第二十三章52 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】52/準決勝第2試合02
【芳一チーム】は全員で、【第10席戦】の準決勝第2試合を見学する事にした。
魔法、超能力など多彩な力を使う【造力の深魔女/ティアラ・ジェネシス】チーム36名対不安定な力を持つ、様々な真の強者の遺伝子を持つ【真強者の娘子パズル・クイズ】チーム13名(【超越】の第0位【最強ランク】の【ウェアリス・マクスオヴァー】により決勝戦まで進めば25名?になる)の戦いが始まる。
【フェイマス・グローリー】が作ったルールはまだいきており、25回戦って、先に13勝した方が勝利というのは変わっていない。
つまり、現時点で13名しか居ない【パズル・クイズチーム】は、1回でも負ければ、第14戦から出場選手が居ないため、【チーム全体の負け】が確定すると言う厳しい条件となる。
だが、それと同じルールで、1回戦も行われていたはずである。
にも関わらず、無数の超アイテムの所持権利者である【権利の才覚/ライト・エフェクト】チーム38名ではなく、【パズル・クイズチーム】が勝ち残っている。
つまり、【パズル・クイズチーム】は全員が精鋭であると言う事がこれだけで解るのである。
【ティアラ・ジェネシス】も馬鹿ではない。
このチームが相当強い事は勝ち残って来たと言う時点で理解していた。
【ティアラ】は、【パズル】に話しかける。
「まさか、【ライト】のチームが敗れるとはね。
決勝は私にぞっこんの【ライト】が相手だから勝ちを譲って貰えると思っていたけど、【タイト】のチームを実力で破ったと思って良いのよね?」
と言った。
【パズル】は黙って頷いた。
【ティアラ】が1回戦で破った、【ユニット】と【パズル】が1回戦で破った【ライト】はいずれも【ティアラ】とは知り合い同士の間柄だ。
この3名は、【第10席戦】の本命とされる3名だった。
だからこそ、【フェイマス・グローリー】は自分のチームとは別のブロックに3名をやってお互いつぶし合いをする様にし向けていたのだ。
そのオマケで居たはずの【パズル】がまさか勝ち上がって来るとは夢にも思って居なかったと言うのが正直な気持ちだった。
準決勝で当たるかも知れない【ティアラ】のチームと戦いたくなくて【パズル】のチームにわざと負けたとも考えられたが、準決勝に勝ち上がってくるのは【ティアラ】のチームだとは限らなかったはずだ。
恋のライバルだと思っている【ユニット】のチームが勝ち上がってくる事だって考えられたはずである。
だとしたら、【ライト】が【ユニット】に勝ちを譲る訳がない。
1回戦の第3試合と第4試合が第2試合と同時に行われていた事から考えると、【ライト】のチームがわざと負けると言う事は考えられなかった。
そう、考えると、【パズル】のチームが実力で、【ライト】のチームを下したと考えるのが妥当なのである。
とんでもない伏兵が居たと【ティアラ】はそう、理解した。
【ライト】のチームをギリギリの人数で破ると言う事は相当な手練れであると考えられる。
油断すれば間違いなく、【ティアラ】のチームもこのチームに負ける。
彼女はそう判断していた。
正直、【ユニット】と【ライト】と【ティアラ】のチームに戦力差は無いと言っても過言ではない。
【ティアラ】のチームが【ユニット】に勝てたのは、直線的に攻める方針だった【ユニット】のチームに対して、【ティアラ】のチームはからめ手で勝負したからだ。
言ってみれば作戦勝ちである。
まともに勝負していたら、恐らく勝てたかどうかも怪しい勝負だった。
それくらい3チームの力は拮抗していると言っても過言ではない。
実際、【ライト】のチームにもまともには勝負せず、色仕掛けなど奇策を使って攻めるつもりだった。
だが、【パズルチーム】が勝ち上がって来たので【ティアラ】の思惑と外れた方向になっていたのだ。




