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13.呪文って…


 薬草の採取の次は魔獣の討伐。まずはゴブリン。森の奥に入れば必ずと言っていい程居る。ゴブリンはすぐに増えてしまうので、常時討伐対象。1匹見つければ30匹は居るという、まさにGのようだ。


 ちなみに私の装備は短剣で、基本的に魔法で倒す。

 あれから訓練の結果、魔力の球をぶつけて霧散させると魔力を消費するが、ぶつけてもそのまま維持すれば、魔力を消費しないという事に気付いたのだ。

 ならばと、属性を付けずに球自体を固くて弾力のある、スーパーボールのイメージで作ってみた。それを勢い良くぶつけてみるとかなりのダメージを与える事が出来た。しかも自由自在に動かせ、動きが速いので見る事も難しい。

 これで敵を粗方無効化させてから、トドメを刺す方法で討伐していく。もちろん風刃ウィンドカッターでズバッとも出来るが血が飛び散るのであまり使いたくない。


 そうやって5匹居たゴブリンを倒してから振り返って、どう? っとカイト先生を見てみると、もの凄く渋い顔をしてらっしゃった。


「ルティカ……お前ホントに規格外だな……。まあ、強いから良いんだけど、それ、他のヤツとパーティ組んでる時に使うなよ。可笑し過ぎるから。うーん……せめて見えるようにすれば大丈夫か? いや……やっぱり……うん、ステファンと相談してみるか……」


 ダメだったらしい。便利なのに。



 倒した後は討伐部位や魔石や使える部位を採ってから死体を始末する。放っておくと血の臭いでさらに魔獣が集まってしまうので、埋めたり燃やしたりするのが基本。

 ゴブリンは耳と小さな魔石以外はいらないそうだ。魔石も小さ過ぎて価値は殆ど無いらしいが、一応採っておく。


 ちなみに捌く事に抵抗はあまり無い。長年主婦をしていたので魚も捌くし、モツやウインナーなどで内臓も問題無い。ただ……臭いがね……。


「カイト先生! 臭いです!」


 涙目で訴えても


「慣れるしかない。諦めろ」


 くっ!

 ギブミー嗅覚無効! ……ないかなぁ?


 取り敢えず汚れても浄化を使えば、臭いも消えてくれたので助かる。


 はっ!!


 先に浄化かけちゃう?

 

 早速試してみる。しゅわしゅわ〜


「おい、何してる?」

「先に浄化をかけたら、臭くないかなと思ってかけてみました」


 くんくん。うん、臭くない。

 ドヤ顔でカイト先生を見れば、呆れた顔で見られた。


「おま……浄化をそんな事に使うなんて……まあ、魔力量に問題なければ良いのか。でも……うーん」


 何やらぶつぶつ言っているが問題ないだろう。

 残りのゴブリンの必要な部位を採る。臭くないからやり易い。臭い重要。


「後は燃やせば良いですか?」

「あ……ああ、他に燃え移らないようにな」


 火の球を出し大きくして高温にする。それをゴブリンに当てれば、ジュッ!!

 はい、終了。そのまま属性を消して、魔力を霧散させれば火災の心配も無い。


「……はぁ〜。何でもありだな……。とりあえず他人が居る時に無詠唱はやめとけよ」


 むむ、いちいち呪文を言わなきゃダメなのか……めんど。



 薬草と討伐部位を持ってギルドに戻り、素材カウンターで受け渡し。


「ルカちゃん、どうだった? 初めてのクエストは?」


 受付の若いお姉さんがにこにこと声を掛けてくれた。


「はい、楽しかったです。もっといろんな事をしてみたいです!」

「そう、良かったわ〜。頑張ってね」


 そう子供らしくにこやかに答えた私を、呆れ顔で見ていたカイト先生。

 今日はそのお顔、よく見ますね。


 ちょっと睨んでおきました。



◇◇◇



 カイト先生から話を聞いたステファン先生曰く、やはり無詠唱は問題があるとの事。人前では呪文を唱えるようにきつく言われた。

 そしてあのスーパーボールもどきには名前を付けて詠唱すれば固有魔法としてイケるだろうと。

 名前……名前ねぇ……。ネーミングセンス無いんですが。


「うーん……『スーパーボール』は流石に……んー『ハイボール』?」

「良いですね! 『ハイボール』良いと思いますよ?」


 えっ?! 良いんですか? ……お酒の名前ですよ? こっちには無いだろうけど。



 ステファン先生は練習の結果、魔力の形を変える事が出来る様になった。まだ魔力自体を外に出す事は難しいみたい。でもその内出来そう。


 ドヤ顔で水で作った魚を見せてくるステファン先生はちょっと可愛い。



 造型で私の次の目標は、アレだ。ドラゴン。

 西洋のドラゴンではなく、某7つ集める玉のお話に出てくる龍だ。もっと遡れば、日◯昔ばなしだね。日本人にとって龍とはアレだろう。


 水の球を見ながら頭の中でめっちゃイメージする。そうすると少しずつ形を成していく。水を選んだのは細部を見易くするため。くるくると回して細部を確認しながら造る。パソコンの3Dみたいだ。

 今まではこっそりやっていたので堂々と見て造るのは、やり易い。



 出〜来た、とステファン先生を見れば、目を見開いている。


「そ……それは……何ですか?」

「えっ? 龍です。こっちでは居ませんか? まあ、前世でも空想上の生物でしたが。カッコイイでしょう?」

「ええ……何というか神秘的に見えます。素敵ですね」



 おぉ、こっちでも通じるみたい。嬉しいな〜。

 ついでに動きもつけちゃう。口を開けて向かわせれば、攻撃魔法になるんじゃない? よしよし。



「……名前付けといてくださいね……」

「……はい」


 名前って……呪文ってそんなもんでしたっけ?



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