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第23話 魔法

「分かってるよ、次は攻撃魔法だ」


さて、何の攻撃魔法を使おうか?


とりあえず、威力の小さいものから使っていくか……


私が持って来たペットボトルの水から、大きなそして大量の水の魔素が出てるから、水系の魔素は後から試すことにして、一番小さくて少ない魔素は……火の魔素か……

 


精神を集中させて空気中にある火の魔素を集め、それを維持。


今度は、ゴルフボール位の大きさにした。


あとは、MPで威力を調節すれば……


「ファイヤーボルト」

 

 やはり、1つの魔法だと、その魔法陣が載っているページがオートで開くようだ。

 

 ゴルフボールより少し大きいくらいの火の玉をスライムにヒットさせる。


……って、ありゃ? 


集めた魔素が小さすぎたか……



スライムは火の玉を浴びながらも、怯まずに体当たりを仕掛けてきた。


モンスターに中途半端な威力の魔法をすると、モンスターが捨て身で体当たりしてくる時もある……と。


一つ学習したな。


じゃあ、遠距離攻撃と近距離攻撃の威力の違いを他の条件を同じにして攻撃したらどうなるかの実験でもしますか……

 

 まずは、火の魔素をゴルフボールくらいにして、MPはさっきと同じくらいに……

 

「ファイヤー・スラッシュ」


私に近寄ってきた炎で燃え盛るスライムを炎の刃で真っ二つにした。


ふーん。遠距離魔法か近距離魔法かによって、使う魔素の量も違うってわかっていたけど、ここまで違うものなんだ。


同じ威力の魔法を出したいときは、近距離魔法か遠距離魔法かで考えないといけないってことね。

 

あとは、合成魔法ってのも試したい。


色々な合成の仕方があるみたいだけど、まずは左手に水の魔素をためて、右手の魔導書の上で無属性の魔素を集めて空気を圧縮……と。


先ほどの身体強化の魔法は無属性だけだったから3つ一緒にいけたけど、水属性と無属性、二つ同時に違う系統の魔法をするのは結構難しいな。

 

水を出した後に、風を与えて熱を奪うことで、氷にする。


「よし、それなら、ウォーターとウィンドウを合成した氷魔法、アイス・フリーズ」


呪文を唱えると、スライムはかっちかっちに氷漬けになり、数秒後虚空へと消えていった。

 

慣れてくると片手で合成魔法ができるダブルバインドって技もできるみたいだけど、慣れるまでは両手で一つの合成魔法を使うようにしよう。


後は、魔法の本を閉じる……前に、索敵魔法だ。


忘れがちだけど、派手にドンパチしたんだから、他のモンスターが寄ってくる時がある。


これはRPGじゃないんだ。忘れるところだった。


私は目を閉じ周囲を確認する。


うん、モンスターはいない。


目を開けて、今度こそ本を閉じた。


「さうが覧、すごいじゃないか。もう魔法を使いこなしてるな」


「まあね、天才ですから」


「さてと、オレも運動するかー」


びのは軽く体を動かし準備運動をする。


「魔法で補助しようか?」


オフェンスアップとか……


「必要ないぜ」


残念。


自分だけでなく、人に魔法をかける練習もしたかったんだけどな。


断られたら仕方ないよね。



「あれ? でもびの、どこに敵がいるかわからないでしょ?」


「なんとなくわかる」


「なんとなくわかるって……」


びのはエスパーなの?



「それに、わからないなら、わかるようにすればいい」


「びの、もしかして……」


「モンスターかかってこいや!!」


びのは大声でモンスターを挑発した。


「もう、大声出すなら、大声出すって言ってよ。鼓膜が破れるかと思った」


もう、そういうことやるなら最初から言ってよね。


耳を塞ぐのが遅れたじゃない。

 


「次からはそうするよ」


「こんな安い挑発で、モンスターは現れるかな?」


「覧との戦闘を観察して分かったんだが、やつらは音に敏感だ。すぐにあらわれるだろうさ……」


いや、周りにモンスターが居すぎたら、たくさん集まり過ぎるかもしれないんだよ、びの。


念のため索敵魔法をかける。


5匹のモンスターがこちらに接近中と。


大きさや動きからして、おそらくどれもスライムだろう。


さて、これをびのに教えるべきか否か……


チラリとびのを見やると、何時でも来いという風に不敵に笑っていた。


これは教えない方がいいな。


そう判断した私は黙ってびのの思うままにさせた。


がさがさ。


ひょこ。


草むらからほぼ同時に5匹のスライムが現れる。


「さあ、来い」


挑発するびの。

それに呼応するかのようにびのはスライムに取り囲まれた。


「びの、スライムに囲まれてるよ」




「これでいいんだ、覧」


びのは持っていた剣でスライムに斬りかかる。


「おらっ」


びのは持っていた剣を居合斬りをするかのように振り回した。


ずばばばばばっ!!


一振りで5匹のスライムは横半分になる。


「おー、五匹を一振りで倒すとは、やるね、びの」


あいかわらず、びのはすごいな。


惚れちゃうよ。


「まあ、本気を出せば、こんなもんだろ」


「まだ、他にも来てるかもよ」


「覧、ちょっと確認してくれないか?」


私のことを頼りにしてくれるびの。


もう、いくらでも索敵しちゃう。


「了解。索敵魔法発動……あれ?」


 目を瞑って集中すると、何かがいた。


 動きからしてスライムだろうけど……


「どうした、覧」


「北に10メートルのところに、直径200センチほどのモンスターが、こちらに近づいてきてるみたい。動きはスライムのように遅いんだけど……」


索敵魔法は、土地の地形や生き物がどのような形をしているかはわかるが、実際に目でみているわけではないので、色や匂い、どのような音を発声しているかがわかる魔法ではない。


「スライム……にしては大きいな」


普通のスライムは、私の身長より少し小さいくらいだ。


「覧、少し下がってろ」


びのに言われて、私は目を開け、びのの斜め後ろへと下がった。


びのは視線を北に向けたまま、じっと何が来るかを見定めようとしている。


私も何が来るのかを見定めたほうがよさそうだ。


「索敵魔法」


私はもう一度目を閉じ、敵の正体を探ろうとした。


その時、私の右脚に何かが絡みついた。


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