表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/193

96

 ズンッと震動させて、僕は()()()()()クリスタルを元あった台座に載せます。


 どこから?

 答えは──〈道具〉(アイテム)からです。


 そうです。

 とても大きいクリスタルですが、特に台座に固定されていたというわけではなかったので、簡単に〈道具〉(アイテム)に収納できてしまいました。


 大きさや、重量の制限がなかったことには、僕も驚きました。

 それと、生きているものは収納できなかったはずなので、クリスタル内に埋め込まれているもう1つの悪魔(デーモン)の身体があるとムリかもな、と思ったのですが、やってみたらできたので、あの身体は死体扱いにされているのでしょう。

 上手くいって良かったです。


 ローズマリーさんからは、このクリスタルとても頑丈でそう簡単に壊せるものではない、と聞いていたので、無駄な労力を使うことがなくなって、本当にラッキーでした。


 ……まぁ、魔法を使えばどうとでもなると考えていたので、〈道具〉(アイテム)に収納できなくても問題はなかったのですけどね。


 それはともかく。


 突然現れたクリスタルを見て、すっと目を細める悪魔(デーモン)

 あんな知りたがっていたのに、もう忘れたのかな?


「この中に埋まっているあの身体はアンタの力のバックアップ──複写された身体なのでしょう?

 もし、そこのアンタを倒しても、これがあれば元通りってわけですよね?」


 ポンポンとクリスタルを叩きながら、僕は言いました。


「どうしてそれを……? まさか、ローズマリーか?」


 悪魔(デーモン)は、いつの間にか自分の横から離れていたローズマリーさんを見遣りました。

 そのローズマリーさんは、悪魔(デーモン)の視線を避け、自分の足元に視線を落としています。


 本当は、管理人さんからの情報ありきなのですが、それを言ってもわからないと思うので、黙っておきます。


「というか、逆にどうして、ローズマリーさんに裏切られないと思ったのか、そっちの方を聞きたいのですけどね。

 身体を奪われて、自由を奪われて……それで慕われるとどうして考えられるのです? バカなの?」


 愕然としている様子の悪魔(デーモン)に問い掛けますが、答えはありません。

 ……まぁ、僕も期待はしていませんけども。


 僕は出したクリスタルを再び〈道具〉(アイテム)に仕舞うと、ローズマリーさんと、その彼女を睨む悪魔(デーモン)を黙って見遣します。


 悪魔(デーモン)はしばらくローズマリーさんを睨み付けていましたが、奥歯をギリリと鳴らすと、視線を僕に戻しました。


「……まぁ、ローズマリーのことは後で良い。

 まずは、ハイエルフ。貴様のことが先だ。

 その消したクリスタルのことなど、いろいろ聞きたいことがあるが、その前に……」


 グッと腰を落とし、前傾姿勢になる悪魔(デーモン)


「貴様には落とし前を付けてもらおう。

 少々痛い目に遭うだろうが、自業自得と知れ。

 そして、聞けることを聞いたら、そのあとに惨たらしく殺してやる。

 貴様が死ねば、再び魔術が使えるようになるだろうからな」


 ふむ。

 実は僕を殺してもこの結界は解除されませんけど、まぁ、わざわざ教えることはありませんね。

 ……それはそれで面白そうではありますけどね。

 生憎、僕は殺されるつもりはありませんから。


「我の魔術を封じたからといって、我を殺せると考えたなら、大間違いだぞ。

 我はこの身体を十全に扱うことができる上に、近接戦闘のためのスキルも多数ある。

 それに……」


 チラリと悪魔(デーモン)はローズマリーさんを見ました。

 口の端が持ち上がり、愉快そうに笑います。


「いくらローズマリーが裏切ろうと、アレは我に逆らうことはできんのだ。

 万が一、いや、億が一にでも我になにかあれば、アレは我のために動くのだからな」


 知ってます。

 知っているからこそ、こうしたのです。


 僕はとある漫画のワンシーンを思い出しながら、できるだけワルモノっぽくチョイチョイと悪魔(デーモン)に手招きしました。


「ごちゃごちゃと御託を並べてないで、良いからさっさと掛かって来ませんか、この糞虫。

 そんなんですと、負けたとき恥ずかしいだけですよ」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ