11.魔法を学ぼう
ステファン先生との魔法の勉強。ついに魔法が使える! ワクワクです。
侯爵家にある訓練場を外から見えない様にちょっと改築して貰い、そこで実施の練習です。
まずはステファン先生の魔法を見せて貰う。
「初級の魔法から見せますね。最初なので詠唱から。『ステファンが希う。雄大なる水の精霊よ、我の願いに答え、汝の力を示せ。美しき球となりて、現れよ。水球』」
そうステファン先生が唱えると綺麗な水の球が掌の上に現れた。
「詠唱する事によってこの様に現れます。これを敵にぶつけたい時には、『敵に向かえ』と繋げます」
すると水の球が遠くの的に向かって飛び、当たって消えた。
「上級者になると詠唱を省略して唱える事も可能です。その際には具体的なイメージが必要ですかね。『水球』」
それしか唱えてなくても、水の球は的に向かって当たった。
「風の場合は詠唱が多少異なります。『ステファンが希う。崇高なる風の精霊よ、我の願いに答えて、汝の力を示せ。涼やかな風を起せ、風走』」
緩やかな風が起り、土煙が少し舞う。
「とりあえず、やってみてください」
「はい。『ルティカが希う。雄大なる水の精霊よ、我の願いに答え、汝の力を示せ。美しき球となりて、現れよ。水球』」
掌の上に現れる、水の球。
ふむふむ。出てきたものは私がいつもやっている水の球と変わらないカンジ。試しにそのままいつもの様に、魔力操作で的に当ててみる。……当たった。
「素晴らしいですね。私から見ると完璧な水球だったのですが、ルティカのいつもやっている事と何か違いがありましたか?」
「そうですね、基本変わらないと思います。私には先生も詠唱時に、魔力操作をしているように見えました。水と風では魔力操作が違うので、そのための詠唱なのかもしれませんね」
「そうなのですか!? 具体的にはどのような?」
「んー……水の場合は、中心に水滴が落ちた様に円を描いてそのまま外側に向かい、また戻って真ん中から発するカンジですかね? 風の場合は心臓あたりから左腕、頭、右腕、右脚、左脚と体を巡って戻り、心臓から出すカンジです。分かりますか?」
「……ちょっとやってみます」
そう言ってステファン先生はぶつぶつ言いながら考えている。
その間に私も考えてみる。私がいつもやっている事は、まず魔力の塊を出してそれに属性を付けている。付け方はさっき言った様に、その塊にさらに水滴の様な波を巡らせば水になるし、ぐるぐると回して巡らせれば風になる。先に魔力を体で巡らせて出すとの、出してから巡らせるの違いかな。
出してからはイメージが大事なのは変わらなさそう。
試しに魔力を体で巡らせてから、形を鳥にイメージしてみる。
うむ。美しい水鳥が出た。飛ばして的に当てる。
大きくするには……たくさん魔力を練ってから出す。さっきの2倍。これもイメージかな。サイズ等は要練習。
「あーっ!! 何で先にやっちゃうんですか?! しかも鳥になってるし! どうやったんですか? 教えてくださいよ!」
……先生ですよね?
◇◇◇
ぶーぶー言うステファン先生を宥めてから続きを教えて貰う。
要は出す形を攻撃的にすれば攻撃魔法になるようだ。
水球、水矢、水槍、水刀、水壁、水刃等、他にも様々な種類がある。
後はそのサイズや量、威力等で初級、中級、上級と分けているみたい。
イメージさえ分かれば、割と簡単に使えた。
「いやいや、可笑しいでしょ。何でいきなり使えちゃってんの? ズルくない? もう教える事なくない?」
ステファン先生はぶつぶつ言って、すっかり拗ねてしまった。仕方ないので、魔力の形のイメージの仕方を伝えてみた。って言っても、ホントにイメージが大事。頭に描いて形にする。これしかない。
その点私は前世で散々アニメや漫画、小説で鍛えられて(?)いるので問題ない。逆にこちらの世界の生物が作れない。見た事ないから。
イメージに関しては個人で練習して貰う事にして、他にも何かないか聞いてみた。後は、失われた古代魔法や、魔法陣、魔法付与などがあるらしい。
……古代魔法に、魔法陣。心躍ります!
本来ステファン先生は、未だに解き明かされていない古代魔法や、魔法陣を研究しているそうだ。是非見てみたい!
そう伝えれば、嬉しそうに今度見せますねと約束してくれた。
後はイメージと練習あるのみ。でもこれならオリジナルの魔法も作れそう。いや、もうすでにオリジナルっぽいけど。
訓練場の使用も許可されたし、これから練習し放題。ああ、楽しみ!




