第四百三十話 目がチカチカ
今回はドロップ品にこんなもんがあったんだ程度にサラ~っと読んでいただければと。
懸案だった神様へのお供え(テナント問題とも言うかな)も済んで、今日はダンジョンのドロップ品の整理に充てようと思う。
トリスタンさんもきっとやきもきしているだろうし。
正直なところドロップ品が多過ぎて面倒だけど、それも他の冒険者からしたら贅沢な悩みだもんな。
「さてと、やるか」
膝をパンと叩いて気合を入れた。
『あるじー、何やるのー?』
「ダンジョンのドロップ品の整理だよ。何があっていくつあってって確認していくんだよ」
『面白そー。スイもお手伝いするー!』
「スイ、ありがとな~。そう言ってくれるのはスイちゃんだけだよ。それに比べて……」
朝飯を食ったあとは我関せずでさっさとゴロンと寝てしまった連中。
「熟睡かよ」
スピスピ気持ちよさそうに寝ているフェルとドラちゃん。
「まぁ、どっちにしろ整理するのには役に立ってくれそうにはないからいいけどさ」
『あるじー、早くやろうよー』
「そうだな。それじゃスイはいくつあるか数えてくれるかな」
『分かったー』
このアイテムボックスは便利だけど、入れた順に入っているものがリストになって表示されるだけで数まではわからないからなぁ。
ある程度は自分で把握しておく必要がある。
「えーとまずは最初に探索を開始した20階層の分からだな」
ガーゴイルのドロップ品の種類もまちまちの極小粒の宝石がたくさん。
アクアマリンにガーネットにアメシスト、ターコイズ、ムーンストーン等々。
とりあえず宝石の種類ごとに出していく。
『この青いのがねぇ、いちー、にー、さーん、よーん、ごー、ろーく、なーな、はーち、きゅう、じゅー、えっとえっと次がー。……あるじー、じゅーの次ってなぁに?』
スイの無邪気な問いにガクリとした。
戦闘力だけはフェルやドラちゃんにも引けを取らないスイだけど、そういやまだまだお子ちゃまだったよね。
お風呂に入ってても10以上になると数えられなくなることが多いし。
数えてもらうのは無理として、そうなるとスイの仕事がなくなっちゃうな。
それ言うと泣いちゃいそうだし……。
あっ、そうだ。
俺はアイテムボックスからあるもの取り出した。
「数は俺が数えるから、スイは俺が数え終わったのをこの麻袋に入れてもらえるかな」
『うん、いいよー』
「おっと麻袋に入れるなら……」
ネットスーパーで油性のマジックペンを購入した。
「宝石の名前と個数を書いた麻袋に入れておけば分かりやすいよな」
まずはアクアマリンが1、2、3、4、5…………。
………………
…………
……
「ふぅ、終わった終わった」
『フン、我らまで手伝わせおってからに』
『そうだそうだ。昼飯の後も寝て過ごす予定だったのによー』
「ハイハイ、ブツクサ言わないの。ってかまた寝ようと思ってたって寝過ぎだからねお前ら」
昼飯だと起きてきたフェルとドラちゃんに急かされて、簡単に市販の生姜焼きのタレを使ってオーク肉の生姜焼き丼で昼飯を終えたら、なかなか終わらないドロップ品の整理にフェルとドラちゃんも駆り出したのだ。
『あのね、あのね、スイはお手伝い楽しかったのー!』
「誰かさんたちと違ってスイはいい子だね~」
『エヘヘ~、いい子って言われちゃったー』
スイが嬉しそうにポンポン飛び跳ねていた。
フェル、ドラちゃん、スイに手伝ってもらいながら整理したドロップ品がこんな感じだ。
ちなみに肉とヴィオレットベリー、それから俺が身に着けている宝箱から出た解呪のペンダントを除いてある。
アクアマリン(極小粒)×22
ガーネット(極小粒)×11
アメシスト(極小粒)×13
ターコイズ(極小粒)×16
ムーンストーン(極小粒)×21
シトリン(極小粒)×15
ラピスラズリ(極小粒)×14
ローズクォーツ(極小粒)×10
キャッツアイ(極小粒)×9
アクアマリン(小粒)×2
アメシスト(小粒)×1
シトリン(小粒)×3
ルビー(小粒)×1
サファイア(小粒)×1
エメラルド(小粒)×1
オニキス(小粒)×72
ヒスイ(小粒)×81
オニキス(中粒)×9
ヒスイ(中粒)×13
ゲイザーの魔石(極小)×29
トパーズ(中粒)×16
エメラルド(中粒)×10
アベンチュリン(中粒)×18
ペリドット(中粒)×15
サンストーン(中粒)×21
サファイア(中粒)×9
アゲート(中粒)×23
アメシスト(中粒)×18
ルビー(中粒)×8
ダイヤモンド(大粒)×4
ルビー(大粒)×2
オパール(大粒)×2
マラカイト(大粒)×3
モルガナイト(大粒)×2
エメラルド(大粒)×2
ストーンゴーレムの魔石(極小)×22
アイアンゴーレムの欠片×44
アイアンゴーレムの魔石(小)×44
オーガの皮×122
オーガの角×93
オーガの魔石(極小)×31
レッドオーガの皮×14
レッドオーガの角×6
レッドオーガの魔石(中)×20
ブルーオーガの皮×11
ブルーオーガの角×3
ブルーオーガの魔石(大)×14
グリーンオーガの皮×18
グリーンオーガの角×6
グリーンオーガの魔石(小)×24
ブラックドッグの皮×58
ブラックドッグの魔石(小)×24
ギガントミノタウロスの皮×196
ギガントミノタウロスの角×180
ギガントミノタウロスの魔石(大)×470
ヴァンパイアモスキートの口器×265
ヴァンパイアモスキートの羽×284
ヴァンパイアモスキートの麻痺毒×169
グリーンロングホーンビートルの甲殻×4
レッドロングホーンビートルの甲殻×3
ジャイアントブラックロングホーンビートルの甲殻×1
ジャイアントブラックロングホーンビートルの魔石(小)×1
ポイズンイヤーウィグの麻痺毒×3
ジャイアントホースフライの羽×4
ポイズンスネイルの腐食毒×6
フォレストアーミーアントの顎×528
クイーンフォレストアーミーアントの顎×1
クイーンフォレストアーミーアントの魔石(極小)×1
ジャイアントキラーマンティスの鎌×14
ジャイアントキラーマンティスの魔石(小)×3
パラライズバタフライの麻痺毒の鱗粉×6
ヴェノムタランチュラの糸×27
ヴェノムタランチュラの毒袋×16
ジャイアントセンチピードの外殻×8
ジャイアントセンチピードの魔石(小)×3
ギガントヘラクレイオスビートルの甲殻×1
ギガントヘラクレイオスビートルの魔石(大)×1
カイザースタッグビートルの甲殻×1
カイザースタッグビートルの魔石(大)×1
4アームズベアーの毛皮×1
4アームズベアーの肝×1
4アームズベアーの爪×1
4アームズベアーの魔石(特大)×2
レッドボアの皮×18
レッドボアの牙×6
コカトリスの羽×23
ロックバードの嘴×16
ロックバードの羽×24
ジャイアントドードーの嘴×8
ジャイアントドードーの羽×13
ジャイアントドードーの魔石(極小)×2
ジャイアントディアーの皮×9
ジャイアントディアーの角×8
ジャイアントディアーの魔石(極小)×1
ジャイアントホーンラビットの毛皮×3
ジャイアントホーンラビットの角×4
ジャイアントホーンラビットの魔石(極小)×1
ワイルドエイプの毛皮×28
グレートウルフの毛皮×8
グレートウルフの魔石(小)×8
レッドタイガーの毛皮×4
レッドタイガーの魔石(小)×4
フォレストパンサーの毛皮×3
フォレストパンサーの魔石(中)×3
マーダーグリズリーの毛皮×6
マーダーグリズリーの肝×2
マーダーグリズリーの爪×4
マーダーグリズリーの魔石(大)×6
タイラントゴリラの毛皮×1
タイラントゴリラの心臓×1
タイラントゴリラの魔石(大)×1
ズラトロクの角×4
ズラトロクの蹄×4
ズラトロクの毛皮×2
ズラトロクの魔石(特大)×2
宝箱の宝石類
金の延べ棒×16(20階宝箱)
ダイヤモンドのペンダントヘッド×1
ダイヤモンドのイヤリング×1
ルビーの指輪×1
宝石が散りばめられたブレスレット×1(上4つ含め34階宝箱)
いやぁ、多いね。
まだ途中だってのに整理したらこんなにあった。
ある程度選んで拾ってきたつもりなんだけどなぁ。
放棄して拾ってこなかったドロップ品もけっこうな数あったしさ。
ただ隅々まで探索していない階が多かったからか宝箱は少なめ。
その代わり、このダンジョンの特産とも言えるドロップ品の宝石が目がチカチカするほど多かった。
ガーゴイルにゲイザーが小さめのものだけどポロポロ落としていったからなぁ。
ストーンゴーレムになるとそれなりに見栄えのする中粒を落としていったし。
しかも、ガーゴイルもゲイザーもストーンゴーレムも、たまに当たりっぽいのでちょっと大きめのものが出たりしたしさ。
種類も数もけっこうあるから、トリスタンさんにも喜んでもらえると思う。
俺的には宝石には興味ないから全部買い取ってもらえるとありがたいんだけどね。
まぁ、それはさておき……。
「一段落したし、夕飯にするか」
『うむ。仕事を手伝わされたのだから、豪華に頼むぞ』
『おっ、それいいな』
『豪華なご飯~! スイ、いーっぱい食べるー!』
「ハハハ、豪華か。ちょっと思いついたのもあるし、よし、ドロップ品を使っていっちょ作ってみるか」




