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35.気不味い


「お目覚めでございますか、奥様。改めまして、私エリノアとデイジーが奥様付きの侍女となりました。宜しくお願いいたします」

「おはようございます。どうぞよろしくお願いします」


 次の日の朝あまり眠れずにいると、ラインハルト様が早くから出ていくのが分かった。そのままぼんやりしてたら侍女達がやってきて挨拶してくれ、世話してくれた。

 朝食に行ってみれば、当然ラインハルト様はおらず、フェリシア様と義弟のツヴァルツ様だけだった。

 ツヴァルツ様はラインハルト様より2個年下で私と同い年。ラインハルト様と同じサファイアブルーだけど、フェリシア様そっくりの金髪をしている。優しげな雰囲気は女性を虜にする事、間違いなし!



「おはよう、昨日は綺麗だったわ。うふふ、ルティカ嬢が娘だなんて、嬉しいわ」

「おはようございます、お義母様。有難うございます。私も嬉しいです、どうかルティカと呼んでください」

「あらそう? じゃあルティカ、これからも宜しくね」

「はい、ツヴァルツ様も宜しくお願いしますね」

「ああ、こちらこそ」


 それにしても美形一家だ。眼福眼福。


 でもこれって避けられてるよね? だって結婚式の次の日なんて普通休むよね。……はぁ〜へこむ。

 



 取り敢えず、する事しよう。

 エリノアにエドワードを呼んでもらう。



「お呼びでございますか、奥様」

「ええ、一度公爵家に仕える者達、全員の書類を見せて欲しいの。それとお仕事の邪魔にならない時を見計らって、全員と会ってみたいのですが、どうでしょう?」

「書類はすぐにご用意します。面接ですが……何日かに分けてになると思いますが宜しいでしょうか」

「勿論よ。面接だなんて大層な事はしないわ。ちょっと顔を見るだけで構わないの。折角働いてくれているのに、名前も知らないなんて寂しいと思って」

「奥様……畏まりました。スケジュールを調整して、またお伝えに参ります。先に書類を持って参りますので、しばらくお待ちください」

「そんなに慌てる事はないわ。いつでも良いのよ?」

「はい、奥様」



 でもすぐに持ってきた、エドワード。仕事が早いです。


 よーし、これで名前を詐称している人物が特定出来るだろう。ステータスに名前が出てるけど、偽名の人にそれを言っちゃうと不味いと思って。

 それに偽名を使うなんて、何かあるって言ってるもんでしょ。

 あとフェシリア様に毒を入れている人物も特定せねば。


 お休みの人など居るため、全員と顔を合わせるのに3日かかった。

 その間ラインハルト様とは何もなかったの様に過ごしている。今までと変わらず優しいし、態度に変わりはない。でも寝る時は、挨拶をしてお互いの自室に行き別々に寝ている。

 


 どぉぉしよぉおぉー。

 もうこうなってしまったら、一緒に寝たいなんて言えないし。

 流石に恥ずかしい。無理。

 初夜も済ませてないのに、誘うなんて……むーりー。



 そんなこんなで終わった顔合わせの結果。偽名は三人。執事見習いのミゲル、御者のピエール、庭師のアーチャー。

 そしてフェリシア様に毒を入れているのは、行儀見習いで来ているクロッソ子爵の三女シュゼット・ド・クロッソだった。

 

 取り敢えず隙を見てシュゼットの部屋の毒は無毒化しておいた。するとフェシリア様が微毒にならなくなったので、やはり彼女で間違いないのだろう。

 さて、彼女に毒を渡しているのは誰なのか。うーん、今回は長期に亘っての計画っぽいし、そんな短期間に接触しないかも。しばらく様子見かなぁ。


 残りの三人の様子を見てみても、勿論怪しい行動などない。

 よし! 分からないので、聞いてみよう。

 


 て事で、エドワードを呼んでもらう。



「お呼びでございますか? 奥様」

「ええ、忙しい所にお呼び立てして御免なさいね。少し聞きたい事がありまして」

「いえ、その様なお気遣いなど無用です。何なりとお尋ねください」

「では、ミゲル、ピエール、アーチャーの三人について知っている事があれば教えてください」

「その三人が何か……?」

「いえ、少し気になったもので」

「そうですか……ミゲルはフェリシア様が拾われてきた少年です。どうやら親から捨てられて路頭に迷っていた所を見付けられたそうです。虐待を受けていたようで最初は何も話さなかったため、フェリシア様が名前を付けられ、執事として生きていける様に教育をしている所です」



 ふーん、それなら名前が違ってもおかしくないですね。



「ピエールは元々は孤児で、それを今のご家族が養子に迎えられたと聞いております。アーチャーに関して私が聞いている事はございません」



 ふむふむ、それを聞く限りアーチャーに狙いを絞っても良さそう。



「有難う、エドワード。助かりました」

「いえ、お役に立てたなら幸いです」

「そう言えば、行儀見習いの子も何人か居ますが、定期的に入られるのですか?」

「そうですね……基本的にお願いされれば、素行を見てから承認している形でしょうか。因みにエルザは1年半前、ガラテアは1年前、シュゼットは今年になってから来ております。大体皆2年程で戻られます」

「そうなのですね。分かりました」

「いえ、それでは」



 つまり大体シュゼットが来てすぐ位にフェリシア様と私と出会ったから、そんなに毒が効いてなかったって事ね。良かった〜。


 よし! シュゼットとアーチャーをメインに様子を見ねば。

 でも偵察してる時は目を瞑らなければならない。あまりやり過ぎると寝ている様に見えてしまう。公爵夫人が座ったまま、昼寝してるのはアウトだろう。そのためちょいちょいしか見れない。となると当然分かりにくい訳で。


 その間も暗殺者はやって来ている。この頃になると以前程頻繁ではなく、2週間前後に一回くらい。まあ油断は出来ないが、前よりは寝れている。


 そしてさっぱり捜査が進まないまま、3ヶ月が過ぎた。


 その間夜会などで触れ合う以外に、ラインハルト様との接触はない。勿論会話はあるし、エスコートもされる。が、それ以上は決して触れて来ないのだ。


 くぅ……地味に辛い。


 気不味くてあまりラインハルト様も見れていない。

 あの瞳を見るために結婚したのにーっ!


 

 ちくしょー。アイツ呪ってやる〜!! もう死んでるけど。

 





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