第二十三章50 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】50/これからどうする?3
戦っていない12組だけでなく、戦った12名もまた、【芳一】との妻の座を解消するという事には反対だと言う。
【芳一】は、
「何で、僕みたいな甲斐性無しにそこまで思って貰えるのか解らないけど、僕は見ての通り、普通の人生を歩んでいない。
普通の人間の様に結婚して、子供を作って、子供を育てると言う人生が僕の性に合っていないとも思っている。
でも君達はそんな僕に付いていきたいと言うのかい?
僕と一緒に居ても幸せじゃないかも知れない。
その可能性の方が大きいと思う。
僕は今までの人生で【愛】より、自分の【夢】を選んできた人間だ。
結婚する機会はこんな僕でも何度かあった。
でも、僕はそれを選択しなかった。
そう言う意味では僕は人間としてぶっ壊れているのかも知れない。
僕の姉兄はちゃんと結婚して子供も居るのに、僕だけ、こんなフラフラしている。
はっきり言えば僕と一緒でも幸せになれないと思う。
それでも付いてくるって言うのかい?
それは君達を不幸にする。
幸せを放棄するのかい?」
とメンバー24組全員を諭す様に言った。
全員に納得してもらうために。
と、思っていたら、全員に怒鳴られた。
気の弱い、【フェアリア】でさえ、
「何を持って幸せとするかは拙者達が決めるでござる。
【芳一殿】に言われる筋合いはないでござるよ。
例え思い人であってもそれは言わせないでござる」
と怒っていた。
24組に一斉に怒鳴られ萎縮してしまう【芳一】。
それを諭す様に、【仁愛】は、
「わたくし達は貴方のためにこの場に居るのではありませんよ。
わたくし達がそうしたいと思うからこの場に居るのです。
言ってみればわたくし達のわがままですわ。
もし、宜しければ、もう少し、わたくし達のわがままにおつきあい下さいませ。
ねっ」
と言った。
【芳一】は、
「は、はい・・・」
と返事をするのがやっとだった。
そして、本気になった女性の集団を怒らせると怖いなと思うのだった。
こうして、【芳一】と24組の妻達はもうしばらく今の関係を維持する事になったのである。




