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2 エーゲ文明

 どうも、一条おかゆです。


 今回は古代ギリシャの最古の文明、エーゲ文明についてです。


挿絵(By みてみん)


 これはエーゲ海(ギリシャとトルコの辺りの海)周辺で起こった文明なのでエーゲ文明と呼ばれます。

 基本的には"青銅器"を使っていた海洋文明です。

 ※鉄器は『前1200年のカタストロフ』までヒッタイトという国が占有していた技術なので、もっと後の時代になります。


 そんなエーゲ文明の内、最古のものは前3200年頃(諸説あり)に起こったキクラデス文明です。

 この文明は大理石の女性像などが有名なのですが……正直、学校の授業とかで出てくるものではないので、触れません。


 なのでまずはクレタ文明です。


 ◆クレタ文明(ミノス文明)

 このクレタ文明は前2700年頃にクレタ島というエーゲ海の蓋のような島に起こり、エーゲ文明の中でも始めて中心的な役割を果たした文明です。

 だいたい前2000年頃に海上交易によって発達し、クノッソスなどに宮殿が作られます。

 そして、クノッソスにあった宮殿を、20世紀にイギリス人のエヴァンズという人物が発掘し、日の目を浴びる事となりました。


 とまぁ適当に説明しておりますが、正直こういった話は退屈だと思います。

 なので興味のありそうな話をしましょう。


 上のクレタ文明の横に、かっこで"ミノス文明"と表記していると思います。

 果たしてこのミノスとは何なのか!?

 答えは簡単。

 ミノスとは皆さんご存知ミノタウロスの父親なのです!!


 まぁミノタウロスの父親って聞いたらあんまりいいイメージを抱かないかもしれません。

 しかし伝説では、クノッソス宮殿はミノス王が作ったとされ、結構すごい人物なのです。

 ただ、彼がポセイドンに送るはずの牛を送らずに別の牛を送った為に、彼の生まれてくる子供は牛の頭を持つことになるんですけどね……。


 ちなみにこのミノス王。

 実在した可能性が高いと言われ、ミノタウロスも実在した彼の将軍だとかなんとか言われています。

 ただ、ミノタウロスのいた迷宮『ラビリントス』については2018年に「そんなものは存在しない」と結論付けられました。

 ……夢がないですね。


 そんな王と化け物がいたかもしれないミノス文明(クレタ文明)ですが、未だに謎に包まれた部分がたくさんあります。


 まず、象形文字みたいな文字とか、線文字Aとか解読されてない文字を使います。

 そして民族系統が分かりません。


 芸術から察するに海洋文明だとか、城壁が無いから平和だったとか、分かってる部分もあるのですが……氷山の一角でしょう。

 これから分かっていくといいね!


 ◆ミケーネ文明

 一方ギリシャ本土では、アカイア人によって前2000年頃にこのミケーネ文明が起こりました。

 ミケーネという土地の他にも、ティリンスやピュロスにも小国家が生まれ、前15世紀頃にはクレタ島やトロヤ(トロイア)にまで進出しています。


「ん?トロヤ? あのトロヤ戦争のトロヤ?」と思う方も知るかも知れません。

 イエス!!

 そうです、そのトロヤです。


 トロヤ戦争というのはホメロスの詩である『イリアス』に出てくる架空の戦争とされていたのですが、このトロヤを発掘したシュリーマンは「トロヤは本当にあるんでい!!」と考え、発掘したらマジで見つけました。

 彼はミケーネやティリンスの発掘にも貢献しており、ギリシャ考古学ではすごい人物です。(色々言われてるけど)


 まぁそんなミケーネ文明がクレタ文明とは違い、何故トロヤの方にまで拡大できたか。

 それは軍事が強かったからです。


 それもあってか、当時にしてはすごく重武装の兵士なんかが存在したりします。


挿絵(By みてみん)


 更にミケーネ文明の宮殿はクノッソス宮殿とは違い、巨大な石で作られた城塞のようになっています。

 ちなみに、「こんな巨石は人間じゃ運べない……そうだ、単眼巨人のサイクロプスが運んだんだ!」という感じで、ギリシャ神話にあやかってサイクロプス式と呼ばれます。


 しかし、そんなミケーネ文明も前1200年頃に滅んでしまいます。

 理由としては天災や政治の行き詰まりも挙げられるのですが、最も大きな理由となるのは「海の民」という、ぽっと出のわけわからん奴らです。


 この「海の民」。

 冗談じゃなく、まじでわけわからん奴らです。

 彼らについてはアカイア人(ギリシャ人)とラテン系民族(イタリア人)を主とした複数民族の集団と言われていますが、基本的には実体が未だに掴めていない謎の戦闘集団です。


 彼等はミケーネ文明だけでなく、ヒッタイトをも滅ぼし(当時食糧難でボロボロだった)、エジプトにまで進攻したと言われています。

 そして馬鹿みたいに都市をぶち壊し、文化を後退させ、『前1200年のカタストロフ』という東地中海の巨大な社会変動を起こす一つの原因になりました。


 そしてそんな謎の戦闘集団「海の民」によって滅ぼされたミケーネ文明。その後のギリシャは地獄の『暗黒時代』へと突入していくのでした――


 ◇◇◇


 とまぁ今回はこんな所で終わりです。


 あと付け加えるとしたら、ミケーネ文明で使われてた文字は線文字Bと呼ばれ、エヴァンズに解読されています。

 とまぁ、テストに出る程度でしたらこのぐらいですかね……。


 あと、これは完全な余談ですが、「ミケーネ文明は「海の民」じゃなくてドーリア人(次回出るよ)が滅ぼした」と言っている人はかなりいます。

 最近だと気候の寒冷化か「海の民」に滅ぼされた、という説が主流なのですが、日本や海外のお偉いさんの中にはドーリア人説を固持している人もいます。

 自分は別に専門家じゃないので深く言及する事は避けますが、歴史というのは日々新たな発見と共に変わっていくので、柔軟に受け入れる事が大切だと思います。


 と熱く語りましたが、今度こそこれで終わりです。

 次回は「暗黒時代、ポリスの成立(仮)」です。

 よろしく、よろしくぅ!!

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