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金色妖狐のティナ  作者: KAITO
第一章 ティナとの出会い
2/31

出会い ☆

挿絵(By みてみん)







ある晴れた朝、少年はいつものように目覚まし時計の音に起こされ、目を覚ます。


「………ふぁ~、…ねむ。」


少年の名は朱夜雄人あかやゆうと、高校一年生。雄人はだるそうに起きると隣に何かがいる事に気づいた。


「んぁ……もう食べられない。」


「…またかよ。おいひかり起きろ、朝だぞ」


「んにゃ?…あっ、おはよ~お兄ちゃん。」


左肩を出し、着ている服は薄いシャツ一枚、ハーフパンツを履き、ラフな格好をした黒髪ロングの彼女の名は朱夜光、中学二年生、雄人の妹である。


「お前なぁ、俺のベットで、しかも俺の横で毎度寝てんじゃねーよ。」


「良いじゃん減るもんじゃないし。それに私達兄妹でしょ。ならなんにも問題なーし!」


「問題ありだろ。お前もう少し警戒心持てよ、いくら暑いからって薄着で一緒に寝るやつがあるか…。」


光はスタイルが良く、出る所は出て、引っ込むところは引っ込んでいるので、雄人は目のやり場に困っていた。


「お兄ちゃん照れてるの?かわい~!見たいならはやく言ってよね!」


そう言うと光はシャツを脱ぎ始めるが、雄人はすぐさま止めに入る。


「目の前でいきなり脱ぎ始めんじゃねーよ!……ったく、お前の将来すげー不安なんだけど。」


「シスコンはちょっと引いちゃうよ?お兄ちゃん」


「くだらねーこと言ってねーでさっさと学校行く準備してこい。朝食の支度するからよぉ。」


「ハーイ!あっ、私ジャムパンねー!」


「はいはい分かってるよ。…朝からテンションたけーなあいつ」


雄人はキッチンで朝食の準備、光はその間に支度。光の支度が済んだら次は雄人が学校の支度を始める。その間に光は朝食や弁当の盛り付けをする。


雄人が準備を済ませ、リビングへ行くと光は朝食をテーブルに並べて雄人が来るのを待っていた。


「別に俺なんか待ってなくて、先に食べてても良かったんだぞ?」


「私はお兄ちゃんと一緒に食べたいの!そこから私の一日は始まるんだよ!」


「…あっそ。」


「そっけないなぁ。まぁいいや!ほら早く座って!いただきまーす!」


「本当テンションたけー。…いただきます。」


雄人と光にとって、それが当たり前の朝であり、一日の始まりのようなものである。




家を出て雄人と光は学校へ向かう。


「光さ、いい加減俺と一緒に行くのやめね?お前の同級生とかに見られたら変な噂が立たねーか?」


「私はそんなの全然気にしないもん。私がお兄ちゃんと一緒に行きたいから行ってるだけだもん。」


光はそう言うと若干涙目になり始めた。以前に一度、光より先に家を出てしばらく歩いていると後ろから光が凄い勢いで走ってきて抱きついて来たことがあった。雄人が焦って「どうした!?」と聞くと、光は「勝手に行かないでよー!!」と大泣きした事があった。それ以来、途中まで一緒に行く事が当たり前になっていた。


「つってもよー、いつまでも一緒って訳にはいかねーだろ?」


「……お兄ちゃんは、…私が邪魔なんだ……」


光が下にうつむき、落ち込んでしまったので雄人はあわててなぐさめようとするが、光はすぐ顔を上げて表情は笑顔になっていた。


「なーんて!お兄ちゃんは優しいもんね。こんな私にいつも付き合ってくれてありがとね!」


「え!?……あ、あぁ。別にいいけどよ」


「じゃあ私こっちだから。あっ!今日の晩ごはんは私が作るよ!何が食べたい?」


「…そうだな、カレーでいいわ。」


「定番だね~、分かった!とびっきり美味しいカレー作るから楽しみにしててね、お兄ちゃん!」


「おう、楽しみにしてる。じゃあな。」


そう言って雄人と光は別れた。




―――――――



電柱の上から雄人を見つめるセミロングで金色髪の少女がいた。少女の姿は袖が長く手を覆い隠すような白い服で、下はオレンジ色のラインが入った黒のワンピース、黒のハイソックスである。



「…やっと見つけた。」





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