挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

383/391

第三百六十五話 神様ズのリクエスト

 孤児院に頼んだパンを明日の夕方受け取りに行って、明後日にはカレーリナの街に出発できるかな。
 夕飯を済ませて、コーヒーを飲みながらホッと一息つきながらそんなことを考える。
 フェルたちはというと……。
『うむ、やはりこの白いのは美味いな』
『やっぱこれだよこれ! プリン最高~』
『あまぁいケーキ、どれもおいしーねー』
 食後のデザートに夢中だ。
 実は俺の分も買ってしまった。
 秋フェアをやっていて、日本は秋かぁなんて思っていたらモンブランが目に付いてついつい秋の味覚が食いたくなってな。
 コーヒーとともにモンブランをパクリ。
 うむ、美味い。
 この栗のクリームが実に美味い。
 栗の風味をしっかり残しつつ甘すぎずで、コーヒーにもよく合う。
 モンブランをパクつきながら明後日にはこの街ともお別れかなどと考えていると……。
「あれ? 俺、何か忘れているような……」
 何だったっけな…………、あっ!
 思い出した!
 神様ズだよ、神様ズ。
 前回のお供えからそろそろ1か月経つ。
 もうそろそろやきもきしている頃合だろう。
 寝る前にでもみなさんたちからリクエストを聞いておくか。
 そんで明日、夕方孤児院に行くまで暇だしその間に用意しておくことにしよう。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「みなさん、いらっしゃいますか~」
 そう声をかけると、大勢のドタドタドタっという足音が聞こえてきた。
『やっと、やっと……。待ってたのじゃーっ!』
『待ってたわよ~』
『よっ、待ってたぜー』
『……待ってた』
『ウイスキーッ、ウイスキーじゃ!』
『クーッ、待ってたぜ!』
 なんだか一部切羽詰っている方がいるのですが。
「えーっと、今日はとりあえずリクエスト聞くだけですからね。明日の昼間に用意して、夜お渡しする予定ですから」
『そ、そうなのかぁぁぁっ』
『馬鹿ね~、ニンリルちゃんたら』
『だな。ってかよ、そもそも計画性もなくもらったもん食い散らかしたのが悪いんじゃねぇの?』
『……自業自得』
『ま、それを言うなら、そこの酒好きも同じようなもんだけど』
『クッ……、反論できんが、この馬鹿者と同列に語られるとは屈辱じゃ』
『半月ちょいであの量を全部食いきったニンリルと一緒にすんな。これでも俺たちだって保たせた方なんだぜ。終に3日前になくなったけどよぉ』
 …………ニンリル様ェ。
 大酒飲みの酒好きコンビにまで屈辱とか一緒にすんなとか言われちゃってるし。
『うぅぅぅぅ、うるさいのじゃっお前たち! だって、だって、美味しかったんじゃもん! しょうがないじゃろぉぉぉっ』
 逆ギレしてるよ。
 ずっと残念な女神様だとは思ってたけど、ポンコツっぷりがさらに増してきてるのは気のせいなんだろうか?
 というかだ、あの量を半月ちょいで消費しちゃったのかよ。
 恐ろしい。
 ニンリル様、体重は大丈夫か?
『フフフフフ、それが聞いてよ。異世界人クンと出会ってニンリルってば太ったんだけど、幸いと言えるかどうかわからないけど謹慎中に元に戻ったのよね。それなのによ、ここ1か月でまた太ったの。しかも、前よりも太って頬なんかプニプニよ』
『うんうん、ニンリルは認めねぇけどキシャールの言うとおり絶対前より太ったよな』
『……おデブ』
『ふむ、そう言われると、ニンリルは以前よりもふくよかになった気がするな』
『確かに』
『ぬぉぉぉぉぉっ、お主らっ、よってたかって妾にだけそんなこと言いおってからに! わ、妾は太ってないのじゃ! そ、そりゃ、ほんのちょっと、ほんのちょーっとだけ増えたかもしれんが、太ってはいないぞ! 本当なんだからな! それに、ルカッ! お主、言うに事欠いて妾をデブじゃとっ?!』
『本当のこと。だって、服がきつそう』
『クッ……、こ、これはっ、そ、そ、そ、そのっ、ええと、そ、そう、たまたま、たまたまじゃっ』
 ……ニンリル様、たまたまて。
 その言い訳はさすがに苦しいと思うんです。
「えーっとですね、ま、まぁ、ニンリル様は女神様なので、糖尿病とか成人病とかとは無縁だとは思いますけど、ほどほどに」
『わ、分かっておるわっ』
「ということで、みなさんからリクエストを聞いていきたいと思います」
『ハイハイハイハイッ、妾じゃっ! いつもの順番なら当然妾からじゃなっ!』
 人一倍テンションの高いニンリル様。
 他の神様ズも半ば諦めているようで『さっさと話させて黙らせるのが1番』とかコソコソ言っているのが聞こえてきた。
『認めるのは癪だけど、前より多少し太りはしたけどニンリルちゃんって黙ってさえいれば絶世の美女なのにねぇ。本当、残念な子だわぁ』
『ククク。キシャール、そんなしみじみ言うなよ。その方がかわいそうだろうが』
『だけど、アグニだってそう思うでしょう?』
『いや、まぁそうだけどよ』
『ニンリルはポンコツ。神界にいる神々はみんな知ってる』
 ちょっとちょっとニンリル様、キシャール様とアグニ様、ルカ様からも散々に言われてるよ。
 全然聞こえてないみたいだけどさ。
『やっぱり妾はどら焼きは外せないのじゃ。あれは美味しい。毎日食べても飽きないのじゃ。それと不三家のケーキじゃな。あれもいい。いろんなケーキがあって、どれも美味しいからのう。じゃからいろんな種類のケーキが欲しいぞ。そうだ! また新しいのが出てたら……って、お主、聞いているのか?! 妾は今大切な話をしているのだぞ!』
 大切な話って、ほぼニンリル様が食いたいものの話だよね。
 こんなんなんだもん、ニンリル様が絶世の美女と聞いても想像つかないわ。
「はいはい、ちゃんと聞いてますから大丈夫ですよ。どら焼きと不三家のケーキでしょ」
『うむ。新しいのが出てたらそれもだぞ!』
「分かってますって。新作が出てたらそれもってことですね。残りは適当に選んじゃっていいですか?」
『うむ。あ、当然残りも甘味じゃからな! よろしく頼むぞ!』
「はいはい、分かってますよ」
 いつものことではあるけど、ニンリル様のお供えは見ているだけで胸焼けする甘味だらけになりそうだ。
『次は私、キシャールよ。私がお願いしたいのは、いつもの洗顔フォームと化粧水とクリーム、それからシートパックね。それから……』
 キシャール様のリクエストとしてはいつものちょいお高めの洗顔フォームと化粧水とクリームとシートパック一式と顔用の美容製品で何かいいものをというものだった。
 シャンプー&トリートメントについては、この間詰め替えも一緒に渡したこともあってまだまだ大丈夫とのことだし、ボディソープについても何本か渡してあるのでこれも大丈夫とのことだった。
 そうなると、やっぱり欲しいのは顔用の美容製品とのこと。
 キシャール様が言うには、高保湿の美容液とか、とにかく効きそうなものをお願いとのことだった。
 俺にそんなことを言われてもって感じなんだけど、これはネットスーパーを見ながらキシャール様のご希望に沿うようなものをできるだけ選ぶようにするしかないだろう。
 キシャール様のリクエストを聞いて次はアグニ様。
『俺は当然ビールだ! いつもの青いやつと金色のやつは箱で頼む。あとはな、この間のいろんなビールが入ってたのも良かった。あんな感じでいろんな種類が入ってるのも悪くないな』
 いろんなビール……、あっ、地ビール飲み比べセットか。
 ああいうのが良ければ、地ビールの飲み比べセットは他にもいくつかあったし、海外のビールの飲み比べセットなんてのもあったからそういうのを入れるとするか。
『あとはビールに合う食いもんがあるといいな。ほら、この間お前が作ってた内臓の焼いたのとかさ、あれなんてビールに合いそうなんだよなぁ』
 ええ、ホルモン焼きはビールにバッチリあいます。
 肉ダンジョン祭りで俺が作ったホットドッグもビールと相性いいよな。
 旅の間の飯でソーセージは作ってなかったから、それも兼ねて明日作ってもいいかもな。
 その他にもビールに合う料理として簡単なものをいくつか作ってビールとともに献上するとしよう。
『あとの残りはもちろんビールでな。どんなビールにするかはお前に任せるからよ、美味いの頼むぜ!』
 初めてだった地ビールの詰め合わせも気に入っていただけたようだから、新しい銘柄を中心に選んだほうが喜ばれるかもしれないな。
 ま、その辺は困ったときの“リカーショップタナカ”頼みだな。
『次は私。私はやっぱりアイスがいい』
 ルカ様はアイスが大のお気に入りのようで、今回のリクエストもアイス中心だ。
 聞いていくと、いろんな味のアイスが食べてみたいとのこと。
 今までは不三家のカップアイス中心だったから、今回はネットスーパーからも選んでいこう。
 あとはカットケーキも欲しいとのことで、ニンリル様と同じく新作をご所望とのことだった。
『それからご飯も欲しい。旅の間用にあなたが作ってたの美味しそうだった。あれ全部欲しい』
 おおぅ、ずっと見られてたのかよ。
 まぁ、旅の間の飯はたっぷりめに作ったからルカ様の分くらいは出せるからいいけど。
 最後は当然この2人、ヘファイストス様とヴァハグン様だ。
『やっと俺たちの番だな』
『俺たちは2人で次はどれがいいかあれこれ話してたからな。だいたい決まってるぞ』
 ウイスキーを飲みながら2人で次は何を頼むかって話にも花を咲かせていたようで、リクエストはある程度は決まっているようだ。
『まずはいつもの世界一のウィスキーだな。これは儂も戦神のも好きじゃから1本ずつじゃな』
『ああ。残りは俺たちが今まで飲んだ事のないウイスキーで頼むぞ』
『うむ。いろんな味を試したいからな。それと、できるだけ多くの種類を頼む』
 ということは値段の高いものというよりは、そこそこの値段のものをたくさんということか。
 こちらも“リカーショップタナカ”頼みだな。
「それでは、明日の夜お渡ししますね」
『うむ、妾の希望したもの忘れるでないぞ!』
「分かってますよ。メモもとってますから大丈夫ですって」
 ネットスーパーで購入したメモ用紙にみなさんのリクエストはちゃんとメモしたから大丈夫だよ。
『それじゃ、楽しみにしてるわね~』
『また明日な!』
『明日』
『楽しみにしてるからのう!』
『頼むぞ!』
 こりゃ予想外に明日は忙しくなりそうだな。




+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ