34.結婚式
ついにやって来ました、結婚式。
ギルには一昨日まで護衛してもらった。結婚式に出れず申し訳ないと言われたが、めっちゃ助かったので逆に気を使わせて申し訳なかった。本当に助かった、有難うと言えば、気にするなと。漢前〜。
夜にしっかりと寝れたため、顔色も良く朝から磨かれても元気。
結婚式は神殿で行う。ウェディングドレスはラインハルト様が用意してくださった。アクセサリーも。なぜかお母様の意見も取り入れられている模様。私の希望は? いや、別に無いけどさ〜。
ウェディングドレスは白のチューブトップでふんだんに銀のレースがあしらわれた豪華な逸品。ラインハルト様の瞳と同じ色の大きなサファイアのネックレスは一体幾らするんだろう。怖くて聞けない。上からヴェールを被れば清楚な花嫁の出来上がり。
控室にお父様とお母様、お兄様、お義姉様が来てくれた。
「るーちゃん、綺麗だわ〜。よく似合ってる」
「うう……ルティカ、ホントに行っちゃうのかい? 止めても良いんだよ?」
「父上、いい加減にしてください。ルティカは子供じゃ無いんですよ?」
「そうですよ、お義父様。こんなに美しいんですもの。エクセライク公爵もメロメロですわよ」
「ふふ、有り難うございます。お父様、たまには帰りますから」
「本当かい!? いつでも帰ってきてくれて構わないからな!」
「るーちゃん、セドルを甘やかすのはよくないわ」
「そうだよ。エクセライク公爵に悪いだろ?」
「ラインハルト様ならそんな事で何も仰らないと思うけど」
「まぁ〜、愛されてますのね」
ガヤガヤと話していると、神官の人が時間だと伝えに来てくれた。
渋々お父様が立ち上がって、手を出してくれる。
「ではお父様、宜しくお願いしますね」
「仕方ない……行こうか」
お父様にエスコートされて控えの間に行く。
暫くしてから合図があり、お父様に手を引かれながら中に入る。
向かう先には美しい頬笑みを浮かべたラインハルト様が待っていた。
白い礼服に金の刺繍が施され、さらにキラキラ度upだ。
エ、エフェクトが見える〜!!
今日もカッコイイです! 綺麗です! 眼福です!!
ヤバイ!
ホントにこんな人と結婚するの? 私?
そんな私の心の中の葛藤は置いておいて、式は進む。
宣誓をして誓いのキス。
ヴェールを上げて、初めてラインハルト様と目が合う。
あぁ、何て綺麗な色。
私はこの瞳に魅入られたのかもしれない。
お願いしたらずっと見せてくれるかな?
目を瞑るのが勿体無い。
じーっと見てたら、ラインハルト様はクスッと微笑まれ、優しくキスしてくれた。ちゃんと目は瞑りましたよ。
式場に来てくれている方々に挨拶して一旦戻る。
神殿の近くに立っている建物で、そのままお披露目パーティをするのが定番なのでヴェールを取ってそちらに移動する。
約束通り、フェリクス殿下とアルセナ妃が来てくれて挨拶してくれた。パーティ会場は式場に来なかった人も多く、その方々とも挨拶する。粗方終わってからダンスを3曲踊り歓談となる。
主役の我々だが、早々に切り上げて公爵家に向かう。
馬車を降りてから玄関までの間に、使用人が一斉に並んで頭を下げて待っていた。更に屋敷の中に入ってもメイド達が並んでいた! 一体何人居るの〜?
「「お帰りなさいませ! 旦那様、奥様」」
「ああ、今帰った。ルティカ、彼が家令のエドワードだ。何かあれば彼に聞くと良い。皆も良いな?」
「「畏まりました」」
「皆様、今日からお世話になりますルティカです。どうぞ宜しくお願いしますね」
「「はい、奥様!」」
お、奥様……ちょっと恥ずかしいです。慣れるかな?
そのままラインハルト様にエスコートされて、夫婦の部屋に通された。
豪華だけど落ち着いていて、ゴテゴテしないなくてほっとした。
夫婦の部屋は3部屋続き部屋で、真ん中がリビング、入って右がラインハルト様の部屋。左が私の部屋だそうだ。其々の寝室にクローゼット、お風呂などがついている。ひっろ〜。
私の部屋もシンプルでアッサリ目。良かった。
「どうですか? 気に入りましたか?」
「はい、有り難うございます。とても素敵なお部屋です」
「良かったです。では私はまだ少しする事があるので。ルティカはゆっくりしていてくださいね」
「はい」
さて、一服お茶でも〜と思っていたら、あれよあれよという間にお風呂に入れられ、磨かれて、寝巻きにされて置いとかれた。
あぁ、そう言えば今日は初夜ですね。
うーん、あんな綺麗な人と寝るのか……大丈夫かな、私?
……それにしても、どこまでしていんだろう?
お母様に聞いてみたけど、ラインハルト様にお任せしておけば良いのよ! 的な説明しかなかった。貴族の閨教育では寝てるだけだったし……ホントにそれで良いの?
でもな〜いきなり派手に動くと確実に引かれるだろうし、今日は大人しくしとこうかなぁとか考えているとラインハルト様が戻って来た。お風呂にも入ってきたみたいで、微かに髪が濡れている。
ヤバイっ! マジ色気が半端ないよ!!
イケメンの濡れ髪、有難うございますっ!!
ハッ!!
そんな煩悩に塗れていたのが悪かったのか、油断してた。気付いたら敷地内に侵入している輩が居る。不味い……このままだともしかするとラインハルト様を巻き込む可能性があるし、情事を見られるのも絶対にイヤだ。どうするっ!? どうしよう?
「ルティカ……さんき……」
「ラインハルト様! ……申し訳ございませんが、今日はちょっと疲れてしまいまして……先に休んでも宜しいでしょうか?」
「!! え!?」
珍しく目を見張っていらっしゃるラインハルト様。
ですよねー。初夜にこんな事言うなんておかしいですよねー。
「え……さんええ、そうですね。ルティカも疲れたでしょうし、ゆっくり寝てください。……では」
流石です。ラインハルト様は動揺など見せずに、そう言って自室に入られた。
あぁ……ごめんなさい……泣きたい。
ちっくしょ〜! 誰だよ! 初夜に襲ってくんなよ!!
自室に戻って、さっと着替えてベランダから外に向かう。
庭に潜んでいる輩を秒で捕まえて、問う。
「何で今日来たかなぁ? ねぇ、何で? ちょっと早く答えなさいよっ!!」
頭に来すぎて、シールドが凍ってきてるがきっと気のせい。
私を怯えた目で見ていた奴は、その内苦しみ出して動かなくなった。
またか……。
そいつを外に放り出して、部屋に戻り着替える。
はぁ……。
今から行く訳にもいかないし……寝よう……。
……嫌われちゃったかな?




