第二十三章36 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】36/【唯野 芳一】対702名16
戻ってきた【フェイマス・グローリー】と【テンスカイ・グローリー】を睨み、【芳一】は、
「後、2人・・・」
とつぶやいた。
【テンスカイ・グローリー】は、
「し、試合をしましょう。
・・・試合をしてください。
このままでは試合ではなくただの殺戮です・・・
こんなの・・・試合ではない・・・
頼みます・・・」
と言った。
とにかく、【芳一】をなだめようとしている。
彼女は自分達がやり過ぎたと思った。
怒らせてはいけない男を怒らせてしまった。
このままでは自分達はなぶり殺しにされてもおかしくない。
【芳一】自身に自覚があるかどうかは不明だが、彼の思考は【超越】の要素を持ち始めている。
一部が、【超越】と化している。
人外の力である。
そう感じ取っていた。
だが、【芳一】は半分冷静だった。
まだ、理性があった。
【芳一】は、
「心配すんな。
全員、ぶっ殺したが生かしている。
試合が始まる前に会場事、【フィクションの世界観】で取り込んでいる。
解除すれば、【フィクション】だったって事になる。
ただし、気に入らない真似をこれ以上するなら【虚構】を【現実】に変えるだけだ。
こっちにはその覚悟がある。
舐めた真似はするな。
これは【第10覇王/テンス・オーバーロード】を決めるためのトーナメントで試合なんだろ?
だったら、こっちからもちゃんと試合をしろ。
礼を尽くす相手には礼で答える。
非礼を行う相手には非礼で返す。
ただ、それだけの話だ。
解ったらちゃんと試合しろっ、馬鹿野郎共がっ」
と怒鳴った。
【フェイマス・グローリー】は、
「な、なんだと・・・」
と言うが声のトーンがかなり小さい。
すっかり、【芳一】に気圧されているのが見て取れる。
それを見た、【テンスカイ・グローリー】は、
「この【フェイマス・グローリー】と言う男は飾りです。
ペらっぺらの薄っぺらな男。
私達【三正妻】が居なければ何も出来ない無能な男。
それに権力が付いて粋がっているだけの男に過ぎない。
【フェイマス・グローリーチーム】の残った主力はこの私、【テンスカイ・グローリー】のみ。
まだ、貴方に許しを貰えると言うのであれば、貴方と私の一騎打ちを望みます。
私が負けたら勝利は貴方のチームのもの。
それで良いですか?」
と言った。
今の【芳一】に裏工作は通じない。
誠意を持って対応するのがベストだと【テンスカイ・グローリー】は判断した。
それが解るだけ、彼女も傑物だと言える。
【芳一】は、
「解った。
それでかまわない」
と答えたのだった。




