第二十三章67 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】67/準決勝第2試合17
【ティアラ】は、【召喚魔法陣】を【パズル】の身体を挟んだ状態で、展開させる。
【ティアラ】は、
「答えはこれよ。
【召喚魔法陣】で召喚された物は召喚されて初めて形を為す。
でも元々あった場所からここに出るまでの間の【召喚魔法陣】にある状態では形を為さずに曖昧な状態のままになっている。
つまり、名前も形も無い状態。
私は、完全召喚される物を召喚する訳じゃない。
召喚されない、私が召喚出来ない何者でもない何かをあえて召喚する。
結果として、【召喚魔法】は成立しない。
なぜならば、形を為してないから。
でも、貴女達には違う。
それは常識の外側にあるものだから、それだけで貴女達には効果が期待できる」
と言った。
【パズル】は、失敗が確定している何だか解らない物の【召喚魔法】によって吹っ飛ぶ。
【パズル】は、
『・・・見事だね。
それが貴女が今の技術で唯一、私に通用する手だと思うよ。
だけど、今の一撃では私は倒せない。
なぜなら、常識外のその他は無数にある。
それらのその他の中から攻撃に結びつくそれを正確に呼び出さないと攻撃としては成立しない。
残念ながら、今回のそれは攻撃には当たらなかった。
でも良い線、行っていると思うよ。
上手く行けば、攻撃としてヒットするかも知れない。
後2回のチャンスがあるんだ。
宝くじってのを買っている様な気分で試してみると良いよ』
と言った。
【ティアラ】は、
「そうね。
気分は宝くじを買っている様なものね。
実際はそれよりも遙かに低い確率なのでしょうけどね。
正確に貴女に対する有効打となる【召喚】が出来ない以上、私に勝てる可能性はない。
それに、これは貴女に打たせてもらって初めて成立するもの。
貴女のお情けで攻撃が成立しているに過ぎない。
貴女が攻撃する必要はない。
後、2回やって失敗すれば、その時点で私の負けが確定で良いわ」
と言って、2回、【召喚魔法】を試し、失敗した。
【ティアラ】は、
「私の負けよ。
これは一矢報いたって言えるのかしら?」
と問いかける。
【パズル】は、
『少なくともこっちが全く無視出来たと言う状況では無かったのは確かだよ。
それだけでも誇って良いと思うのは私達の傲慢かな?』
と言った。
【ティアラ】は、
「いいえ。
それを言うだけの強さを持っているわ、貴女達」
と勝利を称えたのだった。




