フリーデン探偵事務所
1年ぶりに冬休みが暇でやりました
相変わらずの拙い文章ですが、暇つぶしに読んでやってください
ジリリリリリリリリリリ、と電話が鳴る
その音で私は目覚めた
心地良い夢から現実に戻され気づく
あ、遅刻だ…
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電話の相手は職場の所長
『何をしている?寝坊した?安全に配慮して死ぬ気で来い』
との通達
所長の口調は女性とは思えぬもので、怒っている時は無茶な要求がおまけされる、口調だけでも怖い
優しいのはわかるんだけどね…
どうも、全力疾走中の私は高倉未来、ピチピチの19歳です!
常識では語れない非常識な能力がチラホラ見られるこの世の中で、私は未来を見ることが出来るわけなのですが、それにも条件があり…
なんて考えている間に前方30m先の角からダンプカーが飛び出してくる未来を今見た
コレを私は避ける…コトも可能だけど、子供が挽き肉のようになる所も見えてしまったので、私は未来を変えるべく走る
挽き肉になる子は私とは反対側から歩いてくる
どう止めるか、こう止めるのだ!
「そこの君!そう小学4年生ほどの君!チャック全開だよー!」
これでいい
ぶーん、とダンプカーが何事もなく過ぎ去る
その過ぎ去る一瞬のうちに挽き肉君は顔を赤くし怒っている
が、構ってあげる時間がないのだ、see you…
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始業時間より40分が経過
職場の「フリーデン」に到着
意味はドイツ語で平和、らしい
有り体に言えば探偵事務所
猫を探すのは私の得意分野なので、飼い猫が居なくなってしまった方は是非、フリーデン所属の高倉まで
なんて戯言は置いときまして、入るのが怖い
が、怖がっていても仕方がないので入る
「遅れてすいません!」
頭を下げ、返事を待つ
「ミライ、今所長はお客様の相手を奥でしてるからお茶を入れて持って来いって」
私をミライと呼ぶのは同僚の下野水希くん、私はよく彼と組まされる
「怒ってた?」
「少し」
少しだけならまぁいいかな
「わかった、すぐに入れて持ってくね」
お茶、お客様がどのお茶が苦手かわからない
未来を見ればいいと思う人それはナッシングです
私は目の前に広がる視界の中での出来事のみ見れる
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コンコンコンコン
ビジネスシーンでは4回ノックをするのがマナーってこの前テレビで言ってたので4回
「失礼します、お茶をお持ちしました」
お客様は、優しいお姉ちゃんって感じの人だな
「ありがとうございます」
声も優しいな、私が男性なら間違いなく好きになっているだろうなぁ
なんて考えていると所長が、ちょいちょいと私を呼ぶ
お茶をお客様と所長の前に置き、所長の近くに寄る
所長は私の耳元で、「この話が終わり次第私の所に来るように」と低めの声で言われた
私は頷きそそくさとその場を後にする
「失礼しましたー」この一言もしっかり添えて
めっちゃ怒ってたじゃん!
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お客様もお帰りになり、所長との話も終わった
ここで所長を軽ーく紹介
名前は紅野奏、年齢不詳でパッと見20代後半
超美人でみんなからは所長と呼ばれている
前述の通り普段は優しいが怒ると怖い
所長は能力者を集め探偵事務所を開いた
中には非能力者もいるが、差別などもなくアットホームな雰囲気である
能力は炎を操るらしい、見たことないけど
ちなみに水希くんはざっくり言うと凍らせる能力
「ミクは罰として掃除をすること、いい?」
「はい、すいませんでした」
ということで今は掃除中
シンクの水垢を落とすことになっている
水垢はアルカリ性なので、お酢やオレンジの皮など酸性のものは使うと効果があるってこれもテレビで言ってた
『これであなたもお掃除マスター!』
が宣伝文句だったような
酸性ならレモン汁も良さそう
しばらくしたらピカピカになった
ホントに私はお掃除マスターになれるかもしれない!と心踊っております
「ミライ、俺達が組んで仕事をすることになったから掃除はもういいって」
「あ、はーい」
さて、お掃除マスターは街の汚れも掃除してしまうのか?乞うご期待って感じのヤバめの仕事ならとてもやだ
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以下、今回の仕事内容
依頼主は佐々木優子
内容は2日前より行方不明の妹、佐々木真美の保護
警察にも行ったが、念には念をとフリーデンを訪れた模様
まとめるとこんな感じ
警察を信じてあげればいいけど、これで食べているので文句もあまり言えない
が、コレだけは言いたい
情報が少なすぎるでしょ!
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私たちは佐々木宅に向かうことになった
「はじめまして、今回担当になりました下野水希と彼女は高倉未来です」
「私ははじめましてじゃないですよね」
お茶出した人だし
「ええ、あのお茶とても美味しかったわ」
「ありがとうございます!今回は頑張らせていただきます」
やったネ!
「早速ですが、真美さんが居なくなった時の話をお聞きしても?」
相手から情報を聞いたりするのはミズキくんの仕事
「はい、私が2日前、仕事で家を出た時にはいました」
「その日の夜から連絡もありません、真美も高校生ですし、1日くらいとも思いましたが次の日学校にも行かず連絡もつかない状況なりました」
「それ以前に怪しい点などはありましたか?」
「私の前では特に、でも友達には『カッコイイ彼氏が出来た』と言っていたそうです」
なるほどなるほど
「その彼氏の名前などはわかりますか?」
「真美の通う隣の学校の生徒で、知野涼梨と言うそうです」
優子さんめちゃ特定してる
すごいな
「知野さんとは連絡は?」
「連絡先は流石に知りません、ですがバイト先なら」
「どこですか?」
「三丁目の喫茶店です」
オシャレな感じの所だった気がする
「貴重な情報ありがとうございます、よしミライ行くぞ」
「うん、一つだけ優子さんに、無茶はしたらダメですよ?」
「?はい、わかりました」
とても不思議がってるけど、そこまで彼氏を特定したのは相当頑張ったんだと思う
だからもう無茶はしたらダメですよってちゃんと言った方が良かったかも
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「ねぇミズキくん、私たちはこれからどうするんだっけ?」
「三丁目の喫茶店に行くんだよ」
わかってる、わかっているんだけど…
「なんで喫茶店に行くのに学生服着ないといけないの!?」
そう、私は昨年まで着ていたセーラー服を着させられている
「学生のフリした方が接触しやすいだろ」
「ない!絶対にないよ!」
めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!
「まぁまぁ、とりあえず店に入ろうぜ」
もう諦めるしか…ない。
いらっしゃいませー、お二人様ですねー、奥のテーブル席にどうぞー
あっという間に座っていた
もう恥ずかしすぎる
ついこの前まで着ていたとはいえ、なんだか慣れない
「じゃあ俺はコーヒーとパンケーキ、
ミライは?」
「あ、私はクリームソーダ1つお願いします」
「かしこまりました」
ミズキくんはどうなのだろうか…そもそもミズキくんって何歳なの?
聞くべきなのかどうか、仕事中だしなぁ
でもでも、実質休み時間?だしなぁ
「ん?俺の歳って言ってなかったっけ?」
「え?ミズキくんって心も読めるの?」
「いやいや、口に出てた」
恥ずかし!あまりの恥ずかしさに手で口抑えちゃったよ!
「ごめんなさい、言いたくないならいいよ」
「別にいいよ、知野はまだみたいだし」
あっそうなんだ
「俺はお前の1つ上の20歳、でも病気で1年遅れたから学生服を着るのは同じく1年ぶり」
「1つだけだったんだ、3つくらい上だと思ってたよ」
「そう思うなら敬語使えよ」
笑いながら言われ、確かにと思った
が、ミズキくんってかなりのイケメンだなぁ
「ミズキくんモテたでしょ?」
「え?別にモテなかったけど…なんで?」
「イケメンだなぁって思ったから」
「お、おうさんきゅ、お前もなかなか可愛いよ」 」
あ、なんか気を使わせてるかも
「なんかごめんなさい」
「なんで謝るんだよ?」
「いや、気を使わせてるかもって思ってね」
「まぁカップルみたいでいいんじゃねぇかな」
確かに怪しまれにくかも
「なるほど」
でも誰に怪しまれるんだろうか
なんて会話をしてると
「お待たせしました」
と注文したものが届いた
知野涼梨と共に
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知野涼梨、第一印象は優男ってやつだった
線も細めで人を攫うようには見えなかった
人は見かけによらないのが現実なのですが…
あと、私個人で気になったのは八重歯
めっちゃ出てた
笑った時しか見えなかったけど吸血鬼の様だった
「送信っと」
所長に中間報告にメールを打つ
今は知野涼梨の帰宅先を見つけるために尾行をしている
「なあ、ミライ」
「どうしたの?」
「一応未来を見続けてくれないか?」
「いいけど、頭痛くなったら止めるからね」
「わかった、痛くなったら教えてくれ」
なぜ見なければいけないのかと思いながらもコレは仕事と割り切り見る
そこには驚くべき光景が広がっていた
家族とはぐれ泣く女の子
電話を片手に騒いでる男
楽しそうに騒いでる学生たち
軽快に騒ぐ街並みの中に、今朝の挽き肉君が居た
居るだけなら良かったのだが、彼は知野涼梨を兄と呼んだ
偶然って起きるもんなんだな
さらにその少し先を見る
私は本当に雷が走ったような衝撃を受けた
泣いていた女の子が消えた
知野兄弟と共に
現実に戻り私は叫ぶ
「ミズキくん!あの泣いてる女の子が危ない!」
彼は頷き走る
知野涼梨を抜きさり女の子の元へ
「どうした?なんで泣いてる?」
「…ママとはぐれたの」
と泣きながら答える女の子
私は知野涼梨が舌打ちするのを見た
やはり知野は見かけによらないヤバいやつだった
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女の子を放置したままにして置くのは良心が許さなかったので、私はお母さんを女の子と一緒に探した
その間もミズキくんは尾行を続けてくれていた
お母さんを無事に見つけ、名刺を渡し女の子に別れを告げミズキくんと合流しようとした時
ジリリリリリリリリリリ
電話が鳴った
相手はミズキくん
『もしもし、俺だけど』
「あ、うん」
『逃げられた』
「えぇ、何やってるのよ」
『ごめん、あいつら急に消えやがった』
「わかった、とりあえず事務所に帰ろ」
『ああ』
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事務所に帰ると夜の8時を迎えていた
普段なら事務所には人が少ない時間なんだけど
今日はいっぱいいる
どうしたんだろうか
この事務所には私たちの他に8人はいる
そのうち3人は私たちと同じように、人探しの途中だった
そして私たちと同じく相手が消えたので為す術もないので事務所に帰ってきたようだ
この計4つの出来事の共通項は
・10代の女の子が消息不明
・消えたのはここ1週間の間に
・知野という人物が関わっている
・尾行対象をロストした
正直、尾行対象の件は私たちの実力不足だと思う
しかし、コレだけの共通項があれば結構絞れたりする
そうこの事務所の頭脳、岡崎令の能力にかかれば
と壮大な前フリですが、岡崎さんの能力なんてきっちり理解していないので丸投げです
なので私は対象をロストした仲間の高橋さん、神野さん、道倉くんにコーヒーを入れて労った
3人との関わりはあまりないけど、やはり仲間同士なので労いは大切だと思う
そうこうしているうちに岡崎さんから「他に何かないか、どんな些細な事でもいい」と言われた
情報不足だったようだ、手詰まりといった雰囲気が漂う
「吸血鬼の様な八重歯」
所長の一言で岡崎さんは正解のピースを見つけパズルを完成させたかのように「コレだ!」と言った
「流石所長です!」
「コレはミクが見つけた情報だ、称える相手を間違えるな、よくやったミク」
と所長は笑いかけてきた
女だけどキューんってなった
内心、惚れてまうやろー!と一昔前のネタを入れつつ頑張って緩めた頬を引き締め「ありがとうございます」とだけ言った
「レイ、なんだったんだ?」
「はい、恐らく今回の黒幕は血ノ一族だと思われます」
なんだそれ、と口々に言う
私も、急にぶっ飛んだ話になったなと思った
「吸血能力を持っており、吸血することで身体能力が飛躍的に向上する、40年程前に大量吸血事件を起こした一族です」
知らなかった、そんな事件があったなんて
生まれてなかったから仕方ないけど
「その騒動をきっかけに一族は国の監視下に入った…と当時の記事にはありました」
「でもそれは血ノで知野とは関係ないんじゃ?」
と高橋さんが言った
「40年あったんだ、どっかに子孫を残してそれがたまたま同音の知野で吸血能力を発現したんだろ」
私は思った
偶然ってすごいなぁ、と
恐らくこの中で1番気が抜けていたと思う
ソレを感じ取られたのだろう
「よし、この件は所長の私とミク、ミズキの3人で解決する」
ウソだーと思ったが、自分の仕事を途中で投げ出すのは嫌なので私は力強く返事した、ミズキくんも同時に
「「はい!」」
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この街の西側にある廃墟に知野達はいるそうだ
なぜわかったのか
神野さんだ、彼は元刑事だったようで昔のツテで聞いたようだ
そんなドラマみたいなことホントにあるんだね
とミズキくんに言うと、国が絡む大事には神野さんのツテ無くしては解決出来ないと言っていた
すいません、いつもハゲ散らかしたオッサン程度に思ってました
「所長どうするんですか?私たちは何をすればいいですか?」
「そうだな、私は準備があるから2人で先行してくれ」
コレが10分前の会話
私たちは今敵地にいる
事務所でロストした対象の人数を合わせた時、5人だった
でも中から伝わる気配は30over
「真っ向からじゃ人数差で負けると思うんだけど、どうするミズキくん?」
「いつも通り行こう」
「わかった」
いつも通り、とは出入口の床から少し高いところにパイプの様なものを置き、引っかかるようにする
そのコケた先にはミズキくんの氷でかなり太めの針を
パイプと針を越えた先の床はツルツルに凍らせる
だいたいの雑魚はこれで片付く
他にも私はカバンの中やポケットの中に色々入れている
「よし準備は出来た、じゃあ俺が敵を誘い出すからミライは失敗しないように見ててくれ」
この見るとは未来を見るということ
危なくなったら即脱出、もちろん逃走経路は確保済み
そして…
「ミズキくん、誘い出しは私に任せてよ!ここにいるのに誘い出す魔法を私は設置済みだよ」
ここでみんなには今朝からのあの偶然を思い出して欲しい、点と点が繋がったかい?
あの一言で誘い出せるはず、なぜならかなり怒ってたからね!
すぅー、と息を吸いお腹に力を込める
「チャック全開だよー!」
ダメ押しに
「恥ずかしくないのー!」
決まった…
そして私の視界には沢山の人が倒れている未来が映る
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最初の1人から4人目までは盛大にコケ針の餌食に
馬鹿野郎と飛び越えた奴らはツルッと滑る
そこを私たちは角材で殴る
殺さないようにすることが大事
ごめんなさいの気持ちを込めて殴る
気絶してくださいって気持ちも添えて
「アレ?君たちは喫茶店のカップルじゃん!なんでここに居るかは知らないけど、女の子の方結構好みなんだよねぇ」
知野涼梨の印象は今ので変わった
「ヨダレを垂らして話すな、汚い」
「別にカップルってわけじゃないんだけどな」
めっちゃ汚い、なんか目も凄い怖い
「え?じゃあ貰ってもいいよね!」
飛び込んできた
人とは思えぬ速さで
「私じゃなきゃ対処出来ないんじゃないかな?」
と私は奴の目の前にコショウをぶちまける
「な!目が痛い…目が!!!」
となってる所を「おりゃ!」と殴る
「ミズキくん!コイツの足を凍らせて!」
「おう」
彼が言い切る前にはもう凍っていた
言う前から準備してたなんて、仕事が早い
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どんどん攻めて来ると思っていたが残った7人程は帰っていった
ふぅー、と息を吐く
「よし、知野涼梨君」
問いかけると目を開きコチラを見てくる
「凄い速さだったけど、真美さんの血でも吸ったの?」
聞くと彼はニヤリと口元を歪めた
「いや、口動くなら喋りなさいよ」
イラッときたが我慢我慢
「少しだけなぁ、美味かったなぁ、お前も攫って同時に頂こうと思ったんだけどなぁ、HAHAHA」
完全にヤバいやつじゃん
「とりあえず真美さんは生きてるっぽいな」
「そうだね」
といいながら私はポケットからチューブの練りわさびを取り出す
「じゃーん、これなーんだ!」
「わさび」
「ミズキくん正解!」といいながら蓋を外す
「ミライ、どうするんだよそれ」
フッフッフッ、と私は笑い
「こうするのだー!」と知野涼梨の鼻の穴にわさびを突っ込んだ
「んんんんんぅ!」
悶絶にのたうち回る知野涼梨
「気持ち悪いことするからそういうことになるんだよ」
とガムテープでぐるぐる巻きにした
他の人たちも同様に
「see you…」
とカッコつけながら私たちは部屋を後にした
ちなみに挽き肉君は最初に突っ込んで来て針の餌食になっていた
あの時助けなければどうなっていたのだろうか
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「いよいよ大将討ち取りの時だね」
「上手いこと行けばな」
「確かに」
私たちは致命的な弱点がある
一撃で戦況を帰れる決定打がないのだ
アニメや漫画の主人公のように必殺技を持つ人も能力者の中にはいるらしい
そんなに問題視してないけど
「だ…たす…」
?声が聞こえる?
「ねぇミズキくん、声聞こえない?
「聞こえる」
お化けじゃなくて良かったと思った、廃墟だし
「捕まった人達だと思う、助けに行こう」
「うん」
声のする先に辿り着くと、事務所で仕事を受けた人数よりも多くの人が見つかった
パッと見には10代が多く、チラホラ10代に満たない女の子もいる
佐々木真美さんもその中にいた
そして、明らかにボスって感じのスーツ男がいた
「侵入者達に問う、何者だ?」
「あ、私たちはフリ…」
「誰だっていいだろ」と私の言葉に被せながらミズキくんは言う
フリーデンって言わない方がいいのね
「お前は?」
「フッ!ワシの名は血ノ影光40年の時を経て復讐する者だ!」
「どっちのチノですか?監視下にある血ノですか?それとも子孫の知野?」
「それ今聞くか?」と小声で聞いてくるミズキくん
私も小声で「私らじゃ勝てない、あと少ししたら所長が着くはずだから時間稼ぎに付き合って」と
「知野か、貴様らに聞かせてやる」
時間稼ぎルートキター!
私の目には今、燃えてる影光が映っている
勝った!
「知野はこんなこともあろうかと昔から用意してた分家のようなものだ、国の奴らも偶然だと思ってるだろうよ」
え?それだけ?
そして気づく
「先を見すぎたんだ…」
「時間稼ぎにワシが乗ると思ったか?行け!」
6人が飛び出してくる
奴らは全員血を吸ったのだろう、とても速い
焦りながらも即見る、もちろん未来を
私は確信する
コレは避けられない、と
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囲まれながらも安全なルートへ誘導しないと
「ミズキくん!右に跳んで!」
いいながら私は前に突っ込む
コレが最善のルート
私は衝撃に備えた
「うっ…」
わかっていても痛いものは痛い
相手の蹴りが左腕に炸裂する
嫌な音がした、折れたのだろうかとても痛い
涙が出てくるがグッと堪える
ミズキくんが蹴ってきたやつを殴り飛ばす
ほぼ同時に影光も攻撃に参加しようと飛び出す
私は笑う
「ミズキくん!伏せて!」
影光も血を吸っていなのだろう、さっきのヤツらより速く動いている
「遅いわ!」
地面に伏せる途中のミズキくんを蹴ろうとするが、もう遅い
「お前がな」
炎が影光を包む
見たことのない大きな炎が
私たちも燃えるのでは?と不安になるほどだったが、私にはただ暖かいだけだった
ミズキくんの驚き方的にも彼もそう感じてるはずだ
「従業員が怪我をしては大変だろ?火加減出来ないような未熟者じゃないってことさ」
え?なに?やだ!かっこいい!
相手を包んでいた炎が消える
全身火傷でとても怖い状態だったのに。もう回復している
コレが吸血能力
「なんで消したんですか?所長」
「殺したら私は警察のお世話にならないと行けないからね」
「でも、もう回復してます」
「攻撃してくるかも…」
怖い、結構怖い
「そうだな、ミズキ、今のうち氷漬けにしてやれ」
「わかりました」
何やら不安になる
念のために未来を見た
左前方から飛び出してくる男を
あの時逃げ出したのが7人、さっきのヤツらが6人で人数も合う
正真正銘、ラスト
そんなやつに私は…
顔面に腐った卵を投げつけてやった
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所長が言っていた準備とは警察に連絡することだった
電波が悪く電話に手こずったのと、私たちが想像以上に速く敵を制圧して行ったので、所長は遅れたようになってしまったようだ
実際遅れてたなんて口が裂けても言えなかった
血ノ一族は今は施設で完全隔離状態とのこと
そして、知野共は未成年を除いて実刑判決
未成年は血ノ一族と共に隔離
幸いなことに連れ去られた人の中で亡くなってしまった人はいなかったとの事
これも全て神野さんから伝えられた
一応謝ったら、「なぜ謝るのか」と困惑していた
面白かったので放置した
そして所長には、「ミク、お前はなぜあんなものを持っていたんだ」と聞かれた
皆さんにも説明しよう
銃とか刃物とか殺傷能力の塊の様な物は危ないので、嫌がらせ程度の物と防衛のために角材を持っていました
コショウや腐った卵はケンカが苦手なのに巻き込まれたら実践してみましょう、かなり有効です
相当の恨みを買いますが
そして私もミズキくんに質問してみた
なぜ私のことをミライと呼ぶのか
彼は「初めましての時に未来をミライと読んでしまい、訂正しようと思ってらとても恥ずかしかったので、そのままミライと呼んでる」と言っていた
私自身気にしていないので放置する
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「この度は妹の真美を保護して下さりありがとうございました!」
優子さんが頭が落ちるんじゃないか心配になる勢いで振り下ろす
真美さん含め被害者全員は今は入院している
「無事に見つかり本当に良かったです」
「また何かありましたら私たちはフリーデン探偵事務所をよろしお願いします!」
コメント待ってます
ダメ出しや改善点などもあると有難いです