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第三百四十五話 とれたて野菜でBBQ

『とんでもスキルで異世界放浪メシ』第1巻&第2巻またもダブル重版決定です!

お買い上げいただいた皆様、本当にありがとうございます!

これも読んでいただいている皆様のおかげです!

本当に本当にありがとうございます!

 手分けしてBBQの準備に取り掛かる。

 アイヤ、テレーザ、セリヤちゃんに野菜類を切ってもらう。

 レタス、キュウリ、トマトは、新鮮なまま生で食うのが1番ということでサラダに。

 ナスは皮付きのまま焼いて焼きナスにして、トウモロコシも焼いて蒸し焼きにするからそのままだ。

 カボチャは大きくて皮が固いから俺が切り分けた。

 前ならカボチャを切るのに苦労してたけど、レベルが上がったからなのか力を入れなくてもスパンと切れたよ。

 カボチャは種を取って薄切りにして皮ごといただく。

 色も濃くて甘そうなので、食うのが楽しみだ。

 あとは肝心な肉だな。

「みんな、このブルーブルとオークの肉をこんな感じで切ってもらえるかな」

 フェルたちがいるうえに大人数だからね。

 3人には大量の肉を切ってもらう。

 俺はその間にもう1つの肉を仕込むことにする。

「ロックバードの肉であれを作る!」

 残っていたロックバードの肉を全部使って作ることにしたのは、ジャマイカの郷土料理のジャークチキンだ。

 美味いって噂を聞いてネットで調べて作ってみたら、これが美味かったんだ。

 久々に食いたくなったし、炭火で焼いたらさらに美味くなりそうだしね。

 今はいいものが出てて作るのも簡単だ。

 まずは、材料をネットスーパーで仕入れる。

 レモン、タマネギ、ニンニクそれから味の決め手のジャークチキンシーズニングを購入。

 このジャークチキンシーズニングには粉末状のものとドロッとして瓶に入ったものがあるんだけど、味がよく馴染むってことで瓶の方がおすすめかな。

 ついでにブルーブルとオークの肉につけるロングセラーの馴染みのある焼き肉のタレとBBQコンロに使う木炭も一緒に購入した。

「さて、ジャークチキンを作りますか。と言っても、そんなやることないんだけどね」

 まずは、ロックバードの肉にフォークでブスブスと穴を空けたあとにレモン汁を肉に振りかけて馴染ませておく。

 あとはすりおろしたタマネギとニンニクとジャークチキンシーズニング、それから手持ちのハチミツを少々入れて混ぜたものをビニール袋に入れて、そこにロックバードの肉を投入して味が染み込むように少し揉んだあと漬け込んでおけば準備完了だ。

「よし、みんなのところに行こう」

 大量の食材をアイテムボックスにしまうと、みんなの下へと向かった。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「よーし、みんなタレは回ったな」

 つけダレの器とフォークは各自持参してもらった。

「ここら辺の肉は焼けてるから、自由にとってタレにつけて食っていいぞ。あとこのカボチャも大丈夫だ。今ちょこっと味見してみたけど、甘いからこのままでもいけるぞ」

 フェルとドラちゃんとスイの分の肉を皿に取りながらみんなにそう言った。

「はい、どうぞ」

 フェルたちの前にタレをかけた肉を出してやると、嬉々として食い始める。

『うむ、美味いぞ』

『やっぱり炭火で焼いた肉はウメェな』

『おいしー』

 炭火で焼いた肉はやっぱり一味違うよな。

「美味しい!」

「少し香ばしく焼けた肉が美味いな」

「このタレにつけると本当に美味しいね」

 トニ一家とアルバン一家は和気あいあいという感じで、肉をつついている。

 警備陣はというと、うん、無言のまま肉をかっ食らっているな。

 おいおい、そんな急いで食わなくてもまだまだあるからね。

 って、よく見ると若干2名泣いてるな。

「おい、肉はやっぱりウメェな……」

「ああ、肉はいい……」

 ブルーブルの肉を口いっぱいに頬張り、アホ2人が感動している。

 そんなに泣くほど肉好きなのに、2人はやっぱりオーク肉には手を出していない。

 この間のことがよっぽどトラウマになったんだな。

 ま、今はダメでもそのうちまた食えるようになるだろうさ。

「あ、肉ばっかりじゃなく、みんなこっちのサラダも食えよ。ドレッシングもいろいろ用意したから」

「ムコーダさん、この生野菜にはどれっしんぐというのをかけて食べるんですか?」

「そうだぞ、アルバン。これがゴマドレッシングで、こっちが和風ドレッシング、こっちがフレンチドレッシングだ。俺のおすすめはゴマかな。香ばしい風味で美味いぞ」

「なるほど。それならゴマというのをかけてみます」

 そう言ってアルバンはゴマドレッシングをかけたサラダを味わっている。

 よほど美味かったのか、女房のテレーザや子どもたちにも食わせてるよ。

 やっぱ野菜といやサラダだもんな。

 俺もあとで食わないと。

 とは言ってもまずは肉が食いたい。

 この匂いを前に肉を食わないではいられないよ。

 俺は次の肉を網に載せると、よけていた焼けた肉を頬張った。

「うん、美味い。やっぱりタレはこれが1番しっくりくるなぁ」

『おい、肉だ』

『俺も!』

『スイもー』

「はいはい、ちょっと待っててな」

 フェルたちに追加で肉を山盛りにして出してやった。

 お、ナスが焼けてきたか?

 いい具合に焼けている。

 焼きナスにするなら皮が焦げるくらいがちょうどいい。

「アイヤ、ここ頼む。みんな肉よく食うからジャンジャン焼いちゃって」

 肉を焼くのをアイヤに任せると、アイテムボックスからボウルを取り出してフェルに声をかけた。

「フェル、このボウルの中に氷を出してくれるか? 細かいのをちょっとでいいぞ」

『食っている途中だというのに面倒だな』

「ごめんごめん。焼きナスの皮をむくのに必要なんだよ」

『しょうがないな。ほれ』

 ジャラジャラとボウルに氷があふれる。

「おわっ、多すぎっ」

 もったいないので、余分な氷は別のボウルに移してアイテムボックスにしまった。

 そして、ボウルに水を入れて氷水にし、その中に焼きナスを30秒くらい浸したら取り出す。

 あらかじめナスのヘタの周りには切り込みを入れてあるので、ヘタの方から皮をむくとスルンとキレイにむけていく。

 それを適当な大きさに切って皿に並べ、かつお節とめんつゆをかけたら……。

「焼きナスの出来上がりだ」

 みんなに出すと、子ども連中と警備の連中は「うーん」って感じだったけどトニとアイヤ、アルバンとテレーザにはドンピシャだったらしく「美味しいです」とモリモリ食ってくれたよ。

 もちろん俺もおいしくいただいた。

 焼きナス美味いんだけどねぇ。

 そうこうしているうちに、トウモロコシの蒸し焼きもいい感じに。

 これは甘くて美味しいと子どもたちに大人気。

 コスティ君にセリヤちゃん、オリバー君にエーリク君にロッテちゃん、みんな夢中になってかぶりついている。

 意外と甘いもの好きらしいペーターも二本目を確保しつつかぶりついている。

 トウモロコシは俺も好きなので追加で網の上へ。

 それにしても……。

「BBQだと酒が飲みたくなるなぁ」

「何、酒だとッ?!」

 酒という言葉にドワーフのバルテルが反応した。

「あ、あるのかっ、酒っ」

「飲みたい?」

「当然じゃわい。ここでの暮らしは、冒険者時代の暮らし向きより数倍いいもんじゃが、1つだけ不満がある。酒が十分飲めんことじゃ」

「あれ、バルテルはちょこちょこ酒買い出しに行ってなかったっけ?」

 バルテル休みの日に、酒を買いに街まで行ってるって聞いたんだけどな。

「そりゃそうじゃが、たまには思いっきり飲みたいものよ」

 ドワーフだもんねぇ。

「よし、今日は無礼講だ。みんなで飲もうか」

 そう言うと大人連中(特に元冒険者の警備連中だな)から雄叫びの声が上がった。

 早速ネットスーパーで缶ビールと子供たちのジュースを購入。

「子供はこっちのペットボトルのジュースね。こうやって捩じるとフタが開くよ。大人はこっちの缶ビール。ここの部分を上に開けて押すと飲み口になるから」

 みんなに開け方を見せた。

「じゃ、みんなに行きわたったね。カンパーイ」

「「「「「カンパーイ」」」」」

 ゴクゴク、プハーッ。

 ビールが美味い!

「カーッ、美味い! 冷えた酒がこんなに美味いとはなっ。これは肉が進むわい」

「ホント、美味しいねぇ! この冷えた酒がクーっと喉を通る感覚がたまんないよ」

「美味い酒に美味い肉。最高だな!」

 フフフ、そうだろうそうだろう。

 だがしかーし、もっとビールに合う肉がある。

 もうそろそろ味もしみ込んでいい具合になっているだろうあれだ。

「よしっ、今からもっとビールに合う肉を焼いていくぞ」

 土魔法で作ったテーブルの上に置いてあったビニール袋を開ける。

 そしてその中にあったロックバードの肉を焼き網の上へ。

 途端にスパイシーな香りが辺りに充満していく。

「な、何だ、この美味そうな香りは……」

「何とも食欲をそそる香りだな」

 みんなジャークチキンに目が釘付けだ。

 表を焼いて、裏を焼いて。

 よし、いい感じに焼けたな。

「どうぞ」

 フェルたちの分を皿に盛りながら、みんなにそう声をかけると、みんな嬉々としてジャークチキンにかぶりついた。

「はい、どうぞ」

 フェルとドラちゃんとスイの前にジャークチキンを山と盛った皿を出した。

『ほう、いろいろな香りがする料理だな。どれ……、うむ、なかなか美味いではないか。もう少しピリッとしてもいいくらいだぞ』

『お、ちょっとピリッとするけどそれがいい感じの味付けだ』

『ホントだ。ピリッとするけど美味しいねー!』

 ジャークチキンはフェルたちにも好評だ。

「ほー、こりゃたまらんな! この冷えた酒と抜群に合うわい!」

 バルテルがゴクゴクとビールを飲んだ後にそう言った。

 というか、さっきフェルに出してもらった氷を入れたボウルの中に缶ビールを冷やしてあるんだけど、その冷やした缶ビールを次から次へと開けていって、バルテル1人で飲み干す勢いだぞ。

「ってか、バルテル、おめー1人で飲み過ぎなんだよ!」

「そうだそうだ!」

 アホの双子から抗議が入るが、バルテルはどこ吹く風だ。

「そんなの早いもん勝ちに決まってるじゃろうが」

 そう言いながら缶ビールをさらにまた1本プシュっと開ける。

「うおーっ、またー」

「ハハハ、ほら追加の缶ビールだ。今日は無礼講だって言っただろ。飲め飲め」

 そう言って追加の缶ビールを補充してやりながら、俺も2本目のビールを開けた。

「おーっ、ムコーダさん、サイコー!」

「よっ、さすがムコーダさん!」

「ったくお前らは調子いいな。ハハハッ」

『おい、おかわりだ!』

『俺もおかわり!』

『スイもおかわりー!』

「おお、待ってろ」

 山盛りにもったジャークチキンをフェルたちの下へ。

「いっぱい食えよー」

「俺たちも食うぞー!」

「もちろんだぜ!」

 みんなビール片手にスパイシーなジャークチキンに群がった。

 やっぱBBQは大勢でやると楽しいなぁ。






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― 新着の感想 ―
前から思ってたけど、このBBQ台はそこそこの大きさがあるだろうけど人数が多い時は面積が足りなくなりそうだからもう一台作ってもよさそうじゃない?ただでさえフェルたちの分は毎回山盛り必要だし。
あーっ、いいなあ美味しいそう 想像してしまう シャンプーの詰め替えしかやりたくないけどさw
[一言] 奴隷の待遇良すぎて正直羨ましいです。 これが当たり前にならないことを願います。 人間は怠惰や良い境遇に慣れると感謝を忘れる生き物なので。
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