入寮
放課後、私と奈穂ちぃは学園の寮に足を運んでいた
理由は今日入寮の手続きをするためである。因みに他の人は中等部の頃からこの学園に通っていてしかも全寮制なので強制的に入寮せざるを得なかったのだ
だが怜は中等部の終わりに編入したためキリがいい高等部からの入寮でいいと許可を得ていた
だから奈穂と一緒になったと言う訳だ
「誰と一緒の部屋になるかな?」
不安そうな口調でいつもとは打って変わってソワソワしているのが少しおかしい
「そうだな」
だがそれを気づかれないように冷静を保って返す
「確か部屋の人数は最大で5人最小で3人だったよね」
奈穂ちぃはそうつぶやきながら未だにソワソワしている
そんなこんな言っているうちに寮に到着した
寮の中には雪都先生と寮長らしき人物がいた
その人達の前に行くと話かけられた
「鈴蘭寮へようこそ。今日から入寮する人ですね」
そう言って寮長らしき人から話かけられた
「私は寮長の橘凛[たちばなりん]です。隣にいるのは寮監の雪都先生です」
はいと答えると寮長らしきひとから軽く自己紹介をされた後鈴羽先生を見やって今度は鈴羽先生の紹介をしてきた
「えぇ~!!」
鈴羽先生が紹介に上がった瞬間奈穂ちぃが驚きの声を上げた
「先生は寮監もしていたんですね」
私が冷静に言うと…
「怜ちゃんは、驚かないのね」
そう言って感嘆の声をあげた
「一気に色々な事が起こりすぎでこれくらいでは驚いて要られませんよ」
だから仕返しにと言わんばかりにいったのだ
そして軽く挨拶を済ませ部屋に案内された
「えっと2人は同じ部屋ね!後1人同室の人がいるんだけど…まだ来てないみたい」
そう言って鈴羽先生は部屋の中にわたし達を促しながら案内してくれた
「3人だけど5人部屋しか余って無かったから少し広いけど自由に使ってちょうだい」
凛先輩は少し申し訳なさそうな顔をしながらそう言ったのだが狭いならまだしも広いのだから文句の付けようがないのだ
そして、はいと返事をした
「誰が来るか楽しみね」
奈穂ちぃは喜々としてそう言った
「そうだな」
わたしも半分楽しみだったのだが悟られないように答えた
「あっ!そういえば隣の部屋は明ちゃんと恋華ちゃんよ。それと他3人」
鈴羽先生がそう付け足した
「本当ですか!?怜ちゃん良かったね」
喜びを隠そうともせずに嬉しそうに奈穂ちぃはそう言ってきた
「あぁ。」
頷きながらそうこたえると満足そうな顔をしてにこやかに笑って返してきた
その後は寮の決まりごとを教えられ先生達は元いた場所に戻って行った
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決まり事項はこうだ
その1、門限は夕方の6時までとする。但し祭りのときや学校関係で遅くなる時は連絡を入れたら良しとする
その2、夕食は6時半とし、みんな揃って寮長の挨拶を合図に食事開始とする
その3、外泊時は、外泊届けを出すこと但し自分の家の場合は、口頭で言うだけで良しとする
その4、学校を休む際や早退する場合は、寮監又は寮長に伝える事
以上の事は、絶対厳守!!
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「奈穂ちぃベッドどこにする?」
わたしは特にこだわりがなかった為奈穂ちぃにまかせようと思い話を切り出した
「そうねぇ〜もう1人同室の人が来てから決めようか」
いい案を思いついたと言わんばかりに頷きながらそう返してきた
「そうだな」
異論は全くないため快く返答した
ガチャ
そんなこんな言っていたらタイミング良く1人入って来た
その顔をみて…
「!!!」
お互いに顔を合わせたらなんと今日仲良くなったばかりの七華だった
「まさか私と同室の奴らはお前らか!?」
と七華が驚き混じりで言う
それはそうだろう。わたし自身も知らなくてびっくりさかたのだから
「隼田さんもこの部屋ならそうよ!」
本日何回驚いだだろうか奈穂ちぃはそう言って返事をしていた
「因みに隣の部屋は明と恋だ」
わたしはしれっと付け足すのだった
「へぇ~偶然ってあるもんなんだな」
感心したように七華が頷きながらそういった
「ところで今何時だ!?」
「えっと…6時20分!?」
と珍しく奈穂ちぃが焦ったように言う
「とりあえずベッド決めは、夕飯の後にするか!!」
「そうね」
七華はなんの事と言う顔をして首をかしげていたが今はそれどころではなかったので食事場に急いで行った
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食堂に着くと既にほとんどの人が集まっていた
その中にお姉ちゃんの姿もあった
お姉ちゃんがわたし達に気づき目が合うと手招きされた
「席取っといてあげたわよ」
ここに座れと言わんばかりに手招きをする
「ありがとう」
そう言いつつわたしはお姉ちゃんの隣の席に座った
「あれ!?確か隼田さんだったわよね?」
げげんそうな顔でそう訊ねてきたのでうんと笑顔で答える
「はい!妹さんと葉山さんの同室になりました」
七華は嬉しそうにお姉ちゃんの質問にこたえている
「そうなのね!怜と奈穂を宜しくね!特に怜は…。まぁ、この話は、後で言うわね。あまりこういう公の場所で話て誰かに聞かれると面倒だから」
お姉ちゃんの顔には少し翳りが出たけど気にしてはいけないと思い気づいて無いふりをした
「は…はぁ」
事情を全く知らない七華はと言うと不思議そうにしていた
そこで明達もやって来た
「怜!!部屋は、どうだった?ってあれ!?隼田さんじゃん」
明が今気づいたと言わんばかりにそうら言った
「私と怜ちゃんと葉山さんは同室だ」
そう言っていいだろうといって明をからかっていた
『へぇ~。』
そう言って息ぴったりに明と恋華が言う
「怜、良かったね」
ホントは明も一緒の部屋が良かったのだか仕方の無い話だ
「・・・。」
「怜?」
そう言って明が心配そうに顔を覗きこんで聞いてきた
「えっ?あっなんだ?ごめん。聞いて無かった」
すまんなといいながらもう一度言ってもらった
「今日話した時も最初ボーッとしてたよな」
まずいと思い慌ててフォローするのだが…
「怜、大丈夫なの?」
明がそう言ってお姉ちゃんが続いて無理しないのよと心配そうな顔をして言うので私はあぁ。心配しなくても大丈夫だ。と返したのだった
それからすぐに、寮監と寮長が来て夕食が始まったのだ
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夕食を済ませ部屋に戻ってベッド決めをした
結果、扉から入って奥から、七華→怜→奈穂の順番になった
それから間もなくしてさっきの話をしに光が部屋に入って来た
緊迫した中1番に奈穂が口を開いた
「あの、紅茶でも飲んで一端落ち着きましょうか」
気を落ちつかせる為か奈穂ちぃはそう提案してきた
そう言うことに関しては本当に気が聞いてて尊敬するのである
「そ…そうね」
お姉ちゃんも緊張しているのか堅くも頷く
一時して落ち着き出したお姉ちゃんが話出した
「端的にいえば怜はね…昔から身体が弱いの」
そう言ってお姉ちゃんは落ち込んだような悲しげな顔をしていた
「それでか…。さっき怜ちゃんがボーッとしてた時過剰に心配していたのは…」
なっとくしたように七華は頷いた
えぇと光が肯定した
「それで、中等部の終わり頃まで入院してたの。だからと言うわけじゃ無いんだけど少しでも様子が変だったら私に教えて欲しいのよ。とくに隼田さんと怜が2人きりの時はね」
そう言って続けて言葉を付け足した
「はい。分かりました」
真剣な表情ではあるがお姉ちゃんが安心できるよう、にこやかに七華は答えた
「お姉ちゃんありがとう」
自分からは言いづらかった事を話てくれたお姉ちゃんにお礼を言う
そのお礼にお姉ちゃんはただいいえ!どういたしまして。とにこやかに返事をした
「さて、この話は終わりにしましょうか。それとこの事は、私と恋と陽向兄妹と先生以外知らない事だから余り広めないでください」
そう奈穂がいいこの話は終わりとなったのだった






