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短めです。
申し訳ありません。
長い、とても長い夕食が終わりました。
僕には、数時間かかったように感じられるほどでした。
対照的に、女性陣は「まだまだ物足りない」という顔をしています。
食べる量ではなく、追及し足りないということですけどね。
……もう勘弁してほしいです。
さて。
場所をシアの工房へと移して、話の続きをすることにします。
内容は、先ほどはできなかった空間転移について、です。
軽くお酒を飲みながら、話します。
ちなみに、ツマミがビーフジャーキーならぬ、オーク肉を使ったオークジャーキーなのですが、クセがなくて意外に美味しいです。
もはや、オークはただの豚肉にしか思えなくなりました。
最初は、魔物だからビクビクしてたのですけどね……。
それはさておき、空間転移です。
いろいろと聞きたいことがあるのですが……。
「空間転移魔術って、珍しいですか?」
「使える魔術士は少ないけど、全くいないわけではないわ」
「どこの国の宮廷魔術士にでも、1人か2人はいるんじゃないかしらぁ……?」
「使えることを黙っている魔術士もいると思うです」
「ぴゅっ」
「そうね、宮仕えしたくない……とか言う理由で、冒険者している魔術士はいると思う」
「隠れて使っていたらわからないものぉ……」
「バレてもすぐに逃げられるのです」
「ぴゅ?」
「冒険者ギルドは、そういうことは把握してないのですか?」
「自分で申告しない限り、無理かしらね。
でも、そう簡単に手の内を晒すことはしないから……」
「仮に知っていたとしても、ギルドとしては、転移魔術が使える魔術士には冒険者として働いてほしいから、わざわざ国に報告するようなことはしないわぁ……」
「便利な能力の持ち主を囲いたいのは、ギルドも一緒です」
「ぴゅ〜」
「じゃあ、もし転移魔術が使えるのがバレたら、捕まえられたり、脅迫されたりして、無理矢理働かされることって……ありますかね?」
「国やギルドが?
んー?
あたしの口からはちょっと言いにくい……」
「わたしたちは、曲がりなりにも貴族だからぁ……」
「それは、後ろ暗いところがあると言っているようなもの、です」
「ぴゅぴゅっ!」
「やっぱり、なるべくなら隠した方が良さそうですね」
「こほん。
まぁ、アレよ。
聞くところによれば、空間転移魔術はそこまで使い勝手の良いものでもないらしいわ」
「大抵の人の住むところには、魔避けの結界が張ってあって、魔術の使用を制限するから、空間転移魔術での侵入を防ぐのよぉ……」
「つまり……例えば、お城にいる王様の目の前に突然現れたりすることはできないです?」
「ぴゅっぴゅ」
「もちろんよ。
それと、一緒に連れて行ける人数も限りがあるから、戦争の際の行軍にも使えないわね」
「だからぁ……便利ではあるけれど、誘拐とか脅迫してまで無理矢理仕えさせるメリットは少ないわぁ……。
ないとは言えないけどぉ……」
「転移魔術が使える魔術士がいる、というだけで、ステータスにはなるです」
「ぴゅっ!?」
うん。
やっぱり、転移魔法を使えるのは隠しておいた方が良いみたいですね。
僕だけでなく、周りの人たちの身の安全も考えたら、そうするべきだと思います。
ふむ?
カモフラージュの必要もあるし、これなら移動用ゴーレムの出番がなくなるなんてことは、当分ないかな?
せっかく作ったんです。
良かった良かった。




