21.ザザビークのダンジョン①
虫が出てきます。ご注意ください。
ダンジョンに入る手前で、
「そう言えばルカ、お前初めてだろ? 地図買っとくか?」
「地図? そんな物売ってるんだ?」
「ああ、大抵のダンジョンにはあるぜ。攻略されている所だけだが」
「あー……多分大丈夫だから、いいよ」
「? 大丈夫って?」
コソッ
「偵察で平面マップが見れると思うから」
「はぁ?! 何ソレ? どういう事だよ!」
「いや、声大きいって。偵察のレベルを6まで上げると見えるようになるよ。多分ダンジョンでも大丈夫かな〜と思って」
「マジか。俺も取ろう」
やっぱりダンジョン内でもマップは見れました。その階しか見る事は出来ないけど、敵の位置や他の人の位置も分かり、もちろん地図も分かった。ちょー便利。本当にゲームみたい。
ザザビークのダンジョンは迷路の様になっていた。基本的一本道で無数の別れ道がある。地図がないと迷いそうだ。
1〜10階はゴブリンゾーンで、罠やアイテムはなく、ゴブリン、ホブゴブリン、オーク、ボウインプなどが出てくる。
「そう言えばルカはどんな戦い方なんだ?」
「え? 私? んー、 魔力の塊ぶつけてノシてから止め、的な?」
「ハイボール?」
「うん、コレ」
丁度角の向うからゴブリン達がやってきてたので、 魔力の塊を出してぶつける。イメージは某龍玉の繰◯弾のように、指で誘導してるカンジ。
が、勢い余ったのかゴブリンが柔かったのか、そのまま穴が開いて、ぶち抜いてしまった。もちろん絶命。キラキラと消えてコロンと魔石が落ちていた。
「おま……何だソレ。出鱈目だな……」
「……」
「どうした?」
「そうか! 今までは素材とか魔石が必要だから、あまり傷を付けずに倒してたけど、ダンジョンだと遠慮しなくて良いんだ! 倒せば良いんだし」
そう気付いたので、 魔力の塊を出して集中。
クナイの先みたいな菱形の立体を鋭く硬いイメージで作る。
「おい……何やってんだ?」
出来上がったソレを更に来ていたゴブリン達に向ける。
魔力の塊より簡単に貫けて、動きもシャープ。大満足。
ドヤ顔でギルを見たら、呆れてた。
「全部、眉間に一撃って……えげつねーな、お前……」
アレ?
「え〜? 楽でしょ?」
「まぁ……な。魔法の使えないエリア以外なら、全部ソレで行けるんじゃね?」
「え? 使えないエリアとかあるの?」
「ここにはないが、ある所も有るぜ。そういう罠もある。気を付けろよ」
「うん、教えてくれて有難う、ギル」
ステファン先生に散々言われてたので「ロンバス」と名前を付けときました。
◇
モンスターは基本魔石をドロップする。たまにアイテムも落とすらしい。ボスの落とすアイテムは割と珍しいが、当然ドロップ率が悪い。お約束ですね。
ボスの部屋は1パーティしか入れなくて、ここのボスは倒してから1時間でリスポーンする。そのため人気のボスは順番待ちがあるそうだ。
10階のボスはゴブリンキングだった。キングだけあって偉そうに盾と剣を持っていたが、一撃だった。ゴメンなさい。
上薬草をドロップしてくれた。有り難やー。
因みにここまでギルはずっとついて来てるだけ。
「俺、要らなくね?」
「やだな〜何言ってんの。必要に決まってるじゃん。これからでしょ?」
「そうかなぁ……」
ボスを倒すと奥の部屋に行ける。そこには下に降りる階段と、淡く光る床が二ヶ所あった。これがワープですね! 乗れば入口まで飛べるらしい。まあ、今は使わないけど。
11〜20階は獣ゾーン。
ウォーイーゼル、ウォーウルフ、ウォーベア・ウォーパンサー、クロクロウなどが出てくる。イタチや狼などに似た、より大きなモンスター達だ。
ウォーイーゼルは素早くて一撃とはいかなかったが、動きを読んで倒す。他はそれ程でもなく。アイテムはそれぞれの尻尾や毛皮などだった。
20階のボスはウルフキング。大きな狼で立派な鬣がふぁっさ〜と靡いてカッコイイではないか。もふりたい。……一撃でゴメン。
アイテムはハイポーションでレアアイテムは出なかった。
21〜30階は虫ゾーン。
キラーアント、キラーマンティス、キラービー、アーミーアント、ラージモスなど。でっかい虫だ。これ……ここだから死体が消えてくれるけど、外にいるヤツは……むーりー。流石にコレを捌きたくない。ソッコー燃やしてしまいそう。
この辺から罠もある。踏むと何処からか矢が飛んでくるとか落し穴とか。でもこれもマップに見えた。気を付ければ何とかなりそう。
30階のボスはキングワーム。でっかいムカデ。
「ぎゃーっ! キモい! デカ過ぎるっ!!」
慌てて 菱形の魔力の塊を飛ばす。
カーンッ
弾かれたー!
「そいつ中々硬いぞ。それにぶつ切りにしても生きてるから気を付けろ」
「いーやー! じゃあギルはどうしてるの?!」
「俺か? 俺はこうだ」
そう言って剣に手を掛けたかと思ったら、キラッと光って、チン。
え? と思ってキングワームを見たら、縦に真っ二つになってた。
「凄ーいっ!! ギル強いね。あんな硬いのに簡単に切っちゃうなんて」
「まあ、な」
キラキラ光って消えた後には魔石とスチールアーマー。
「そう言えばコイツのレアアイテムは確か琥珀だったな。虫入りの」
「へぇ〜、良いの出るんだね。欲しいかも」
「じゃあ、周回だな」
「頑張る」
「そろそろ、飯食おうぜ」
敵はそうでもないが、ダンジョン自体が意外と広い。お昼をかなり過ぎてたのでご飯にする。二人ともアイテムBOXを持っているので、入る前に買ったサンドイッチや焼き鳥を取り出して食べる。BOXの中は時間が止まっているので温かいままだ。美味しいものを見つけたら、買い溜めしといても良いかもね。
「ギル、次のエリアって何?」
「次は……うん、行けばすぐ分かるよ」
え……何ですか、その嫌そうな顔は?
嫌な予感がしますよー。
森とかにいる、素材になるものを魔獣、
ダンジョンの中でアイテムを落とすものをモンスターと呼んでいる。




