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元公爵夫人は冒険者になりたい〜だってコレクターだもん〜  作者: ここるく
本編

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02.そうかなぁ?

 

公爵家を出て、真っ直ぐ向かったのは冒険者ギルド。ここに来るのも三年ぶりだ。


「あら? 久しぶりね、ルカ。元気だった?」


 入ってすぐに受付嬢のタチアナが私を見付けて声を掛けてきた。タチアナは茶色の髪で、ダークグリーンの瞳をした可愛いOLさん風で、冒険者を始めた時からお世話になっていた人だ。ちなみにギルドではルカと名乗っている。


「久しぶり! 元気、元気。ねぇ、悪いんだけど連絡とかって預かって貰える?」

「良いわよ、それもギルドの仕事だし」

「……じゃあ、『ルティカ・フォン・エクセライク』に連絡あったら教えてね」

「……ルカ……公爵夫人だったの?」

「あ、元ね、元。もうやめたから!」

「はぁ?! やめたって……ちょ……どういう?」

「じゃあ、よろしく〜」


 タチアナが騒いでいたが、聞こえないフリをしてギルドから出て行く。


 さてと今日は自由になったお祝いに贅沢して美味しいものでもいっぱい食べよう!

 もちろん公爵家での食事は美味しかったが、ドレスを着ての食事は疲れるし。あぁ、一応実家にも連絡しとかないとダメかも。ま、明日にでも一度帰ろうかな。


 そんな事を考えつつ冒険者時代の常宿に向かうルティカだった。



◇◇◇



 昨晩は久しぶりに伸び伸びとご飯を満喫出来て、大満足のルティカは機嫌良く実家であるサーバンド侯爵家を訪れた。


「お嬢様っ!? お帰りなさいませ!」


 家令のセバスが珍しく驚いた顔をして迎えてくれた。


「久しぶり、セバス。お父様はいらっしゃるかしら?」

「旦那様は先週より御領地に視察に行ってらっしゃいます。奥様は只今サロンにおいでです」

「わかったわ、有り難う」


 サロンには今日も麗しいお母様が寛いでいらっしゃった。お母様はエメラルドグリーンの瞳で私と同じプラチナブロンドだがふわふわしていて可愛らしい。40歳を超えているとはとても思えないくらいに若々しく、ほんわかしている。


「お母様、お久しぶりです」

「あら〜るーちゃん、元気だった?」

「はい、元気です。お母様もお変わりなく?」

「ええ、元気よ〜。でもどうしたの? その格好も久しぶりに見たわ。何かあったの? 昨日ラインハルト様がいらっしゃったのよ?」

「えっ!? ……何か仰っていましたか?」

「いいえ、るーちゃんが居ないと分かったらすぐ帰られたわ。あんな焦ったあの方を見たのは初めてだったわ」


 こんなに早くにこちらに来るとは思わなかった……。


 ルティカは昨日あった事、離縁するつもりである事を説明した。

 そのため侯爵家に迷惑がかかるから勘当して欲しいと伝えた。


「まぁ……るーちゃんがいいならそれでも良いと思うけど、戻ってくるのはダメなの? 勘当まではしなくてもいいんじゃない?」

「これからは冒険者としてやっていきたいのです。こちらに戻るとやはりご迷惑をおかけしますので……」

「……わかったわ。一応そうセドルには伝えておきます。でもたとえ勘当したとしても私達の娘である事には変わらないからね。忘れないで。るーちゃんが楽しく生きてくれればそれで良いのよ」

「お母様……有り難うございます。お父様がお帰りになったらまた参りますわ」

「待ってるわ。でももう一度ちゃんとラインハルト様とお話しした方がいいと思うわよ。あの方がるーちゃんを手放すとは思えないから」

「……分かりました」



 お母様にはそう答えたが、果たしてそうだろうか? 第二夫人にする程彼女を気に入っているのなら、私に固執する理由は無いと思うのだけどな……。


 はぁ、とため息をつきながら侯爵家を後にしたルティカだった。





次回からルティカの子供時代になります。

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