散らかっていたはずの夏休み
6月ぐらいから僕の部屋のソファーは洋服で散らかりっぱなしだ。
終業式が終わり明日から夏休みだが。このソファーを片付ける気にはなれない。いや「めんどくさい。」「まぁ夏休み中には片付けるさ。」僕は中学2年生の小阪 来(13)。
来年は受験だ。だから今年はとことんこの夏休みを楽しみたいのだ。「でもなぁ。俺毎年課題最後まで貯めちゃうんだよなぁ。」
まずこの2週間で課題をやろうかと。課題は【5教科のワーク 作文2つ ボランティアのレポート】だ。「読み上げるだけで頭痛がするわ。」まぁとりあえず明日からは夏休みなんだから今日は寝ようかと照明を落とし布団に入った。次の日 今日の朝飯は昨日の残りのカレーだ。「一日おいたカレーは何だか美味しくなっていると感じるのは僕だけだろうか。」そろそろ課題をやろうかと部屋に行った。「暑いなぁ。クーラーつけよ。」クーラーの設定温度は23度。一般家庭より少し低めだろうか。しかし自分はこれがいちばん快適だ。さ、お気に入りのシャーペンもって課題をやろうか。まずは、社会のワークからだ。なぜ社会からにしたかというとまぁ得意教科だったからだ。定期テストで社会は最高92点とったことがある。別に真面目に授業を受けているわけではないのだが。きっとニュース番組やら討論している番組ばかり見ているからだろうか。「あ?狩野永徳が描いた屏風?あぁあ期末テストで間違えたやつだ。」とくに解き直しとかしない僕は答えがわからなかった。社会の課題はこれだけ間違えて終わった。緑茶で一休みだ。「少しぬるいなぁ氷入れよ。」冷たい緑茶を飲んでいたとき、洋服で散らかっていたソファーを見た。「あれ?少し散らかってた洋服が減ったような…。んんまぁ見間違いだろう。」きっと暑くてボケてたんだろうな。まぁいいやと次の課題に取り組んだ。理科、数学、国語、英語と何とか集中して終わらせることができた。4割ぐらい散らかってた洋服が減ったような気がした。
いや、減っている確実に。なんだろうか。勝手に手が動いて課題がすべて終わった。洋服一枚散らかっていることなく片付いていた。手が止まらない。課題を2回目3回目と何故か手が止まらずに
やっていく。家具、家、部屋何も無くなっていった。
始業式
先生「出欠とるぞ〜相葉」
相葉「はい」
先生「小阪〜 ん?欠席か?まぁいいあとで連絡する」
プルルル プープープー
先生「でないなぁ。」
13回目の課題が終わった頃、もう小阪家には誰もいなかった。
何も散らかっていなかった。