118.一緒に暮らそう!
私達家族はある場所に向かった。
それは、王国騎士団の牢屋。
そこに、アリアがいた…。
病院で色々検査を終えたあの時に、牢屋へと移送されていた…。
キアヌに利用されたとはいえ、彼女がしてきた事は決して許される事とは言い難い…。
でも、そんな事をしたとしてもアリアの為に、あの子の心を解放したいと思っている。
これからは家族としてアリアを迎え入れたい…。
それが私達"家族"で決めた事だから…。
「何か用?」
「あのね…アリア、はっきり言うけど、家に来ない?」
「え?」
「話はリタから色々と聞いている…アリア、もし君が良いというなら、ぜひこちらも君を"娘"として迎え入れたい」
私とお父様でアリアに話をした。
でも、アリアの心はまだ暗かった。
「いきなり"家族"なんて…無理」
(やっぱり…)
「私はキアヌの所為でどれだけ酷い思いをして、どれだけの人を傷付けたか、あなた達に分かる?所詮私達亜獣人は化け物と同じよ…」
「え?」
「キアヌの言う通り、見た目だけで後は人間とは違うのよ…力だって、魔力量だって…人間と竜人が一緒になんて、本来は無理なことよ…ティオが特別なだけ…」
「え?」
ティオに対して、アリアは皮肉じみた事を言うと、目を合わせないように今度は背中を向けてしまった。
キアヌに実験体にされたのが相当深く傷ついている事がよく分かっていた。
だからこそ力になりたい…けど…
「なら、こうしないか?」
「?」
サイガお兄様が突然話し出した。
いったい何を?
「今後の君の為にも"罪を償う"っていう前提で僕らの提案を受けるというのは?」
「罪を償うって…」
「君が心から悪いと思っているなら、それを今後リタの為に役立てるっていうのは?元々あの騒動はリタが君に心に問いかけた事で収まった、言うなれば君にとってリタは恩人ってことになる…」
「何が言いたいの?」
「ティオに続く、リタの使い魔にならないか?」
「使い魔?」
サイガお兄様がいうには、使い魔は1人につき1体という決まりはなく、主人と使い魔となる亜獣人を含む動物の魔力量が十分であれば、2体以上の使い魔を従える事も可能らしい…
それを聞いて私も名案だと思った。
あとはアリアの返答しだいだけど…
「私に何の得があるっていうの?」
「損得は君次第さ、それに身近に頼れる人がいたほうが安心するだろ?君にとっても悪くない話だと思うよ?」
サイガお兄様が必死に説得している。
(なら私も…)
そう意気込んだ時だった。
「家に来てよ!」
「え?」
ティオが話しかけてきた。
しかも勢いよく…
「僕だって、前は外の世界とか、知らなかったよ…楽しいことやおいしいもの、誰かと仲良くなること…知ってよかったことがたくさんあるから!多分、アスタルト家に来なかったら、全部なかったと思うんだ!だから…一緒に暮らそう!」
「・・・・・」
少しだけど、アリアが考え込んでいる顔になった。
もう一押しかも…
「お姉ちゃんも一緒にいたいよね?」
「え?」
「お姉ちゃんに義妹が出来るってのはまだ納得できないけど、アリアは僕のもう1人のお姉ちゃんだから!一緒がいいの!」
「ティオ…」
「・・・・・わかったわ…」
「え?」
「よろしくね…リタ…義姉さん」
「姉さん…って事は!?」
「決まりだな!」
アリアの返事ですべてが決まった。
アリアは私たちアスタルト家の新たな家族、私の義妹にして使い魔になりました!
これからまた賑やかになりそう!




