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ドン! ボゥン!
ドン! ボゥン!
シアが引き金を引く度に、ゴブリンやコボルトの頭部が吹っ飛んでいきます。
グロい光景ですが、仕方ありません。
なんせ、腹部があまりにも脆くて魔術弾が貫通してしまい、本来であれば、着弾の衝撃で発動するはずの銃弾型魔道具に付与された魔術が、全く発動しないからです。
だから、固い頭蓋骨に包まれた頭部を狙うことでしか効果が見られず、こうでもしないと試射にならないのです。
これまでの試射で、魔銃が強力な武器であることは確かめられましたが、それは同時に、シアがトリガーハッピーでもあることの確認になってしまいましたが……。
「えと、シアさん?
そろそろ試射は良いんじゃないですか?」
さすがに、もう止めましょう。
……というか、止めないといつまでも撃ち続けそうです。
魔術弾もタダではないし、そもそもそんなにたくさん持ち込んでないのですから。
今日は最初から赤字覚悟で来てますけど、それでも無駄撃ちは控えたいところです。
僕やシアが自作しているからこの程度で済んでいますが、普通の冒険者がこの装備を揃えようと思ったら、たった1度の戦闘で確実に破産しています。
「えー……?
もうちょっとぉ……」
……これはダメだ。
なんか変な依存性が出てないかな……?
「叔母さ……お姉様。
もう十分でしょう。
あまりここで時間をかけてしまうと、最深部まで行けなくなってしまいます」
見かねたヴィッキーが、援護してくれました。
助かります。
「うーん……わかったわぁ……。
でも移動はなるべく、魔物のいる場所を通って欲しいのぉ……。
できれば、限界までこの銃を酷使したいからぁ……」
確かに限界を知ることは重要ですけど……この人の場合、ちょっと違わないかな……?
……まぁ、良いか。
うん、パーティーの戦力が上がったんだ、それで良しとしましょう!
「シア……怖いです……」
「ぴゅ〜……」
後ろでルナとマシロが怯えてるのがわかりましたが、僕にはもうどうすることもできないので、諦めてくださいね。
みんなの武具の確認が終わったので、先に進めることになりました。
正直、ここに出てくる魔物はそこまで強いのはいない(慣れた冒険者なら、1人でも進める程度)ので、サクサクと奥に向かいます。
銃という武器は引き金を引くだけという簡単なアクションで攻略したできますが、訓練が全く必要でないということでもありません。
なので、銃の扱いに慣れてもらうため、さらには戦闘に慣れてもらうため、なるべく魔物との交戦は避けないようにしました。
……決して、シアのリクエストに従ったわけではありません。
一応、予定通りなのです。
想定と違ったのは、シアが戦闘を忌避することがなく、それどころか、意外に好戦的であったことくらいでした。
まぁ、魔物の蔓延っている世界に暮らしているので、それくらいでなければ生きていけないのかな、と思ったりしてますけど……。
にしても……ねぇ?
それはさておき。
僕たちは順調に、奥へ奥へと歩を進めています。
地下1、2階は、ゴブリンやコボルトが多かったですけど、徐々にゾンビやスケルトンといったアンデッド系の魔物が増えてきました。
コイツらは生命力(アンデッドだから変な言い方ですけど)が高く、なかなか倒せません。
特に僕たちのパーティーは、弓矢に細剣、槍、銃はメインなので、ゾンビやスケルトンとは相性が悪いのです。
こういったアンデッドの類いは、身体のどこかに魔核と呼ばれる、人間でいうところの心臓があり、それを破壊すれば倒せるのですが、僕たちの武器ではなかなか難しいです。
点での攻撃ではなく、面での攻撃が有効なんですよね。
「────!」
「ぴゅっぴゅっ!」
──『マギマテリアライズアームズ』──
──『マリオネットアーム』──
ゴーレムに攻撃させるのが最も効果的なので、そうさせていますが、効率が少々悪いので、僕も『マギマテリアライズアームズ』の魔法でハンマーを作り、それを『マリオネットアーム』で後ろから操って攻撃しています。
「はっ!
ああっ、また違う!?」
ヴィッキーは細剣で急所の魔核を狙っていますが、個体によってそれぞれ魔核にある場所が違うので、苦戦しています。
「そりゃ、です!
●□●! 燃えやがれ、です!」
ルナは……なるべく槍で薙ぎ払う攻撃をして集られないようにしてから、竜言語魔術で一掃しています。
彼女が最も安定していますが、竜言語魔術は魔力の消耗が大きいので、無理はさせられませんね。
「アンデッドには効果が薄いから、わたしはジャイアントバットを狙うわぁ……。オークは出ないかしらぁ……?」
シアは既に、アンデッドには撃つのを止めています。
ゾンビは身体が脆すぎて魔術弾が貫通してしまうし、スケルトンなんか骨の隙間を抜けてしまうからです。
頭蓋骨を狙えばなんとか魔術が発動しますが、そこに魔核がなければ足止めくらいにしかならず、完全に弾の無駄使いになるので、早々に諦めてます。
仕方ないので、アンデッド以外の魔物が出たら、そちらを任せるようにしました。
んー?
なんて言うか……パーティーの構成は悪くないと思うのですけど、苦手なタイプの魔物が出てくると、若干苦戦してしまいますね。
たぶんですけど、防御力の高い硬い魔物がいたら、今以上に苦戦しそうです。
攻撃魔術の得意な人がいると良さそうですけど……ないものねだりですね。
今のところは、その役目はルナになるのですが、燃費の悪さが憂慮されるのが頭の痛いところです。
……どこかに魔術師が転がってないですかね?
ふぅ……。
そんなことを考えているうちに、魔物が全滅しました。
──『ディバイドマギパワー』──
消耗したルナの魔力を補充して、少し休憩します。
戦闘中でも補充ができれば、ルナには魔術を撃たせまくるのですが、それは彼女が嫌がるのですよね。
ルナによれば、魔法による魔力の補充は、例えるなら、無味無臭の液体を無理矢理喉に流し込まれているような感覚で、気持ち悪くなるんだとか。
どうしても……という場面でない限り、なるべく戦闘中はしたくない、というのがルナの主張です。
まぁ、それで戦闘の勘、というか、感覚がずれて危険に陥っては本末転倒なので、彼女のやりたいようにやらせていますが。
後衛から固定砲台として魔術を使ってくれれば、そんな問題はどうにでもなると思うけど……。
どうも本人は、後ろから魔術を使うのより、前に出て戦う方を好んでいるようです。
ルナは戦闘狂の気があるみたいだし、シアは銃狂いっぽいし、大丈夫かな、彼女たちは……。
なんやかんやありましたが、なんとか地下5階に到着し、最奥の広間にやって来ました。
ここにボスがいるので、それを倒すとクリアです。
さらに奥へと進むことができるそうですが、そこにはダンジョンコアがあって(ボスはそれを護るために存在しているそうです)、それを壊してしまうとこのダンジョンが崩壊してしまうので、ここを利用している冒険者ギルドからは禁じられています。
もしもダンジョンコアを破壊したら、極刑だそうです。
どういう手段か具体的にはわかりませんが、絶対にバレるそうなので、やらない方が良いですね……壊しても特に何もないみたいですし。
このダンジョンのボスは、ウッドパペットという、見た目は木でできた人形の魔物です。
そんなに強力ではありませんけど、挑んだ人数によって出現するウッドパペットの数が変化するので、大人数で挑めば楽ということはないらしいです。
……まぁ、それでも結局のところ、所詮ウッドパペット程度なので、そこまで苦労はしないそうですが。
僕たちが広間に足を踏み入れると、ガシャガシャと音を立てて、木の人形が組み上がっていきました。
その数は1、2……10体です。
挑んだ人数の2倍と聞いてますので……あれ? 多くない?
「あぁ、もしかして、ウィルフレッドも頭数に入っているのかしら?」
……あぁ、なるほど。
ま、どうでも良いですけど。
「じゃ、行くわよ。気を付けてね!」
「さっさと、殺るです!」
「ああいう無機物の魔物に、魔銃と魔術弾はどこまで効果があるかしらぁ……?
うふふ、楽しみだわぁ……」
「ぴゅぴゅっ!」
「────!」
みんなのやる気も十分ですね!
では、早速、参りましょうか!
──ドガラガッシャァァン!
僕は〈道具〉から魔鉄の巨剣を取り出すと、『マリオネットアーム』に持たせて、魔力の腕をウッドパペットの群れに届くように伸長させます。
そして──全力で薙ぎ払いました!
その結果、大きな破砕音が響き、ウッドパペットたちは全てバラバラに砕け散りました。
……ふぅ、スッキリした!
どうにも今まで、チマチマした戦闘が多かったから、ストレスが溜まってたんですよね。
魔鉄の巨剣を使った一撃も試したかったし、ちょうど良かったです!
「「「「……え(ぴゅ)?」」」」
あとには、4人の呆然とした声だけが辺りに響いたのでした。
名前 :シータ
種族 :ハイエルフ
年齢 :21
レベル:19(+1)
クラス:冒険者LV.15(+1) 操蛇者LV.13(+1)
生命力:560(260+10)【+20】【+270】
魔力 :0
精神 :62(29+1)【+2】【+30】
敏捷 :92(42+2)【+4】【+44】
幸運 :44(20+1)【+2】【+21】
攻撃力:50(23+1)【+2】【+24】
防御力:50(23+1)【+2】【+24】
スキル:自動治癒
身体強化
劣悪環境耐性
全ダメージ軽減
全状態異常耐性
必中
投擲
弓術
斧術
称号 :フォレストドラゴンの祝福
装備 :魔鉄の弓矢 魔鉄の鉈 魔鉄の巨剣×2 魔鉄のナイフ
ミスリルの小盾
魔鉄の全身鎧
ミスリルの鎖帷子
フード付きの外套




