23.面白い(ギルバート視点)
初めに気になったのは魔力の量だった。膨大な量だったので目が行き注視する。ステータスを見てみれば、スキルがあり得ない数だった。これは、アレだな。昔じーさまに聞いた事がある転生者だろう。
これが、転生者か。興味を惹かれて見れば、合成のスキルを持っているじゃないか。合成はアイテムが無ければ出来ないレアスキルだ。
俺にはずっと求めている宝がある。色々探ったが全く手掛かり無し。諦めかけたが、合成で出来るんじゃないかと思いついた。更に合成スキルをも求めたが、これまた全くの梨の礫。
そこで見つけたコイツ。
何とか話を聞きたくて声を掛けたが、警戒心MAXだった。まあ当然だが俺が龍人だと言ったら警戒が緩んだ。何でだ?
思った通り、合成で宝玉が出来ると判った。もちろんすぐに出来る訳ではなさそうだが、目安が立っただけでも十分だ。
ダメ元で合成を頼めば難なく了承された。こんなあっさり引き受けるとは。合成だぞ!? ……でも本人は分かってなさそうだった。まさか異世界で合成は普通なのか?
まあ、引き受けてくれるなら有難い、対価を問えば別に良いと。信じられない! 何かないか希望を聞けば、一緒に採取に行きたいだと。そんな事で良いのか? 見る限り中々使えそうだし、足手まといにはなるまい。手始めにダンジョンに行く事になった。
話してみれば、何とも話し易い。気安いと言うか、衒いがないと言うか。
そう言えば俺の外見に全く熱を示さなかったな。そうと気付かない位に。
◇
何だコイツ?
何で一緒の部屋なんだ?
あんなに警戒してたのはどこいったんだよ!
何でそんなに無防備に寝てんだよっ!!
お前、貴族だったよな?!
色々混乱したが、あどけない寝顔を見てたらどーでも良くなった。
まあ、何かする訳でもなし、俺も寝るか……。
◇
どうなってるんだ? 異世界人!?
何もかもが規格外だ。
地図は居るかと問えば必要ない、偵察でマップが見えるとか。
俺達は気配を読む事が出来るため、偵察なんて気にも留めてなかったのに。
面白そうだから、取るけどさ。
見た事もない魔法を使い攻撃をする。
感心して見てたら改良を始め、えげつない攻撃になってた。
ボスを一撃とか。
俺、要らなくね?
そうかと思えば
「凄ーいっ!! ギル強いね。あんな硬いのに簡単に切っちゃうなんて」
キラキラと輝かせて褒める目には、純粋に尊敬が見える。
女なんて五月蝿いし、煩わしいし、面倒しかなかったが、コイツは違うようだな。弱くもないしな。
◇
目の前で新しい魔法が出来るのを見たのは初めてだ。
美しいものだな。
そして画期的だ。俺たちは鼻がいいので、臭いのは辛い。辛いがどうしようも無い。我慢するのが普通なのにそれを改善するなんて、考え方からして違うんだろうな。
そう思っていたら、より改良を重ねて、よりえげつない魔法が出来あがっていた。全く……規格外だ。
◇
番が唯一とは言え、好き嫌いは勿論ある。
ハッキリ言えば気に入った。
見てて飽きない。
次に何をするのか予測出来ない。
面白い。
コイツとは長い付き合いになりそうだ。
旅に一緒に行けば楽しくなるだろう。
でもさ、信頼してくれるのは悪い気がしないが。
男の前でそんな無防備に寝るのはどうかと思うぜ。




