第二十三章43 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】43/【唯野 芳一】対702名23
【テンスカイ・グローリー】が敗北を認め、【芳一】が勝利し、同時に【芳一チーム】の勝利が確定した瞬間、【芳一】の意識が何処かに飛んだ。
【芳一】は、
(な、何だ?
何がどうなったんだ?)
と動揺した。
まさか、最後に握手を求めた【テンスカイ・グローリー】の罠なのか?
いや、それは否。
違う。
彼女は正々堂々と戦い、そして、最後に勝者である【芳一】を讃えた。
そこに他意はない。
悪意も無い。
彼女は勝負として真摯に向き合い、そして敗北を素直に認めた。
だから彼女は関係無い。
いや・・・多少は関係はあるか。
彼女が敗北を認めた事で、【フェイマス・グローリーチーム】の敗北が確定し、チームリーダーである【フェイマス・グローリー】は、その瞬間、【第10覇王/テンス・オーバーロード】としての資格を剥奪された。
だが、【第10覇王/テンス・オーバーロード】は、【第20超高位神/トゥエンティエス・オーバー・ハイ・ゴッド】の加護を受けているので、【第10覇王/テンス・オーバーロード】が確定する間に仮に加護を受ける者が必要となる。
それには、【フェイマス・グローリー】を破った【芳一】こそが相応しいとして、【フェイマス・グローリーサイド】から、【芳一サイド】に【第20超高位神/トゥエンティエス・オーバー・ハイ・ゴッド】の加護が引っ越してきたのである。
突然、目の前に絶世の美女が現れた。
【芳一】は、
「だ、誰だあんたは?」
と聞く。
その絶世の美女は、
『喜びなさい。
あんたが今から私の加護を受ける資格を得たわ。
もっと喜んでも良いのよ』
と言った。
その容姿に似合わずかなり軽い感じの物言いだった。
【芳一】は、
「だからあんたは誰だって?」
と聞き返す。
そこへもう一名、女性が現れ、
『【超高位神様】、まだ気が早いです。
まだこの男の前に顕現されては困ります。
まだ、確定していないのですから。
加護も与えてはなりません。
まだ勝負は続いております』
と言った。
【芳一】は、
「だから、あんた達は誰なんだって?・・・」
と言った。
どうやらまともに話を聞くタイプでは無いと判断した。




