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全く……ヒドイ目に遭いました……。
まさかのヒモなしバンジー、又の名を自由落下する羽目になるなんて……。
よく生きてたな、僕……。
魔法があって、本当に良かった。
ありがとう、マシロ。
「ぴゅっ」
マシロの頭をもふもふと撫でると、本当に癒されます。
ガチガチになった身体が、解きほぐされました。
落下中に、とある魔法──『ハードボディ』を使いました。
実はこの魔法、身体を硬く頑丈にすることができるのですが、それは同時に、関節なども固まってしまい、動けなくなってしまうという、欠陥のあるものでした。
最初に見付けたときは、これで防御力アップだ、なんて喜びましたが、実際に使ってみると、あまりの使えなさに愕然としたものです。
使う機会なんてあるもんか、と思っていましたが……まぁ、役に立って良かったです。
……地面に身体がめり込む、なんていう漫画みたいなことがあって、ビックリしましたけど。
それでも、ちょっと痺れただけで無傷で済んだのだから、意外にも高性能な魔法だったのですね。
侮ってしまってスマン、『ハードボディ』。
でも、これからも滅多に使わないと思います、『ハードボディ』。
──『キュアオール』──
念のために、回復魔法を使っておきましょう。
そして一応、身体を見下ろして……よし、異常なし。
さて。
では、これからどうするか?
自由落下の最中に、お久し振りに会った管理人さんとお話をしました──いや、実際に会ったわけじゃなくて、声が聞こえて、目の前に字幕が出てきたんですけど。
その前に助けて、と思いましたけど、最後までペラペラと話していくだけでしたね、あの管理人さん。
そんなわけで、話の内容はあんまり覚えていない(落下をどうするかに集中していて、その他のことは片手間でした)のですが、とりあえず、ローズマリーさんの横にいた白目と黒目が反転したあの女性が危険らしい、ということは覚えています。
僕の理解によれば、あの女性の正体は悪魔とやらで、詳しいことはわかりませんが、ローズマリーさんはその悪魔に囚われているようです。
悪魔というのは、どうやらあまり良くないもののようですから、どうにかしないとならないようです──というか、ヴィッキーたちが捕まってしまったので、助けにいかないとなりません。
攻撃された挙げ句に、自由落下させられたお礼もしないといけないですしね。
そのついでに、ローズマリーさんのこともできる範囲でどうにかしてみましょう。
逃げた方が良い、という管理人さんの忠告は、都合良く忘れるとして……。
キョロキョロと辺りを見回すと──どこだろう、ここ? 真っ暗でなにもわかりません。
──『ライティング』──
魔法で灯りを作ります。
ほわっと青白い暖かく感じられる光が、周囲を照らしました。
ふむ?
僕のすぐ近くには透明な水を湛えた湖があるので、どうやら……ここは地底湖のようです。
相当広いみたいで、この灯りだけでは、全て見通すことができません。
もう少し落下地点がずれていたら、湖の中に落ちていたかもしれません。
……運が良かったのか、悪かったのか。
普通なら、落水した方が無事に済んだのかもしれませんが、魔法の効果で身動き取れなくなっていたあの状況だと、溺れ死んでいた可能性もあります。
……ああ、でも、高いところから落水すると、水だってコンクリート並の硬度になるらしいから、危険なことに変わりないですね。
まぁ、済んだことは良いか。
とにかく、地底湖っぽいここから早く脱出しましょう。
そして、自由落下をプレゼントしてくれたあの女性に、お礼をしなければ!
などと考えていると──
バシャーーーン!
と、物凄い水飛沫が上がったかと思うと、地底湖から大きななにかが現れました。
「ぴゅっ!?」
な、なんだ?
見るとそれは、5mほどの巨大な……ウナギでした。
……いや、アナゴかもしれないけど、違いがよくわかりません。もっと言うと、全く違う種なのかもしれないし。
まぁ、便宜上、大ウナギと呼称します。
その大ウナギは僕を視界に捉える(目っぽい器官があります)と、声のない声を上げて襲い掛かってきました。
大きく口を開けて、僕を呑み込もうと一直線に身体を延ばしてきたので、僕は横に大きく避けます。
ついでに、〈道具〉から取り出した魔鉄の弓で矢を放ちます。
ドス、ドスと矢が大ウナギの身体に刺さりますが、さほど効いたような感じがしません。
デカイだけありますね。
トントンとバックステップをして、大ウナギから距離を取ります。
あんなのと接近戦なんかできませんから。
──『コンヒューズ』──
──『フィアー』──
──『ブラインド』──
──『ヘビーグラビティ』──
状態異常魔法を撒き散らしますが、さほど効果はない様子。
せいぜい『ヘビーグラビティ』で、動きが鈍くなっただけです。
むぅ……?
ならば!
──『バインド』──
魔力の帯がしゅるしゅると飛び出して、大ウナギを縛りました。
が、すぐに拘束から抜け出ます。
……身体がヌメヌメしているから、ですか?
厄介な……。
大ウナギは身体をくねらせて僕を睥睨すると、再び大きく口を開けて体当たり──かと思いきや、バチバチと身体から火花が散っています。
そして、雷光が放たれました。
マジか、デンキウナギだったのかよ!?
避ける間もなく(というか、そんなの考えるまでもなくムリ)バチィ、と全身に衝撃が走り、吹っ飛ばされました。
……いたい。
痺れる……。
──『キュアオール』──
なんとか回復魔法を使い、身体を癒します。
……兜でわからないけど、コントみたいに髪の毛がチリチリになってたりしないよね?
現実逃避気味に、そんなどうでもよいことを考えていると、また大ウナギ──改め、大デンキウナギがバチバチと火花を散らしています。
マズイ!
──『アースウォール』──
──『メイクメタル』──
地面から土壁が迫り上げられ、それを金属──鉄製に変化させました。
避雷針ならぬ、飛雷壁です──いや、効果あるのかわからないけど、思い付いたのが他にないのでした。
再度、大デンキウナギから雷光が放たれ──バチィ、と飛雷壁によって弾かれます。
はー、助かった……。
これであの攻撃はなんとかなります。
タメの動作が必要なようなので、時間があるから対応できます。
ただ、周囲には水気が多いので、そこには気を付けないといけませんね。
事故が起きる前に、とっとと倒してしまいましょう!
──『マリオネットアーム』──
──『マギマテリアライズアームズ』──
まずは魔力の腕を作ります。
そして、魔法で創った大きな千枚通しを魔力の腕に持たせました。
それをブン、と振り下ろして大デンキウナギの首(?)付近を貫き、地面にウナギごと突き刺します。
間髪を容れずに、〈道具〉から取り出した魔鉄の巨剣を振り下ろして、頭を落としました。
それでは、ウナギの調理を開始したいと思います。
頭を落としてもなおビタビタと暴れまわるウナギの身体を魔鉄の巨剣で叩き、さらに押さえ付けて大人しくさせました。
もう1本の巨剣を、大デンキウナギの腹に突き刺し、思い切り横に引いて、かっさばきます。
胴体が長いので一息ではいけませんでしたが、ぐっぐっと何度か力を入れて捌きました。
そして、肝と中骨を取り除いて、完了です。
──『クリーン』──
血とかがスゴいので、身を魔法で綺麗にしました。
食べられるかわかりませんが、とりあえず〈道具〉に回収しておきます。
ウナギ、ゲットです!
名前 :シータ
種族 :ハイエルフ
年齢 :21
レベル:21(+1)
クラス:冒険者LV.17(+1) 操蛇者LV.15(+1)
生命力:609(280+10)【+29】【+290】
魔力 :0
精神 :67(31+1)【+3】【+32】
敏捷 :100(46+2)【+4】【+48】
幸運 :48(22+1)【+2】【+23】
攻撃力:54(25+1)【+2】【+26】
防御力:54(25+1)【+2】【+26】
スキル:自動治癒
身体強化
劣悪環境耐性
全ダメージ軽減
全状態異常耐性
必中
投擲
弓術
斧術
称号 :フォレストドラゴンの祝福
装備 :魔鉄の弓矢 魔鉄の鉈 魔鉄の巨剣×2 魔鉄のナイフ
ミスリルの小盾
魔鉄の全身鎧
ミスリルの鎖帷子
フード付きの外套
よし、レベルも上がった。
良い感じですね。
このまま先に進むとしましょうか!




