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天才魔法使いシュナは魔王フェナの○○になる!  作者: 砂之寒天


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第4話 お菓子を持って魔王城へ!②

 ふわふわのソファに座っていると、ルナリアが紅茶を持ってくる。


「ありがとうございます」

「ありがとう!」


 シュナはマカロンの箱を開けて、お皿に出した。


「これがバニラとチョコとキャラメルで、こっちのはイチゴ!私はキャラメルとイチゴ!」

「では、イチゴを2つ」

「うん!ルナリアちゃんも食べる?」


 シュナはルナリアの方にくるっと振り向き、小首を傾げて問う。


「……いいの?シュナ」


 ルナリアは照れくさそうに、頬をピンクに染めて首を傾げた。


「もちろん!」


 シュナは快く、笑顔で応える。


「フェナ様、いい?」


 そしてルナリアは、申し訳なさそうに、遠慮がちに問うた。


「どうぞ?お好きに」


 フェナはまつ毛を伏せて紅茶を飲みながら、どうでも良さそうにそう言った。


「……ふふ、やったぁ。あ、カップが足りない……持ってこなきゃ」


 ルナリアは、小さな白い花が綻ぶように、微笑んだ。その後、カップが足りないことに気づいて、ぴょこ、と立ち上がって取りに行く。まるで白い子兎のようだ。

 その一連の動作があまりに可愛らしかったので、シュナは心臓がきゅんきゅんしてしまった。


「ルナリアちゃん、か〜わいいね……!」

「そうですか。僕には貴方の方が可愛らしいですよ」

「もう、ほんと?」

「ふふ、えぇ。神に誓って本心ですとも」

「えぇ〜、信じられない!」

「ふふふ。全く……」


 仕方がないというようにフェナは目を閉じる。

 そこに、ルナリアがカップを両手で丁寧に持って、トテトテ歩いてきた。


「フェナ様〜、カップ持ってきました!」

「えぇ。シュナの隣に座りなさい」

「分かりましたぁ。シュナちゃん、隣失礼するね」

「どうぞ!」


 ルナリアは仮面を取る。シュナは横目にそれを見ていた。

 すると、深い紫色の、花びらのような綺麗な形の目が見える。鼻は小さく、ツンと尖っている。唇は自然な桜色で、ぷるんと音がしそうな程艶々だ。頬はふっくらとしていて、僅かにピンクを帯びている以外、雪のように真っ白である。


 シュナは思わず大きな声を上げた。


「え〜!ルナリアちゃんめっちゃかわいい!!」

「え、へへ、そう……?シュナちゃんにそう言われると、嬉しい……へへ」


 ルナリアは照れたように頬をピンクに染め、汗をかく。

 そのいじらしさに、シュナはメロメロであった。


「も〜〜なに!可愛すぎる!!私がルナリアちゃんのこと守るからね!!」

「ルナリアはシュナより強いですよ。小柄な体を活かして、俊敏に動きますから」

「え〜〜!じゃあルナリアちゃんのこと守れるように、私も頑張らなきゃ!」

「へへ、ありがとう……」


 ルナリアはヘラっと笑った。


 そうして3人は、平和なティータイムを過ごした。


「……なんだか、暑いですね。それに、異様に眠たい」

「そうだね!紅茶で温まったのかな。ポカポカのままお昼寝したら気持ちいかな?みんなでお昼寝しよ!お庭空いてる?」

「僕は外で寝るような事はしません。自室で寝ます」


 警戒心が強いのである。


「え、じゃあ私もフェナと寝る!」

「……本気ですか?」

「え、ダメ?」

「いえ……ただ、非常識だと思っただけです。僕は構いませんよ、貴方がいいのであれば」

「え〜ごめん!!だって人とするお昼寝って気持ちよさそうじゃん!」

「そうですね。……ルナリア、片付けは頼みます。僕たちはお昼寝してきますので」

「承知しました!」


 ルナリアはぽやっ!と返事をした。眠そうである。お腹が満たされて眠くなったのかもしれない。


「……食器を落とさないように。ではシュナ、行きましょうか」

「はーい」


 フェナは一言注意した後、シュナと共に、自室に転移した。転移してしまえば自室の場所は分からない。自室の位置は隠されているのである。


「どうぞ」

「失礼します!」


 フェナはベッドに座り、隣にシュナを招いた。


 案外簡単にフェナは眠りについた。

 シュナも、少しだけその端正な寝顔を見た後、眠気に負けて眠った。


 ……シュナが持ってきたイチゴ味のマカロン。あれの名前は夢見マカロンである。

 夢見マカロンは眠気を誘発する効果がある。だからフェナは簡単に寝たのだ。

 そしてイチゴ味は、……なんと、エッチな夢を見る効果がある。


 シュナはエッチな夢を見て動揺するフェナを見るためにイチゴ味の夢見マカロンを買ったのである。いたずらっ子なのだ。


 案の定、2人はセクシーな夢を見た。


 フェナが先に起きた。30分程経った時である。


 起きたフェナはまず、下着に違和感を感じる。この感覚は……所謂、夢精である。


「……最悪です」


 フェナはため息をついた。非常に不愉快である。


 動こうとしたが、シュナが全身に絡みついていて、動けない。

 どかそうとしてゆっくりシュナを動かしていると、シュナがうーんと唸って起きた。


 起きて早々、シュナはこんなことを言う。


「ふわぁ…。夢見はどうだった?」


 確信犯である。


「…まさか、貴方、僕に魔法薬を盛りましたね?夢見マカロンですか?」

「あ、バレた?私も同じの食べたよ!一つだけだからそんなだったけど!2個だと効果強かったでしょ!」

「えぇ。全く、困った方だ。僕は着替えてきますので、少々お待ちを。」

「着替える?なんで?」

「言わないといけませんか?」

「あ、フェナも私と同じようなえっちな夢を見たの?」


 シュナはニヤニヤしてフェナを見つめる。その色気に、フェナはドキリとして息が詰まった。


「っ……分かっていてやったんですね?襲われても文句は言えませんよ」

「付き合ってないのに襲うとかなくない?」


 シュナは純粋な目をして、きょとん?と首を傾げた。

 そうじゃない事もある事を、流石にフェナは言えなかった。ピュアなシュナの心を、守りたいと思った。


「……そうですね。貴方の心の準備ができるまで、僕は待ちましょう。貴方のことが好きなので」


 当然のことのようにそう言う。


「大切にしたいってこと?嫌われたくないってこと?」

「大切にしたいということです。嫌われても別に構いません。その時は無理矢理僕のものにするだけですから」

「そんなことしたら私、フェナのこと嫌いになるよ?」

「……いえ、なりませんよ?」

「え?どういうこと?」


 純粋なシュナには分からなかった。


「強引な手段に出るということです。貴方が思っているより魔族というのは恐ろしい、ということですよ」

「……ふーん。まぁいいや。別に、やり返せばいいんでしょ?」


 シュナは本気でそう思っている。まるで、教室に来た不審者にやり返す妄想をする小学生のように、無垢で、純粋で……愚かだ。


「おや、僕に勝つおつもりですか?……ふふふ、愚かな方だ……。貴方なんて、3000年以上生きている僕からすれば、非力な赤ん坊と変わらないというのに」

「フェナってそんなに長生きしてるの?」

「魔族に寿命はありませんからね。僕はこの世界ができた時に神より作られた存在。……その神というのも、貴方はよく知る人ですよ」

「……?私、神様の知り合いなんていないよ?」

「えぇ、そうでしょうとも。……これ以上は約束に反するので言えませんが」

「ふーん。ま、着替えてきなよ!イタズラしてごめーんね☆」

「まったく。早くどいてください」

「はーい」


 そうして、フェナは着替えてきた。


「今日はこの後どうしますか?」

「うーん、そろそろ帰ろうかな!」

「分かりました。ではまた後日会いましょう」

「うん!またね!」


 シュナはそう言って、フェナの転移魔法で帰った。

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