表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/193

72

「────!」


 ウィルフレッド(ゴーレム)の魔力の帯びた咆哮と、手にした金砕棒と大盾を打ち鳴らす音で、多くの魔物──コボルトとグリーンスライムが誘き寄せられました。


 その合間を縫って、僕は弓から矢を放ちます。

 矢は狙いを過たず、一番奥まった場所にいたコボルトの頭を貫き、その勢いは殺されることなく、コボルトごと壁に縫い付けてしまいました。


 ……うん。

 オーバーキルですね。

 7分か8分くらいでも、十分な威力はありそうなので、これからはそうしましょう。


「はっ!」


 ヴィッキーは素早さを活かして、ウィルフレッドに集るコボルトにヒットアンドアウェイでの攻撃を仕掛けています。


 新しい防具になって重量が増したため、若干動きがぎこちないですが、少しすれば慣れるでしょう。


 武器は……まぁ、鉄製のありふれた細剣ですけど、コボルトなら十分ですね。

 一応、僕の魔法で強化されていますから、尚更かと思います。


「魔術、放つです!」


 ルナの掛け声で、ヴィッキーが即座に後退しました。

 間、髪を容れずに放たれた小さめの炎弾が、天井や壁に蠢くグリーンスライムを燃やしていきます。


 その炎弾を追うようにルナは前方に飛び込み、コボルトを短槍で突いていきました。

 中には、持っていた盾で槍を受けるコボルトもいましたが、ルナはクルリと槍を返して石突きの部分で胴を払うと、コボルトは吹き飛びます。

 そのまま立ち上がれずに、胃液を吐いてピクピクと痙攣していますが……まぁ、下手な抵抗するから、ああなるのですね、南無。


 仲間の様子を見て、この戦闘は楽勝かなと考え、僕は後方から飛んできたジャイアントバットを矢で射ち抜きます。


 うむ。

 新しくした武具も満足いく仕上がりですし、もう少しすれば慣熟できるかと思います。


 では、サクサクと参りましょうか!




 僕たちは、初心者向けのダンジョン、通称『草原のダンジョン』に来ています。


 ここでの目的は、ダンジョンがどういうものかを知るためと、新しくした武具に慣れるためです。


 魔力の宿った鉄──魔鉄によって僕たちの装備は更新されて、かなり充実しました。


 特に僕の装備品は、一変しました。

 今まではこう。




装備 :鉄の弓 鉄の鉈 鉄の大剣 鉄のナイフ

    ミスリルの小盾

    鋼鉄の全身鎧

    ミスリルの鎖帷子

    フード付きの外套




 それがこうなりました。




装備 :魔鉄の弓矢 魔鉄の鉈 魔鉄の巨剣×2 魔鉄のナイフ

    ミスリルの小盾

    魔鉄の全身鎧

    ミスリルの鎖帷子

    フード付きの外套




 基本的に、鉄製のものが魔鉄製になりました。

 鉄と同じ程度の重量で、それでいて魔力を宿しているため硬く頑丈になっています。

 完全に、鉄の上位互換ですね。


 ミスリルに比べると重すぎる(と言うか、ミスリルが金属としては軽すぎる)けれど、その分、頑丈という点では勝っているので、どちらを使うかは好みらしいですけど。


 防具に関して、僕の場合は、鉄製の全身鎧でもそこまで重いと思わなかったので、魔鉄製のそれにしました。

 これにより、防御力は(当社比)100%アップです。


 当初、シアは鎧をミスリル製にするつもりでしたが、魔鉄が手に入った以上(そして、入手に苦労しなくなった)、なんとなく鎧は重い方が良いかな、と思うので、当分はミスリル製にすることなく、このまま魔鉄製のものを使いたいと思います。


 武器については、ほとんど鉄製だったので更新されました。


 弓矢は、矢も全て魔鉄製になりました。

 鏃だけでなく、矢柄もです。

 コストの関係から、これまでの矢は鏃を鉄で作り、矢柄は木製でしたが、これからはオール魔鉄(もちろん、矢羽は違います)です。

 これにより、矢の重量が増したから飛距離は落ちますが、弓の方も魔鉄製になったことで、威力その他諸々がパワーアップしているので、問題はありません。


 鉈とナイフは、特に言うことはありませんね。

 普通に、バージョンアップです。


 そして、新たな切り札が完成しました。

 魔鉄の巨剣です。

 これを、『マリオネットアーム』による魔力の腕に持たせ、離れた場所にいる魔物の集団の中央付近まで腕を伸ばして振り回す、という離れ技ができます。


 僕は剣術については、学生時代の剣道の授業くらいしか経験はありませんけど、ただ力任せに振り回すのなら、特に問題はありません。

 また、この巨剣は刀身は分厚く幅広なだけあって、鉈に近いものとして扱われるようで、スキルの【斧術】の影響を受けるらしく、振り回すのがとてもスムーズになります。

 それが2振りですので、ぶっちゃけ、かなり危険なものに仕上がったかと思います。


 ただ、欠点もあって……狭い場所では扱いにくいものになってしまいました。

 重量を存分に利用するために、大きく振りかぶった方が威力が増すからです。

 精々、突き刺すくらいしかできないでしょうし、場所によってはそれすらもできないのですから、使いどころを間違えないようにしないといけませんね。


 僕の装備品はこのくらいです。


 ヴィッキーは変更点は僅かで、革鎧の補強に魔鉄が数ヵ所使われているくらいです。

 武器ですが、彼女のメインウェポンは細剣です。

 細剣は、軽さを活かして手数できない攻撃するのがウリです。

 これを魔鉄製にすると、重量の点から使い勝手が非常に悪くなってしまうそうで、ミスリルが手に入るまで、更新はお預けになってしまいました。


 ルナは、防具はヴィッキーと変わらないですが、武器である槍が換わりました。

 魔鉄製になったことで、重量が増加して、打撃武器としても高性能なものになりました。

 かなり重くなったので、2m弱の長さの短槍となってしまいましたけど、その分、強力になったと思います。

 ……まぁ、リーチがあった方が良いときもあるので、柄が木製で穂先のみ魔鉄製にした長槍もあります。

 どちらを使うかはそのときの状況次第ですが、使い分けできるのは良いですね。


 そして、最後にシアです。

 シアはクラフトマスターという職業(クラス)で、生産に特化しているため、戦闘に関しては今までは後ろで見ていることしかできませんでした。

 魔術も基本的なものしか使えず、自分の身も満足に守れないので、僕としては街で留守番をしていて欲しかったのですが、本人の強い希望で一緒に付いてきていたのです。


 そこで、シアでも扱える強力な武器はないものか、と2人で悩んでいましたが、ここはやっぱりシンプルに銃器かな、と考え付いたのでした。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ