105
案ずるより産むが易し、と言いますか。
思ったよりも簡単に、ヴィッキーたちを見付けることができました。
謁見の間から10分ほどのところに寝室があり、そこにある大きなベッドに3人は寝かされていたのです。
……いや、10分も歩かされたのだから相当な広さなんですけど、実はもっと時間がかかると踏んでいたので、こんなものなのか、という感想が思い浮かびます。
寝室は広くて置いてある調度品が良く、如何にもなものでした。
僕には品が良すぎる気がして逆に夢見が悪そうですが……眠っていれば気にならないのですかね?
ベッドがやたらに巨大で、キングとかクイーンを通り越しているような気がします。
ここだけで生活できそうですよ。
こんなに大きくて、どうするのでしょうか?
そんなことを考えながら、ローズマリーさんをベッドの上に寝かせます。
軽かったので負担はないのですが、起こさないようにソッと運んだので、なんか気疲れしました。グリグリと首と腰を回します。
もう歳かなぁ……いやいや、まだ若いよね。
あんな激戦をしたから、疲れただけなのです。
みんな眠っているし、僕も少し睡眠を取りましょう。
うん、そうしましょう。
──『ドレスチェンジ』──
魔法で全身鎧から、動きやすい普段着に着替えました。
このときの解放感は堪らなく好きなのです。
一瞬で着替えられるなんて、この魔法は最高ですね。
もう一度ローズマリーさんを抱えて、ベッドの中央付近に行きます。
なにも端の方で寝ることはありませんから。
あー、ローズマリーさんの服がこのままだと皺になりそうですけど……まさか僕が着替えさせるわけにもいきません。
替えの服もないし、申し訳ないけど、このままで。
フカフカのベッドの上に適当に寝転びました。
5人もいるけど、手足を伸ばしていてもまだまだ余裕があります。
室温も適温ですし、目を瞑ると意識がどっかにいっちゃいそうです。
「ぴゅ〜……ZZZ」
もふもふのマシロを抱き締めて、あふ、とアクビを1つ。
もうダメです……おやすみなさい。
夢と現の間で、なにかが腕を掴んでくる感触がありました。
柔らかさと適度な弾力、そして程好い温もりがあります。
この感触は……女性ですね。
寝惚けているのは自覚していますけど、そのくらいはわかりますよ。
えと……今、僕の傍にはヴィッキーたちがいたはずです。
んー?
だとしたらこれは誰でしょう……ヴィッキーじゃないし、シアでもなさそうだから、ルナかな?
前者の2人なら、もっと大きいはず……なにがとは言わないですけど。
いや、ルナだって小さくはないけれど、あの2人にはさすがに敵わないのです。
ふむ?
なんだか……ムズムズしてきました。
自分では淡泊な方だと思っていましたので、あまりこうなることはないのですけど……?
そういえば、生命の危険を察知した後というのは、子孫を残そうとして本能的にそういう欲が出てくるそうですが、今の僕のこの状態もそうなのかな?
だとしたら、それを拒否することなんてできないですよね?
三大欲求に逆らっちゃいけません。
まぁ、相手に拒絶されたら、それは我慢するしかありませんけど……僕が今、さわさわと身体を触ってもくすぐったそうにはしていても、嫌がっている感じはありません。
これはGOサインが出たと思って良いはず。
尤も、ルナなら拒否することなんてありませんから、これは一種の様式美みたいなものなんですけど。
ごそごそと服を脱がしにかかります。
着たまま、というのも悪くはないですけど、こういう服を脱がす行為も良いものです──そのついでに、いろいろと触るのが特に。
「……う、ん? えぅ……? ……な、ちょ、ちょっと待って!」
んー、待たないですよー。
「ひゃう!? ま、待ってって! いや、ちょっ!?」
あれー、イヤなんですかー? なら、やめますけどー?
「ぅうん、いや……い、イヤとはちがくて……その、こ、困る……。せめて……その、お風呂に……だな?」
なら、問題ないですねー。おいしそうな良い匂いですしー。すぅー……っと。
「におっ!? か、嗅ぐな!? ぁう……」
いろいろと堪能したところでー。
ではではー。
いただきまーす!
「いや……ちょ……待っ──────!?」
んー?
なんか……小さい気がするけど……もしかして、ルナ、縮んだ?
……そんなわけないかー、気のせいですよねー、まだ寝惚けてるのかなー?
あれ?
あれあれ?




