第二十三章60 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】60/準決勝第2試合10
【パズルチーム】は、第11戦出場者、【小豆】までが完全勝利し、残すは2勝すれば、勝ちが確定する状況となった。
【フェイマス・グローリー】によって13名ギリギリの勝負をさせられている【パズルチーム】だが、そんな悲壮感は微塵もない。
要は全員勝てば良いのだ。
そして、その実力が全員にある。
第12戦出場者、【かき氷】は、
『さて、儂の出番じゃな。
ギャラリーは面白い勝負を所望しておるが、見ての通り、儂らとお主達とでは絶望的なまでの戦力差がある。
逆に聞きたい。
どうすれば良い勝負になる?
儂らは手を抜けば良いのか?
じゃが、手を抜いた勝負で、ギャラリーが納得するのかのぅ。
八百長だと言うのではないか?
困ったのぉ。
儂には打つ手無しじゃ。
お主達の気持ちと言うのはこういうのを言うのじゃな。
何となくだがわかるぞぉ』
と言った。
【ティアラチーム】からすれば、
(全然解ってない)
(あんたと一緒にするな)
(絶望的なのはこっちだけだ)
(意味、解って言ってんのか?)
と思っていた。
所詮、絶対的強者に凡人の気持ちなんてわからない。
そう考えるしか無かった。
そう、【凡人】。
【かき氷】達からしてみれば、才能溢れるとされた【ティアラチーム】もただの凡人に過ぎない。
いや、それ以下に映っている可能性が大であった。
それだけの戦力差があった。
勝てない・・・
どうやっても勝てない。
そんな絶望的な状況で、【ティアラ】が、
「だったら、試合の権利を私に2回くれないかしら?」
と言った。
【かき氷】は、
『ん?
お主は、チームリーダーとして、次の第13戦に出場するはずでは無いのか?』
と尋ねた。
【ティアラ】は、
「そうね。
【フェイマス・グローリー】が決めたルールでは、1人、1試合に1回しか出れない。
だけど、さっきチラッと聞いたんだけど、【フェイマス・グローリーチーム】は【唯野 芳一チーム】に惨敗したと聞いた。
つまり、【第10覇王/テンス・オーバーロード】しての権限は暫定的に【唯野 芳一】にあると言う事。
【唯野 芳一】、聞こえるかしら?
悪いけど、今すぐルールを変更して欲しい。
双方のチームが認めれば、2回まで出場出来ると言う事にルールを変えて欲しい。
お願いよ」
と言った。
突然の提案、観客席で見ていた【芳一】は、
「えぇ?僕ぅ?」
と目をぱちくりさせたのだった。




