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溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。  作者: 竜ヶ崎彰
6章 学院体育祭

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94.あなた達のような人間の方がよっぽど化け物よ!

 キアス先生の正体…。

 それは残虐なマッドサイエンティスト『キアヌ・ヴア』だった…。


 そしてキアス先生…いや、"キアヌ"が言った"L(レクイエム)"って…


「"L(レクイエム)"はこの世界に混沌をもたらす()()!私はそこで知識を買われて、彼らの一員となってある研究をした!それこそ、()()()()()()()()()()()だ!」


「亜獣人の…"血液"…?」


「私はかつて、亜獣人の血液を人間に投与して、"新薬"を作る研究をしていた…私は幼少の頃、大切なたった1人の家族である母親を病気で亡くし、悲しみにくれて母と同じ苦しみを持つ人を1人でも多く救おうと研究していた…そして、亜獣人の血液が人間の身体に大きな影響を与え、どんな疫病もたちまち治る事を知った!私はこれを学会で発表した、これは大発見だと思い私の夢は叶うと思った…だが…」



 ~


『それは亜獣人に対する冒涜だ!』


『君は亜獣人に対して傲慢な態度を示している事になる!』


『それに、それが世に渡れば、人類にどんな悪影響があるか!?』


 ~



 話を聞く所だと、この人もとても辛い経験をしていたんだね…。

 でも、それがどうしてこんな事に!?


「そしてぼろくそ言われたあげく、私の研究は永久凍結となり、研究の継続を禁じられた…私は失望した…そんな時、どこで嗅ぎつけたのか、私の研究者としての力を欲しいというやつらが現れた…それが、L(レクイエム)だった…そして私は、最初の目的だった新薬の開発の原点として、亜獣人そのものの血液の研究を始めた!そして、12年前、良い"被験体"を見つけた!それが、お前だよ!100(イチゼロゼロ)号!最強の亜獣人の竜人(リューマン)であるお前の血液は、本当に素晴らしい!人間にはない未知の力で溢れている!お前がこの学院に入学してくると聞き、私は本物のキアス・ヴィアンタと入れ替わり、この学院に潜入した!お前を連れ戻す為に…」


 本物の?

 それって、つまり、キアス先生は実在してこの人と入れ替わりにどこかへ?


「それじゃあ、本物のキアス先生はどこに?」


「ああ、実は新たに亜獣人の血液から作った新薬を投与したのだが、残念ながら、眠ったよ…"永遠"にな!」


「・・・・・!?」


 永遠に眠った…。それってつまり…本物のキアス先生はこの人に()()()()って事!?

 じゃあ、今まで私は、私達は、ティオに酷い事をしたこの人に授業を…


「さあ100(イチゼロゼロ)号!再び私と共に…」


「いい加減にしやがれ!」


「なに!?」


「アギト!テレシー!」


 アギトとテレシーが駆けつけてくれた。


 観客席からもざわめきが聞こえる。

 もはや体育祭どころじゃないかも…。


「こんな大事な体育祭の日に、色々とすんげえ事を一気に知っちまったけどよ…あんた・・・いや、お前の言っている事に間違いがある!」


「何だ?」


「こいつの名前は"ティオ"だ!そんな100(イチゼロゼロ)号って、品番号みたいに呼ぶんじゃねえ!」


「そうよ!こんなに小さくても私達人間と一緒で生きているのよ!」


「何を言って…」


「2人の言う通りよ!」


「なんだと?」


「この子には"ティオ"っていうちゃんとした()()があるのよ!亜獣人だからって、実験体にして言い理由にならないわ!」


 いつの間にか私は心から本気で怒っていた。

 ティオを、冒涜された事。

 そして、亜獣人に対する差別的な言動を聞いた事。

 それらに対する怒りだった。


「亜獣人にだって、美味しい物を食べたら美味しいって思うし、悲しいって思ったら悲しむし!楽しいって思ったら楽しいって思う!亜獣人にだって、私達人間と一緒でちゃんとした()()があるのよ!」


「何が感情だ?亜獣人など、人間とは比べ物に歯ならない力を持つ!つまりは()()()同然だろ!」


「化け物!?人間と違うからって、そんな事言うの!?あなたには思いやりがないの!?見た目が人間と同じでも、身体能力や魔力に違いはある…それ以外は人間と一緒で生きているのよ!人間と一緒に暮らして、一緒に勉強したり、一緒に働いたり、食事をしたり…そういう事だって出来る!彼らからしたら、そうやって暴力や暴言に身を任せて無理矢理言う事を聞かせようとするあなた達のような人間の方がよっぽど()()()よ!」


 私は怒りに任せて心に思った事を全部言った…。

 それはそうよ…

 ティオだって生きているんだから!

 竜人(リューマン)だからって、亜獣人だからって、人間と同じ人生を歩む権利を奪っていいなんて事はない!


「ふん!随分と言いやがって…なら、証明しようか…私の()()()を!」


「成功例…」


「出てこい!」


 その言葉に反応したのか、入場門から黒い髪の女の子が出てきた。

 見た感じ、ティオと同じくらいの年にも見える。

 というか、何かティオに似ている?


「何?その子?」


「我が実験体"099(ゼロキュウキュウ)号"!お前と同じ"竜人(リューマン)"だ!」


「え!?」

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