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 探偵

テレビドラマや小説、漫画などのミステリージャンルでは、もはや定番といえる職業である。 


 ひとたび事件に遭遇すれば、推理によってたちまち、犯人を探し当ててしまう。

そして周りからは「名探偵だ!」と、称賛されるのだ。 


この、立ち回りに憧れ、一度は探偵になってみたいと思う人も多いはずだろう。


そんな探偵がうちの学校にいる? 

にわかには信じられない。


ぶっちゃけ話に出てくる探偵なんて、フィクション的イメージが強い。


 そりゃあ探偵事務所の看板などは見かけるが、疫病神じゃあるまいしそんなポンポコと事件には遭遇しないだろう。

薬によって小さくなった高校生や、名探偵だったじっちゃんの孫とかなら話は別だが。


「その、…探偵は、奈津子の知り合いなの?」

一応、かなえは聞いた。でも、探偵のことはほとんど信じていない。 


 昼休み開始の鐘もなったことだし、ひとまずご飯を食べてから考えよう。

なにを食べようかなと、今日のお昼ご飯のことを考えることにした。


「いや、噂だけど?」

奈津子はキョトンとした顔で言った。


 よし、今日は麺類を食べよう、うどんがいいな。

かなえは食堂へ向かった。


しかし、それは体へとしがみついてきた、奈津子により叶わなかった。


「ちょちょ、ちょっと!どこ行くの!?」

「ご飯だけど?」

「なんで、今行くの!?」

「だって、お腹すいたし」


早く行って、天ぷらうどんが食べたい。きつねうどんと迷ったが、天ぷらうどんにしよう。


「奈津子はなに食べるの?」

「あっ 私今日、お弁当だから……じゃなくて!」


奈津子はなんとかかなえを自分の方へとむけさせ、肩をガッシリとつかんだ。


「話の途中じゃん!」

「だって、噂なんでしょ?」

そんなものに惑わされるほど、暇じゃないのだ。


「出所はしっかりしてるの!」

「どこから?」

Twitterとかいいだしたら、問答無用で食堂に直行するつもりだった。


「私の友達の知り合いがその探偵に助けられたんだって!」

「……」

 

 なんと、ならば本当にいるというのか。

いや、友達の知り合いというのは、どうなのだ?

ホントに噂レベルではないか。

デマでも流されてるのでは?

 いまいち納得のいかないかなえであったが

聞いてあげないと、天ぷらうどんにはありつけないようだ。


「はぁ… じゃあ、話聞いてあげるから、とりあえずご飯たべよ?」

そう言うと、奈津子は嬉しそうに頷いた。


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