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52.だってコレクターだもん


 気が付くと温かいものに覆われている。

 ゆっくりと目を開けると肌色一色。


 寝惚けながらぱちぱちと瞬き、ラインハルトの胸だと気付くのに数秒かかった。

 抱き締められて眠っていたのだ。


 まだ夜明けには少し早いが、いわゆる朝チュンではないですか。

 チュンチュン鳴く鳥はいませんが。



 喉が渇いたので水でも飲もうと動こうとしたら


「うっ……」


 体中が痛い。

 滅多に使わない筋肉を使ったから、全身筋肉痛で動けない。

 更に体中、汗やら何やらでベタベタしてる。


 それで昨夜の事を思い出し、かぁ〜と顔が熱くなった。

 そっとラインハルトを窺い見れば、まだすやすやと眠っている。

 

 ですよねー。昨夜あれだけすれば。



 取り敢えず、治療と浄化をかける。


 さっぱりした所で、もぞもぞと動いたが背に回った腕は離れない。仕方ないのでラインハルトの顔を見れる位置までなんとか移動する。


 眠っているラインハルトを見るのは二度目だ。

 でも以前と違って額から左頬まで大きな傷があり、その所為で左目が見えなくなっているようだ。

 そっと額にかかる前髪を払いながら傷に触れ、頬を撫でる。

 

 右目がパチリと開き、私を見る。


「おはよう、ラルフ」

「おはよう、ルティ。良かった、夢じゃなかった」

「ふふ、当たり前でしょう」


 ぎゅっと抱き寄せられ、すりすりされる。


「その傷、カッコイイけど私はラルフの眼が好きだから見たい。治して良い?」

「え? い、良いけど……」


 ラインハルトにレベルMAXの治療をかける。

 レベルMAXの治療なら欠損部位も治せるはずだ。


 キラキラと傷の部分が煌めき、ラインハルトは少し呻いた。

 光が収まると以前と同じ、綺麗なサファイアブルーの瞳が見える。

 

 ぱちぱちと何度か瞬きをして視界を確認すると、目を見開いてこちらを見た。


「やっぱり綺麗。私ラルフの眼が一番好き。ねぇ、見ても良い?」


 そう言いながら両手で頬を包み、額をくっ付けて瞳を覗く。

 透明度の高い青が煌く。


 ああ、夢が叶った。

 そう微笑むと、その瞳が細められ、ゆっくりと閉じた。

 

 少し残念に思っていると、そのまま啄むようにキスをされる。

 やがて深くなり、また起きられなくなった。



 治療をかけたから、体力も回復したんですねー。




 結局起きたのはお昼過ぎだった。 


 


◇◇◇




 そのまま部屋でお昼ご飯を食べ、ソファーがないのでベッドの上に二人で座りまったりしてた。

 ラインハルトが片足をベッドに乗せて立て、私は寄り掛かるように座り、後ろから抱きしめられている。

 

 ベタベタするのは嫌いじゃない。むしろ好きだ。

 でもラインハルトのイメージではなかったので、ちょっと嬉しい。

 ニヤニヤしてしまうがどうせ見えないから大丈夫だろう。


 

 幸せを満喫していたのに、ラインハルトの言葉によって強制終了させられた。



「さて、ルティ。色々と聞きたい事があるのだか?」

「え? 何?」

「どうして目の傷を治せたんだ?」

「えっと……治療で?」

「そこまでのレベルになるにはかなりの年月が掛かると聞いた。どうしてルティに出来るんだ?」


 振り向いて顔を見れば、にっこりと微笑んではいるが背景にブリザードが見えます。

 おかしいなー。私の方がレベルが高いのに、ぶるぶる震えてしまう。怖いよー。



 そして私は洗いざらい、全てを喋らされた。



「ふーん、ずっと着けてたそれが合成の腕輪だったのか。外れないのか?」

「うん、無理。死んだら外れるみたい。でも使えるのは私の子孫のみらしいよ」

「じゃあ、俺らの子供なら使えるのか」

「う、うん、そうだね……」


 改めて言われると何だか恥ずかしい。



「で? 他にルティの事を知っているのは誰なんだ?」


 え? 気になるトコはソコ?


「えっと……お父様と先生達と、ギルとユノだよ」

「ほぉ〜、俺は6番目か……」


 なんで睨むのぉ。

 その眼が怖いと思う日が来るなんて。


「で、でもお父様には子供の頃にバレたし、先生達は教えて貰うために仕方なかったし、ギルは私より強いからバレただけだし、ユノは……」

「ユノは?」

「移動するのに必要だった? から?」

「はぁ?」


 ひぃ


「ブレアシードに暗殺ギルドがあったから、そこまで案内で連れて行くのに必要だったからだよ」

「それだけか?」

「う、うん」

「ふーん」

「それに先生達とユノは神聖契約してあるから、私の事は言えなくなってるよ」

「なら……まあ、いいか」


 どうやら納得してくれたみたい。ふぅ。



 私のレベルも話すとやはり気にしてるようだった。

 レベリングする? と聞いてみたら、してみたいとの事。

 くくく、言質は取ったぜ!



 あれやこれやと話していたら、あっとゆー間に夕方になり、ご飯を食べに行って、部屋に戻る。当然、寝かせてはもらえなかった。




◇◇◇




 次の日になってようやく今後の事を話すために、ギル達と合流する。


 ギルはユノと一緒に別の素材を探しにまた旅に出るそうだ。

 ユノは当然の様にギルについて行くとの事。

 確かにラルファでの旅で、かなりギルに懐いて師匠呼びしていた。

 ギルも満更でもなさそうだし、良かったね。


 

「ちょっと良いか?」


 そう言ってギルはラインハルトを連れて少し離れた。

 残ったユノとこれからどこに行くのか聞いたりしていた。





「お前、あいつの旦那だろ? ちゃんと手綱は握っとけよな?」

「どういう意味だ?」

「その内わかると思うけど、あいつかなり暴走するから気をつけろよ」

「? ああ」


 ギルはラインハルトの肩にポンと手を置き


「まあ、色々頑張れや。俺は応援してるぜ」




 何やら納得していない様な顔をしたラインハルトとスッキリとしたギルが戻ってきた。



「じゃあ、俺達は行くわ。お前らも頑張れよ」

「うん、有難う。連絡はアレで取れると思うから、何かあったら言ってね」

「! バ、バカっ! お前っそんな事……」


 ん? ギルが慌ててる。何で?


「アレって?」

「ん? 離れても連絡取れる勾玉を作ったから、それでいつでも連絡が……」

「へぇ〜、二人で連絡を取るんだ? 何で?」



 ひぇーっ!

 オーラが怒ってますぅ。



「じゃ、じゃあなー。元気でな!」



 あっ!

 ギルもユノも手を振りながら、逃げてった!



「えっと〜……オルトロスの魔石で作った勾玉で……離れても連絡取れるから便利かなぁと思って作ってみました」

「取る必要なくない?」

「だ、だって素材とかで連絡事項とかが……」

「なくない?」

「そ、そうですね! ないです。それにアレよりもっと良い物があって、それをラルフと一緒に着けたいなと思ってました!」

「何それ?」

「勾玉は魔石500個だったけど、800個集めて作れるのがイヤーカフで、それを付けたら離れても会話が出来るらしいの。それをラルフと着けたいな!」

「! 良いね、それ。それとユノが着てたのってルティとお揃いのマントだったよね? アレもある?」

「も、勿論! ラルフとお揃いにしたいと思ってたの!」

「そっか、嬉しいよ」



 何とか機嫌はなおったようだ。

 ラインハルトってこんなに焼き餅焼きだったんだね。知らなかった。




◇◇◇




 ギル達と別れて清々してるカンジのラインハルトを連れて、公爵家、侯爵家と挨拶をしに行く。

 公爵家では、私を無事に捕まえた事を喜ばれ、侯爵家では仲良さげで良かったと喜ばれた。



 では何の障害も無くなったので、心置きなく採取しに行こう!!



「じゃあ、ラルフ。手始めに近場に居るウォーウルフの尻尾を500集めるよ! 出来れば3300……ううん、4300欲しい所だけど、取り敢えずね」

「えっ!? 何? その数!? 聞いてないぞ!」

「今、言ったじゃん。前にも言ったけど地道に集めるって」

「それにしてもその数、おかしくないか?」

「ないない、必要だもん。2個は使う用、もう1個はコレクション用に欲しいもん。それに欲しいものはまだまだあるよ。今度私の欲しいもの一覧表見せるね」

「是非……早目に見せてくれ。まあ、良いけどな。それがルティのやりたい事なんだろ?」


「そうだよ! だって私、コレクターだもん!」




 そんなこんなで夫婦二人でイチャイチャしながらアイテムを集めていき、様々なレアアイテムを作り出して人知れず有名になっていくのは、また後のお話。




 

 

本編終了です。

拙い文章を読んで頂き有難うございました。


後はゆっくりその後の話を書きたいと思っています。

良かったらまた見に来てください。

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