄らないんだ?」
「毎回部長が変な人だかららしいよ」
「ふ~ん」
お前なれるんじゃね?と言いかけてやめた。藪からヘビかもしれんからな
「更に入るためには成績優秀じゃないといけなくて、しかも現部長の推薦で決まるから誰が部長になるのかわかんないんだよね…」
俺は興味なさげに頷くだけだった。
そうこの時はまだ四月で俺も鷹文も大人しかったのだ。だから比較的大きな事件はまだ何も起きていなかった。
だがそれも五月になると崩れた。一ヶ月経って、周りのみんなの事がそこそこ分かる時期に突入すると、緊張の糸が解けたかのように居眠り者は続出するわ、授業中騒がしくなるわの始末である。俺もそのうちの一人だった。でも寝るなんて馬鹿げたことはしない。どちらかというと騒ぐ方の人間だった。まあ騒ぐと言っても授業中に
「ぐぇぁわぁあ」
と意味不明な単語を発したり
『ガタッ』
と、いきなり立ち上がって周りを見渡したりとかわいいもんだと思う。
まあ結果的には気に入って貰えたようで「また頼むぜ」とか「お前サイコー」とか言われて気分良かったけどさ。だから俺はやめなかった。そしてこのころには俺は知らない奴からは不良という目で見られてたらしい。まあ気にしないが。
「お前そろそろ中間だぜ~。勉強しないの?」
こいつは早乙女和希、学校行きながらモデルの仕事もしているヤツで俺のクラスメイトだ。性格はテンションが上がると熱くなる。でも、別に気取ったりはしない感じの良いヤツだ。ただちょっと暑苦しいだけで…。
さて、中間とは中間テストの事で、成績上位者(具体的には30位以内)は張り出されるシステムとなっている。更に言えば点数も分かってしまう。
「俺は授業中はちゃんとノート取ってるから余裕だぜ」
嘘は言ってない。騒いでいても俺はノートは取るのだ。
「うそつけ~。ま、いいや。いつもの場所でノート取らせてくんね?」
こいつの言う『いつもの場所』というのが物理室である。何故物理室かって?一年一組(俺等のクラスな)の掃除場所の一つに物理室が入ってるからである。誰もいないのでよくトランプをしたりだべったりと、よく集まったりする。今はまだ俺と鷹文と早乙女と恍の四人しかいないが…。あ!恍っていうのは一年四組のヤツで正式名称は友部恍っていうんだ。実は、鷹文と早乙女と恍の共通点って俺の存在だけらしいんだわ。今では結構仲良かったりしてるけど。
「やっべ、編集長から電話来てる…」
「それはまずいね。今日は帰る?」
「いや…多分次の仕事の話かな…最近無かったから」
早乙女と鷹文が話している。そういやもう五時半か…
「岡田~、もう五時半だね」
「ん~いやちょっと待て、後一枚なんだ」
今俺等はババ抜き中である。ちなみに早乙女と鷹文は既にあがっており、今は恍と俺の一騎打ちである。
「これだ~!」
「ハズレ~」
「くそ~負けられねえ~」
「せいや!」
俺の手からダイヤの七が消えていく…。
「負けたのか…」
「ごめんね」
のわりにニヤニヤしてるのは何故だい?恍よ…。
「お!決着着いたのかじゃあ行こうぜ」
「おめ~は電話大丈夫だったのかよ?」
俺は尋ねた。
「あ~、なんかねやっぱり、次の仕事の話だった」
「お~そらおめでたいな」
「良かったじゃん早乙女」
「ではおめでたいので行きましょうー(棒読み)」
俺達は意気揚々と帰って行った。
そしてテスト当日の日、俺は誰よりも早く学校に来て…寝た。いや違うんだ、鷹文っぽく言うと「体力温存をしてテストに備えている」のだ。
俺はそんな調子で三日間過ごした。出来はどうだったかだって?中々の好成績だと思う。多分…。
「ねえ岡田淳君」
悪夢のテスト期間が終わり数日が経ったある日、俺は知らない上級生に声をかけられた。
「はい?」
俺は知らない人には礼儀正しいんだぜ。自分で言うのもなんだけど。
「入野鷹文君を呼んできてくれるかな」
俺は、呼んできますと言って階段を上がろうとした。
「あ~!今じゃなくていいよ。放課後に校長室に呼んでるって言っといて」
「はあ」
「君も来てね」
「わかりました」
…そういやなんで名前知ってたんだ?
俺は言われた通り、放課後に鷹文を連れてって校長室に入った。どうやら数人の上級生(上履きの色が違うので)が教卓の前に集まっていた。そして向かい合わせに立っていた校長先生にこっちにこいと手招きされる。俺達は上級生達の隣に並んだ。
なんの用か皆目見当もつかない。それは鷹文も同じようでさっぱり、な顔をしてる。
「ではこれより第三十二回生徒会化学部部長の任命式を行います」
………
『え?』
俺達二人のマヌケな声が響いた。
「三年二組、火野裕也」
「はい」
校長先生が真ん中に立っている上級生の名前を言ったらしい。火野裕也という人物が前に出る。
「貴方は生徒会化学部部長として二年半もの間立派にやってくださいました。本日をもって一年一組、入野鷹文に部長を譲りますね?」
「譲ります」
なんだか話が飛躍しすぎている。頭がついていかない。
「一年一組、入野鷹文」
「あ…はい」
戸惑いながらも鷹文は返事をした。
「貴方には本日をもって生徒会化学部部長として活動していただきたいのですが、いかがでしょう」
「あのなんで俺なんですか?」
「君はこの間の中間テストで一位をとったんだよ。生徒会化学部の部長は成績が良くないといけないからね」
「あ~わかりました。…やります」
「お~おめでとう鷹文」
その場にいた上級生達は拍手した。もちろん俺も拍手した。
「同学年同組、岡田淳」
「はい?」
少し上ずった声になってしまった。だって名前呼ばれるなんて思っても見なかったんだぜ?
「貴方には生徒会化学部の会計をやっていただきたいのです」
「…あ~はい、わかりました…」
俺は渋々といった感じで頷いた。だってさ、目の前には校長、すぐそこには上級生だぜ?恐らく鷹文も断れる雰囲気じゃないと察したんだろう。だから了解したんだな…。
「ではこれにて式を終わりにする」
上級生は我慢してたのか、すぐさましゃべり出した
「新しい部長かあ。懐かしいなあ。あのころは他のメンバー探しに必死だったっけ」
「はぁ~、部長もあの頃はこのぐらい可愛かったのに…」
「なにおう?」
「いきなりやってきて、お前生徒会化学部の書記やってみないか?って言ったのを今でも覚えてるわ」
そう言って女の人は笑った。
「覚えてねーよ」
火野裕也さんはそっぽ向きながら答えた。
「それよりさ、がんばれよ新しい部長。メンバーは四人集めないといけないけど」
鷹文はその場にいた上級生達にがんばれよとか言われる度に「はい」と言っていた。
俺はそのまま鷹文と一緒に校長室を出た。
「…今日は早く帰ろうか?」
やっぱり今日の出来事がよっぽど疲れたのだろう。鷹文は帰ろうと提案してきた。
「…ん~ちょっと生徒会化学部とやらの部屋見に行くから先帰っててくれ。早乙女と恍と」
「はいよ」
しかし俺はどうしても生徒会化学部というものが気になってしかたなかったので鷹文とは校長室前で別れた。
『コンコン』
「どうぞ」
校長先生からの許しを得て中に入る。
「部室ってどこにありますか?」
「物理室が君たちの部室だよ」
校長先生は丁寧に教えてくれた。ってか何?物理室とか…偶然?
「ありがとうございました。失礼します」
俺は校長先生に軽く挨拶をして部屋を出た。
歩きながらメンバーについて考える。早乙女を書記にして、恍を副部長辺りにするか。そうすれば四人だし、面倒じゃない。そんなことを考えていると物理室に着いた。俺は早速中に入り確認する。いままで気づかなかったけど、結構色んな物置いてあるな。一つ一つ調べてみる。ホワイトボード、段ボール、段ボールの中にはサプリメント?が入っていた。何々…女性ホルモン剤…アブね~薬なんじゃないか?
俺は一通り確認すると満足して帰って行った。
半分フィクションで半分フィクションではありません(笑)
見てくださり
ありがとうございましたm(_ _)m