目が覚めたら世界がまるで変っていた?!。
魔法が使えない世界の超能力者が魔法の使える世界に現れたらどうなるのかと思い作られた作品です。
リリー
「我が名はリリー、火の神と風の神よ我の求めに答え力を与え給え、豪爆炎球っ」
どどどどどどどどどどどどどどどどどっドーン(爆撃音)
リリーの魔法により巨大な氷山が溶けて中から遺跡が現れた!。
ライド
「やったな!」
カイザ
「よしっ、これでノーザン遺跡の中に入れるな、入り口を探すぞっ」
良子
「ちょっとまちなさいよ、リリーの魔力回復が先でしょう」
ユアキム
「そうだよぉ、攻撃魔法が使えるのはリリーだけなんだから遺跡の中でも後方支援で必要になってくるんだからさぁ」
カイザ
「うっ!、うむ、解った、じゃあ良子はリリーの回復をっ」
良子
「はいっ」
彼らはカイザをリーダーとするS級ランク冒険者集団「光の矢」だ。
カイザ、18歳、勇者、Lv100、魔力60、体力100、剣技を得意とする。
ライド、21歳、剣士、Lv90、魔力40、体力160、短剣を2本装備しカイザの援護を行う。
リリー、19歳、魔法使い、Lv95、魔力200、体力50、全属性の魔法を有する大魔法使い。
良子、18歳、回復術師、Lv100、魔力120、体力90、あらゆる傷や毒の回復を行える。
ユアキム、22歳、荷物持ち、Lv80、魔力100、体力200、無限収納と鑑定スキルと索敵スキルを持つ、ポーターのLv80は勇者のLv100に匹敵する。
そんな彼ら「光の矢」は北の僻地に昔から伝わるノーザン遺跡の探索に来ていたのだった。
カイザとライドが遺跡の入り口を発見。
良子
「はいっ、リリーはもう大丈夫ですよ」
ライド
「早く入ろうぜ、ここは寒くてかなわないやっ」
ユアキム
「そうだね、一応ここは氷に囲まれた地域だしね」
カイザ
「行くぞっ」
良子
「はいっ」
そうして一行はノーザン遺跡の中へと入って行った。
ライド
「中に入っても結構寒いな!?」
筋肉マッチョなライドは体脂肪率が1パーセントなので寒さに弱いのだ。
一行が地下深くにまで降りて行く。
カイザ
「んっ!、この扉・・・魔法結界が張ってあるな?」
リリー
「じゃあ、私の出番ねっ」
リリーが魔法を使い扉の結界を解除して一行は扉を開けて中に入って行った。
リリー
「なんか、遺跡に入ってすぐは石材の建造物だったけど、ここからは金属の建造物に変わってきたわね?」
ライド
「上とこことで文明レベルもかなり違うし、ここは一体何年前の物なんだ?」
ユアキム
「文明レベルでの違いだから数百年とか・・・・」
カイザ
「数百年って、金属なら錆びて朽ち果てるだろう」
リリー
「多分、朽ち果てるのを防ぐ為の魔法結界だったんじゃないの?」
良子
「そこまでするなんて、やはりここは魔王が幽閉されている場所なんでしょうか?」
ユアキム
「僕の索敵では1つの生命反応が地下深くから感じます」
カイザ
「それが魔王か?」
ユアキム
「そこまではまだ解りません」
カイザ
「そうか、とにかく進むだけだな」
一行が更に地下深くに進むと再び魔法結界が張ってある扉に辿り着いた。
ユアキム
「また魔法結界ですが先ほどのと比べると魔法言語が古すぎて僕では解らないですね」
リリー
「んん~、ちょっと時間が掛かるかも?、見た事も無い形式の魔法だから」
カイザ
「んっ、解った無理はするなよ」
リリー
「はい」
リリーが魔法結界の解除作業に入って6時間後。
リリー
「これを・・・こう・・・してっ・・・やったわ」
魔法結界が解除されたようだ。
カイザ
「良子、リリーに回復魔法をっ」
良子
「解ったわ」
暫くして。
カイザ
「よしっ、リリー大丈夫だな?」
リリー
「うん、大丈夫よ」
カイザ
「よしっ、中に入るぞ」
一行は扉を開けて中に入った。
カイザ
「寒っ!?」
ライド
「な、何だここ!、地上よりも寒いんでないのか?」
良子
「みんなの衣類に防寒能力を付与するわね」
カイザ
「あ、ああ頼む」
寒さ対策を整えてから奥へとすすむ一行。
カイザ
「な・・・なんだ・・・これは?」
ライド
「氷着けの人間?」
ユアキム
「見た事も無い服装だね?」
リリー
「こいつが魔王?」
良子
「でも、普通の人間に見えますよね?」
一行が目にしたのは氷の中に封じ込められている少年の姿だった。
ユアキム
「今、鑑定してみる」
シュウ・神楽坂、17歳、町人、Lv1、魔力0、体力10、普通の人間。
ユアキム
「なっ、何だこいつは!、全く持って普通の人間だぞ!?」
カイザ
「魔人や魔王じゃないのか?」
ユアキム
「ああっ、本当に普通の人間だぞ、しかも姓と名の2つを持っているから貴族とかじゃないのか?」
リリー
「魔法は?」
ユアキム
「魔法どころか魔力自体持っていない」
リリー
「ええええ~、生まれたての赤ん坊でも魔力はあるのに?」
ユアキム
「ああ、本当に魔力を持たない普通の人間だ」
良子
「年齢は?」
ユアキム
「17歳って出てるぞ」
カイザ
「17歳の普通の人間が幽閉されている?、よほどの事か間違いで幽閉されたかだな?」
ユアキム
「僕は間違いで幽閉されたんだと思うよ、僕の鑑定では本当に普通の人間なんだから」
良子
「特殊な病原体を持っていない?」
ユアキム
「それも見当たらない」
良子
「出してあげても良いんじゃない?」
カイザ
「んん~そうだなぁ~????」
リリー
「ユアキムの鑑定で何も無いってんだから大丈夫でしょ」
ライド
「とっとと出してギルドに戻ろうや、ここは寒くてかなわねぇ~」
カイザ
「そうだな、じゃあ~、中の人間を燃やさない程度にお前の魔法で開放してやってくれ、リリー」
リリー
「解ったわ・・・・、我が名はリリー、火の神と風の神よ我の求めに答え力を与え給え、熱風嵐っ」
リリーの魔法によって氷着けにされていた少年が助け出された。
カイザ
「良子っ、こいつに回復魔法を」
良子
「はっ!、はいっ」
暫くして、開放された少年が目を覚ました。
シュウ
「・!・?・!・?・!・?・!」
カイザ
「おっ、起きたか?」
シュウ
「?????????」
カイザ
「大丈夫か?、俺はカイザだ」
シュウ
(んっ!、言葉が解らないぞ!?)
良子
「まだ、ぼぉ~っとしているようよ」
シュウ
(何なんだこいつら?、服装がダサイし)
ユアキム
「言葉が通じているのかな?」
シュウ
(テレパシーでこいつらの頭の中を覗いてみるか)
ライド
「おおぉ~い、大丈夫か?」
シュウ
(あっ、言葉が理解出来る、言語的には外国語みたいだがテレパシーを使って翻訳して会話が出来そうだな)
カイザ
「言葉、解るか?」
シュウ
「あ、ああ、言葉はなんとか解ります」
カイザ
「おおおお!」
シュウの発声に安堵する一行。
眠りから覚めた少年の名前はシュウ・神楽坂、日本人の父親とフランス系アメリカ人の母親の間に産まれた。
少年は14歳の中学生だったある日突然超能力が使えるようになっていた!?。
しかし、超能力者と言っても人数は少ないが何人かは存在していて左程珍しい者でもなかった。
そんなある日、超能力者による犯罪集団が結成されて世界中にて普通の人間に対する悪事を働くようになった。
国際機関は超能力者の犯罪集団に対して普通の人間だけで対抗する組織を結成、これにより人間VS超能力者の泥沼の構図が始まり、国際機関は「超能力者」は害のある者と見て「異能力者」と改名。
当然、少年も異能力者と認定されて人間の組織から追われる身に。
そして少年は逃亡生活を続けるうちに17歳になった、そしてその頃の少年は全能タイプの超能力者として成長、人間の組織からは超S級危険視異能力者「全能のシュウ」として認定された。
長い闘いの末にシュウはESPジャマーで動きを封じ込められとても強力な睡眠剤に体ごと漬けられて冷凍され、南極大陸の地下深くに幽閉された。
全能のシュウは不老不死でミリコンマ単位の肉片からでも再生が出来るので普通の人間達にシュウを抹殺する手段が無いのだ。
それから何年の歳月が流れたのだろう?・・・。
カイザ
「ところで君は何でこんな所に幽閉されていたんだ?」
シュウ
(真実を話したらまた幽閉されかねないから嘘でも言うか)
シュウ
「そ、それが、よく解らないんです、・・・・・」
それよりもシュウとしては助けてくれた人達の服装が気になるようだ。
シュウ
「ところで、あなた達は?」
カイザ
「あっ!、ああ、俺達はS級ランク冒険者集団「光の矢」で、俺はリーダーで勇者のカイザだ」
シュウ
「エスランク冒険者?・・・勇者??・・・・って・・・それってなんですか?」
リリー
「勇者を知らないの?」
シュウ
(ラノベとかでは知っているけど、堂々と言う人は初めて見たぞ)
シュウ
「はっ、はい」
リリー
「困ったわねぇ~、あっ!、私は魔法使いのリリーよろしくねシュウ君」
シュウ
(まっ!?、魔法使いって、あの「ピップルパップルポッピングなんちゃらかんちゃらなんとかになぁ~れぇ~」とか言っている天然頭な奴か?)
シュウ
「よろしく・・・・えっ、僕・・・名前を言いましたっけ?」
ユアキム
「ああっ、すまない、僕の鑑定眼で君を見させてもらった時に名前も知ったんだよ」
シュウ
(鑑定眼、それもラノベとかで聞く物だよな、確かテレパシーの1種だと思うから僕の頭の中をこれ以上覗かれないようにサイコバリアを張っておこう)
シュウ
「あの~、さっきから貴方達の話を聞くと魔法とか鑑定眼とかまるで御伽話のような感じなんですけど?」
カイザ
「御伽話って、我々にしてみれば普通の事なんだが、・・・・もしかして・・・君ぃ・・・」
シュウ
(まずいっ、変に探りを入れたのはまずかったか?)
カイザ
「ああっ、解った!、君、記憶がないんだろ?、記憶がないから冒険者とか魔法とか知らないんだなっ」
シュウ
(何か知らんが記憶喪失者扱いになったな、このまま記憶喪失を押し通した方が良いな)
シュウ
「あっ、たぶん・・・そうかも?」
ユアキム
「じゃあ、この遺跡に幽閉されていると言い伝えられている「魔王」も知らないんだね?」
シュウ
(まっ、魔王だって?!、魔王って魔物の王様だよな?、そんな者もいる・・・・あっ!、だから勇者もいるのか!)
シュウ
「あっ、は、はいっ」
ライド
「じゃあ、今回は空振りって事か?」
ユアキム
「でしょうね、他に人や魔物の反応もありませんし」
ライド
「じゃあ、早いとこギルドに戻ろうや」
ユアキム
「しかし、この遺跡の構造はなぁ~?!?!」
シュウ
「ここ、遺跡なんですか?」
ユアキム
「はい、しかも、年代の違う遺跡が幾重に重なっているんです」
シュウ
「はぁ~!」
シュウ
(それって、各文明でも僕の存在を隠したかったって事だったんだろうな?)
カイザ
「あっ、みんな地上に戻るぞ」
良子
「ええ、そうね」
ライド
「手を貸そうか」
シュウに手を差し出すライド。
シュウ
「ありがとうございます、でも、大丈夫です」
ライド
「そうか」
そうしてS級ランク冒険者集団「光の矢」とシュウは地上に向けて歩き始めた。
シュウ
(確かに、この人達の言う通りに階層を上がるにつれて構造が退化していっているな、まるっきり違う文明が折り重なっている感じだし)
カイザ
「地上に出たぞっ、寒いからシュウの衣類に防寒魔法を付与してやってくれ」
良子
「解りました」
良子は魔法を唱えてシュウの衣類に防寒魔法を付与した。
シュウ
(超能力で体内温度が調整出来ますって言えないしな、ここは大人しく従おう)
シュウ
「ありがとうございます」
シュウ
(ここまで来る間に各文明の年数を超能力で調べてみたが・・・・100万年って、こりゃあ~浦島太郎を超えたな?!)
そして一行は無事に町まで戻る事が出来た。
ディアゴ領ア―レン、北の僻地へ繋がる最北の城下町である。
シュウ
(さっきから見るこの町並み、まるで中世ヨーロッパ・・・と言うか文明レベルが僕のいた世界よりかなり低いぞっ!?)
ユアキム
「では、早速で悪いけど冒険者ギルドに行ってノーザン遺跡とシュウ君の事についての報告に行きましょうか」
カイザ
「そうだな、良いかなシュウ?」
シュウ
「はっ、はい、かまいません、それに、そこに行く事で今の僕に起きている事態を知る事も出来ますし」
カイザ
「では、行きましょう」
さて、100万年に渡る幽閉から目覚めた魔力を持たない超能力者シュウ・神楽坂の魔法の使える世界での冒険はどの様に展開していくのでしょうか?。
終わり
この話しの続きは後々制作予定です。