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金色妖狐のティナ  作者: KAITO
第一章 ティナとの出会い
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「お兄ちゃーん?この服、……何?」


「!!………」


雄人は光に壁ドンをされていた。最も、今光がしている壁ドンは心にキュンとくるものではなく、圧力をかけるような、脅迫に近い感じの壁ドンだ。


「ずいぶんボロボロなんだけどー、…これ、ティナさんがやったの?」


「いや、……あいつじゃねー…」


ボロボロの服というのは、雄人が勝手に光の部屋から持ってきた服で、ティナの服の代わりにしていた。フウゼンとの戦いでそこら中破けて、とても着れる状態ではなかったので、後で捨てるためにとりあえず雄人の部屋に置いてあったのだが、光にあっさり見つかってしまった。


「へー、じゃあお兄ちゃんがティナさんを無理矢理襲ったって事でいい?やっぱり誘拐って事でいい?」


「んなわけねーだろ!?ってかその服俺の部屋に置いてあったはずだけど!勝手に入ったのかよ!?お前それはダメだろ!」


「お兄ちゃんがそんな事言える立場?この服入ってたところに私の下着とかも入ってたんだけど?」


「いやお前の下着なんて毎朝見てるっつーか見せられてるっつーかでもう見慣れたっつーか。お前も毎朝いつの間にか俺の部屋いんだろーが」


「開き直ってんの?私はお兄ちゃんよりデリケートなの。大体女の子の部屋に勝手に入るって何なの?」


「何がデリケートだよ。普段だらしねー格好なのによお」


「何お兄ちゃん?死にたいの?」


「ごめんなさい、マジでごめんなさい」


光は更に睨みを利かせて、雄人を萎縮いしゅくさせる。


「なんでこんなに服がボロボロなのかちゃんと説明してよ」


「えーっとそれはだな、…そう!ティナに街の案内しててよー、あいつ結構転ぶんだよ!ドジっ娘かよって思ったな!うん!」


「でも風呂から上がってきた時傷なんか一つもなかったじゃん。(私より胸大きかったし…)」


「!…傷の治りも早いんだろ!?けがしたの昼前だったし、お前が帰って来るまでにはとっくに治って…」


「昼前?お兄ちゃん学校に行ってなかったの?」


「……あ」


雄人の発言が全て裏目に出てしまい、光の機嫌を更に悪くさせた。


「つまりあれだね、お兄ちゃんは私が学校で授業を受けてる間に街中デートをお楽しみだったと、…そういうわけ。」


「(つーか街の案内すらしてねーんだけど、ここは素直に謝っておこう)……本当に申し訳ございませんでした。」


雄人が深々と頭を下げ謝ると、光は何かを思いついたように、にんまりと笑った。


「いいよ、服の事も学校さぼった事も許してあげる。その代わり、条件があるよ」


「はい、何なりと」


「今度の休み、私の買い物に付き合ってよ。」


「……できれば他の事を」


「替えの新しい服も買わないといけないし」


「行こう、次の休みに絶対行こう」


「うん!…それに、ティナさんの服とかも買わないとだし」


「……やっぱり光は優しいよな、いろんなところに気が回るし」


そう言うと、雄人は光の頭を撫でる。


「えへへ///当然だよ!荷物持ち、ちゃんとやってよね?忘れちゃダメだよ?約束の指切り!」


「へーい」


さっきまでの怒りはどこへいったのか。今の光は無邪気に笑っていて楽しそうに雄人と話していた。

雄人と光は指切りをして、光は自分の部屋に戻っていった。

雄人も部屋へ戻ろうとすると後ろからささやくような声が聞こえた。





「ゆーうさん」


「!?」


「ふふっ」


雄人が振り向くと、ティナが静かに笑みをこぼし、立っていた。


「ずいぶん楽しそうでしたね~。…いえ、兄妹なんですからそれが普通だと思うんですけどぉ」


ティナは雄人に歩み寄って目の前に立ち、頭を雄人に向ける。


「はい!どうぞ雄さん」


「……どうしたティナ?頭なんか下げて」


雄人は首を傾げるとティナは頭を上げ、頬を膨らませて雄人を見る。


「雄さんもう忘れたんですか?全部終わったら私の頭を撫でてくれるって約束を」


「…あー、あの時途中で止めた…よし」


雄人は思い出し、ティナの頭を優しく撫で始めた。


「!!……はにゃ~///」


ティナは目を細めてとても気持ち良さそうにしている。


「今まで、独りでよく頑張ったな。これからは俺もいる、だから一緒に頑張っていこうぜ!」


「はい!///」




こうして雄人の一日は終わりを告げた。






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