第二十三章12 【アンサー・クリエイト/第10席戦5】12/【フェアリア・トゥルーヴェリティリア】対301名12
300名の配下と共に戦場に向かう【カイシー・グローリー】に対し、【フェイマス・グローリー】は、
「まさか、【チグランド】の馬鹿女の様に、300名も兵を連れておきながら負けると言う事はないだろうな【カイシー】」
と言った。
善戦した【チグランド・グローリー】に対して何て物言いだと【カイシー・グローリー】は思ったが、【フェイマス・グローリー】とはこの程度の男だと知っているので、それをおくびにも出さずに、
「大丈夫ですよ。
私は負けません。
301名で当たるのです。
普通に考えて負ける訳がないでしょう?
それとも、私が負けるとでも思っているのですか?」
と言った。
口調は丁寧だが、【フェイマス・グローリー】に対して、
(お前は黙っていろ)
とでも言いたげな圧力をかけた。
その気迫に圧倒されたのか、【フェイマス・グローリー】は、
「う・・・
勝てるんだな?
そ、それなら・・・別に・・・良い・・・よ・・・」
と口ごもった。
【フェイマス・グローリー】は解ってる。
【三正妻】を怒らせたら、彼など一溜まりもない事を。
だから、文句があっても直接は言えない。
負けた【チグランド・グローリー】に対しても面と向かっては言えないだろう。
陰口で【馬鹿女】と言っているに過ぎない。
恐らく【カイシー・グローリー】も【フェアリア】に負けたら、この愚かな男に【馬鹿女】と陰口を叩かれるのだろう。
所詮はこの程度の男だ。
まともに相手をするのは馬鹿らしい。
【フェイマス・グローリー】は【三正妻】が自由に活動出来る様に【名義】だけ貸していれば良いのだ。
所詮は傀儡政権なのだ。
【傀儡】/【フェイマス・グローリー】は【三正妻】の為に、他者の悪意を引き受けていれば良いのだ。
この男に望むのはそれだけである。
【カイシー・グローリー】は、
「では、行って参ります。
勝利を手に」
と言ってその場を去り、24重人格だから恐らく24体に分かれるだろう【フェアリア】の待つ【戦闘会場】に向かったのだった。




