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今日は誰も居ないので、食材を買ってきた。

 突然だが、俺の趣味は家族がいない時に、滅茶苦茶凝った料理を作ることだ。


 食べた人の笑顔が見たい? 「おいしかった」が何よりの報酬?

 そういう人は居るだろうけど、俺は全く理解できなかった。


「……よし、出来上がった」


 出来上がったのはカルボナーラスパゲッティ。ネットで作り方を調べて、三回目にして満足のいく出来の物が出来上がったのだ。


「おいしそうな匂いだにゃあ」


 ミケが匂いを嗅ぎつけて台所に入ってくる。ちなみに今日は両親は外食、妹は友達の家にお泊り、この家には俺とこいつしかいなかった。


「美味いぞー、でもお前は猫だから食べちゃダメな」


 人と同じものを食べさせてやりたい。そういう気持ちが無いわけじゃない。だが、それがミケの為になるかと言うと別なのだ。


「わかってるにゃ、だけど毎回おあずけくらうミケの気持ちも汲んで欲しいにゃ」

「そう言うと思ってな、ちょっといいエサ買ってきた」


 俺は机に乗ったコンビニの袋から、金色に光る猫缶を取り出す。


「おお……ネコと和解不可避にゃあ……」


 決して安くは無いのだが、俺も今日はちょっと高い生クリームを使ってるし、粉チーズを多めに入れている。おあいこという奴だ。


「早く食べようにゃ」

「まてまて、こういうのはちゃんと盛り付けしてこそ違いがだな……」


 俺はいつものエサ皿に、猫缶の中身を丁寧に盛り付ける。ぱっと見だけは高級フレンチに見えなくもない感じに。


「んじゃ、居間で食べよっか、今日はこたつの中で食ってもいいぞ」


 怒る人も居ないし。


「にゃー! ご主人、二人だけのおうちって最高にゃあ」


 嬉しそうに身体を跳ねて、ミケは素早い動きで居間のこたつへ突貫した。


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