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溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。  作者: 竜ヶ崎彰
4章 ささやかな日常

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45.なんかぎこちないのよね・・・

 ティオの誕生日から一夜明けた次の日の朝ーー。


「リタ様、おはようございます」

「おはよう!メイル!」


 彼女の名前は"メイル・ミュート"。

 アスタルト家に仕えるメイドで、主にリタの侍女として仕えている。


「リタ様、今日も素敵な髪ですね・・・」

「うふふ、ありがとう!メイルがいつもブラッシングしてくれるから!」

「勿体無いお言葉です・・・」


 メイルはリタが5歳の時にメイドとしてアスタルト家に来たので、今年でリタの専属メイドとして迎え入れられて8()()()を迎えたのだった。


「さてさて!ブラッシングも終わった事だし、ティオを起こしに行こうっと!」

「あ、ティオ様なら…」


 ーー一方その頃・・・。

 自分の部屋で寝ていたティオ。


 まだ寝ていた彼に、別のメイドが起こしに来た。




「ティオ様、起きてください・・・朝ですよ・・・」


 彼女の名前は"ミラン・ペイル"。

 メイルと同じ時期にアスタルト家にメイドとして来たメイドで、彼女もリタの侍女として仕えていた。

 そんなミランであったが、現在はティオの侍女として仕えていた。


 そしてそんなミランはティオを起こしていたが、ティオ本人は一向に起きる気配が見えなかったのだった・・・。


 そんなティオにミランは耳元で囁いた・・・。


「ティオ様、今日の朝食は甘~いフレンチトーストですよ」

「・・・!?」


 ()()()()()()()()の言葉に釣られてティオは即座に目が覚めた。


 しかし、ティオは我に戻って少し恥をかいてしまっていた…。


「あ、ミランさん、おはようございます・・・」


「・・・ティオ様、あなたは既にアスタルト家のご家族の一員ですよ・・・いつまでも私達に敬語は止めて頂けませんか?」

「ご、ごめんなさい・・・どうも慣れない生活だから・・・」

「・・・慣れないって、ティオ様はアスタルト家(この家)に来てからかなり経ちますよね?」

「あはは・・・ごめんなさい・・・」


 ぎこちない感じのティオとミランであったが、ティオは着替えを済ませてすぐさま食堂へ向かった。




 皆が朝食を取っている最中、メイルとミランは近くに立っていた。


 朝食の時間を終えて後片付けを済ませた後は料理場にてメイド達の朝食の時間を迎えた。


 メイド達は朝食を取りながら世間話をして各々の話題で盛り上がっていた。


 その内、メイルとミランはリタとティオについての話をしていた。


 メイルとミランは楽しそうに話し合っていた。


 幼少の頃にリタのお世話をしていた事を懐かしんでいただけでなく、ミランはティオの事で少し悩んでいた事を打ち明けた。


「ティオ様って、なんかぎこちないのよね・・・」

「確かに、私にもなんか堅い感じで話すのよね?ティオ様って・・・」

「唯一、心を開いているのはやっぱり、主人にしてお義姉(ねえ)さんのリタ様だけだよね・・・」


 そんな中でメイド達の朝食は終わり各々は後片付けに励んだ。



 ーー正午

 メイド達は洗濯をしていた。


 各部屋のベッドのシーツを水洗いし、屋敷の庭にある物干し竿にシーツをかけていた。


 他のメイドは屋敷内の掃除をしていた。


 廊下に飾ってあった壺にはたきをかけていた1人のメイドは出てきたホコリによって咳き込む姿が多々あった。


 ーー場所は変わって屋敷の庭。


 メイルとミランがようやくシーツをすべてを干し終えて休憩を取っていた。


 晴天の空を見上げていたメイルは昔の事を思い出した。

 それはリタに仕え始めた頃の事だった。


 幼いリタと対面した当時のメイルは最初、リタを大人しい子だと思っておりなんとか心を開いてもらおうと必死だった・・・。

 だが、リタが本当は明るい子だと知った事から自分から積極的になった事で2人の間にあった溝が溶け出して今に至るのだった。


 一方で同じ時期に来たミランも、リタの事で困っていた事はあったものの、彼女の本来の明るさを知った事で、リタをいい子だと確信していたのだった。

 そんな今はティオの侍女となったミランは、別の問題を抱えていた。

 それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。


「なんとかティオ様にフランクになってもらいたいけど、どうすれば・・・?」

「・・・あ!だったらこんなのどう!?」


 なにやらメイルが閃いたらしいが、メイルは一体何を思いついたのか・・・?

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