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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
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第七十四話 赤身肉のステーキ

今日は74話、75話を更新です。
 冒険者ギルドに到着すると、真っ直ぐヨハンのおっさんのところに行く。
 ギルドマスターは件のお貴族様のところに話をしに行ったため今日はいないのだ。
 ギルドマスターからもブラッディホーンブルの群れの討伐したら事情がよく分かっているヨハンのおっさんのところへ行けと言われていた。
「すいません」
「おう、兄さんか。ギルドマスターから話は聞いてるぞ。こっちだ」
 お馴染みの倉庫に向かう。
「今日はブラッディホーンブルだったか?」
「はい。群れなんでたくさんいるんですか……」
 そう断ってからブラッディホーンブルを出していく。
 1頭、2頭、3頭、4頭、5頭、6頭、7頭…………25頭、26頭、27頭、28頭、29頭、30頭……。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待てっ」
 ヨハンのおっさんが焦ったようにストップをかけた。
「もしかして、まだあるのか?」
「ええ、まだいますね。全部で58頭いますよ」
「ご、58頭だとっ?! 随分とデカい群れだったんだな。普通は多くても40頭前後なんだが……」
 え、そうなの?
 随分いるなとは思ったけど、群れならこれくらいるもんなのかって不思議には思わなかったけど。
「まぁ、兄さんだからな」
 え、何それ。
 俺のせい?
 ってか、獲って来るのはフェルなんですけど。
「しかし、58頭とは、こりゃ大仕事だな」
 すんませんです。
「肉の半分はギルドに卸しますんで、お手数掛けますがよろしくお願いします」
「分かってるよ。ギルドマスターからも兄さんの分を最優先でって言われてるからな」
 あ、そうだ、ちょっと考えてることもあるから皮も1枚戻してもらうように言っとかないとな。
「あのブラッディホーンブルの皮も1枚こっちに戻してもらえますか」
「おう、分かった。肉が半分に皮1枚を戻して、あとはこっちで買取ってことでいいかい?」
「はい、それでお願いします」
「頭数が多いからな、そうさな明々後日には渡せるようにしておく」
「分かりました。また明々後日に来ます」
 そう言って倉庫を後にしようとしたのだが、今まで寝そべって我関せずだったフェルがのそりと立ち上がって『待て』と声をあげた。
「ん、どうしたフェル」
『ぬ、あれの肉はどうした?』
「頭数が多いから明々後日だって」
『じゃあ、今日はあれが食えぬのか?』
 そう言ってどことなくシュンとしてしまったフェル。
 今のところ肉はたっぷりあるから気にしてなかったけど、フェルは早くブラッディホーンブルが食いたいんだな。
 しょうがないなぁ。
「すんません、1頭だけ先に肉もらってもいいですか?」
「ハハッ、いいぞ」
 それからヨハンのおっさんが1頭解体してくれた。
「この分の皮はどうする? 一緒に持っていくか?」
 そうだな、どうせならもらっていくか。
 1頭分の皮と肉を受け取って俺たちは冒険者ギルドを後にした。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 宿に戻るとフェルとスイが腹が減ったと言い始めた。
 そろそろ飯時だし、言うと思ってたぜ。
「フェルは当然ブラッディホーンブルがいいんだよな?」
『うむ』
 そうなると、やっぱりステーキだな。
 久々の牛だし。
 しかも、ブラッディホーンブルの肉は綺麗な赤身肉でステーキにしたら美味そうな肉なんだよ。
 ではステーキを焼きますか。
 まずは油をひいたフライパンを強火で熱々に熱してと。
 強火で熱ーくしておくのがポイントだ。
 ミディアムレアくらいが個人的には一番美味いと思うから、それくらいで焼いていく。
 焼く直前に肉に塩胡椒をふる。
 直前に塩胡椒しないと肉の旨味が流れ出ちゃうから注意だな。
 まずは強火で1分くらい焼いて、火を少し弱めて1分くらい焼く。
 反対の面も同じように焼く。
 焼けたら皿にとって、ラップかアルミホイルをかけて5分くらい置く。
 これを聞いて試してみたら、余熱で火もいい感じに入って肉も柔らかくなって美味くなった。
 厚めの赤身肉のステーキを焼く場合、俺はこうしてる。
「焼けたぞ~。まずは塩胡椒でな」
 待ってましたとばかりにフェルがガツガツ食い始める。
『うむっ。美味いな』
『うん、このお肉美味しいね』
 スイも気に入ったみたいだな。
 では、俺も。
 おー、噛み締めるごとにジュワッジュワッと赤身肉の旨味が口に広がる。
 こりゃ美味いわ。
 噛み締めるごとに広がる肉汁が肉食ってるーって感じ。
 やっぱ牛は美味いね~
 次はステーキ醤油をちょろっとかけて食ってみる。
 塩胡椒だけでも美味いけど、日本人にはやっぱ醤油だね。
 めっちゃ美味いわ。
『『おかわり』』
 2人がそういうのも当然だな。
 この肉美味いもん。
 追加のステーキを焼いていく。
 今度はもちろんフェルが大好きなステーキ醤油をかけてだ。
 この日俺たちは、ブラッディホーンブルの肉を心行くまで味わった。
『ふ~、すんごく美味しいお肉だった。スイ、お腹いっぱい』
『我も満足だ。しかし、あれだな。もう余程のことがない限り、肉を生で食おうとは思わんな。やはりお主に料理してもらってからの方が美味い』
『スイもあるじの料理大好きー』
 おだてても何にも出ないぜ。
 でも、俺がこの世界でこうして無事でいられるのもフェルとスイのおかげでもあるからな。
 せいぜい美味いもの作って食わせてやるぜ。




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