第二十三章18 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】18/【フェアリア・トゥルーヴェリティリア】対301名18
【フェアリア】の【万稀夜行】の総攻撃をまともに受けた、【フェイマス・グローリーチーム】の【レベル1】の132名は一溜まりも無かった。
その勢いのまま、【レベル2】の166名も侵食、侵略していく。
【レベル2】の者達は、
「う、うわぁぁぁぁぁぁっ」
「き、きゃぁぁぁぁぁぁっ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ」
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
「いあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
などと次々と悲鳴をあげて行く。
見た目からも何だか解らない者がたくさん現れ、彼女達に襲いかかる。
その勢いはえげつない程凄まじく。
瞬時に、恐怖心を煽られつい、悲鳴をあげたのだ。
彼女達は実力者だが、初めから実力があった訳ではない。
色んな苦労や努力を経て、実力者とまで言われる様になった者達である。
そんな彼女達も最初はか弱い乙女達だった。
その頃の弱い自分達の心を刺激する様な根本的な恐怖だった。
人間は何だか解らない者が怖い。
それが怖いからこそ、よく解らない他者を虐めたり迫害したりする。
同じ人間でさえ、そうなのだ。
ましてや人間かどうかもわからない者。
いや、人間が想像出来るものかどうかさえ解らない者が一辺に現れ、もの凄い勢いで突進してくる。
その恐怖に耐えられる乙女などそうは居ない。
実際、このたった1回の攻撃で、【レベル2】の実力者の3分の2以上、117名がごっそり持って行かれた。
【カイシー・グローリー】の戦力は、あっという間に【レベル2】の実力者が、49名、【レベル3】の超実力者が4名だけとなった。
【カイシー・グローリー】は、
「ひ、ひるむなぁ~。
応戦しろっ」
と命じるが、彼女の声も少々震えている。
それくらい絶望的な攻撃だった。
後1歩前に出ていたら【レベル2】の実力者が全滅していた。
そう、考えてもおかしくないくらいの攻撃だった。
【カイシー・グローリー】は、震えながら、
「な、なんだ・・・
何なんだ、お前は・・・?」
とつぶやいた。
その声は【フェアリア】には届いていない。
それくらい小さな声だった。
【カイシー・グローリー】は確信する。
こいつが弱いなど私の思い上がりだった。
こいつの戦力は私達のそれを遙かに上回っている。
まともにぶつかれば私達の兵力など一溜まりもない。
このままでは間違いなく大敗する。
勝てない・・・
勝てると言う勝算が全く見つからない。
と。
【フェアリア】は一瞬にして、【カイシー・グローリー】に絶望感を与えて見せた。
捕るに足らない相手だったのは【フェアリア】ではない。
むしろ自分達だったと言われている様な気分だった。
それくらいの戦力差を今、正に見せつけられたのだった。




