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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
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第二百九十九話 ほっこり

短いです。
 冒険者ギルドに行くと、窓口の受付嬢からウゴールさんからの伝言を聞いた。
 何でも今は忙しくて手が離せないので、申し訳ないが直接倉庫の方まで出向いてほしいとのことだった。
 その忙しい原因の一部も俺なわけだからちょっと申し訳なく思う。
 とりあえず、伝言どおりに直接倉庫に向かった。
 何度か見かけたことのある解体担当の職員に声をかけると、すぐに話が通じた。
「副ギルドマスターから話は聞いてます。肉はご自分で引き取るという話でしたので、冷蔵所に保管してあります」
 職員の案内で冷蔵所に向かう。
 ドラゴンの肉の引き取り等で俺も何度か入ったことのある冷蔵所の中はヒヤッとした空気で満ちていた。
「では、こちらのワイバーン×2、ワイルドバイソン×2、ゴールデンシープ×3、ブルーブル×7、ジャイアントターキー×1ですね」
 職員から肉を受け取って次々とアイテムボックスに収納していった。
「買取代金の方も副ギルドマスターから預かってますんで、こちらへどうぞ」
 冷蔵所から出て、職員の後についていく。
「では、こちらが買取代金です」
 作業台の上に小さな麻袋が2つ置かれた。
「まず、エイヴリングのダンジョンのドロップ品の方ですが、ヴェノムタランチュラの毒袋×92で金貨644枚、特殊個体の毒袋が……」
 職員がエイヴリングのダンジョンのドロップ品の内訳を説明してくれた。
 合計で金貨3098枚だそう。
 けっこうな金額になったけど、今じゃ驚かないね。
 続いてはワイバーンやワイルドバイソンなどの肉以外の買取代金だ。
「ワイバーン×2で金貨1120枚、ワイルドバイソン×2で金貨40枚、次が………………、すべて肉以外の素材買取の合計が金貨1251枚です。ダンジョンのドロップ品の買取代金と合わせて金貨4349枚ですね。というこで、こちら、白金貨43枚と金貨49枚です」
 作業台の上の白金貨入りと金貨入りの小さな麻袋を指して職員がそう言った。
「副ギルドマスターからの伝言で、大金貨の持ち合わせがなかったので、白金貨と金貨でお支払いさせていただきますとのことです」
 はいはい、全然大丈夫です。
 白金貨とか大金貨とか、未だにだ使ったことないし。
 代金を受け取り帰ろうとしたら、さっきの職員に呼び止められた。
「あっ、そうだ、ちょっとお待ちくださいっ」
 職員が駆け足で何かを持ってきた。
「副ギルドマスターからこれをムコーダさんにお渡しするようにって預かっていたんです」
 そう言って渡されたのは、この間俺がウゴールさんに渡した赤竜(レッドドラゴン)の肉とパウンドケーキを入れたバスケットだった。
 何だろうな?
 冒険者ギルドを出てから開けて見ると、中には2通の手紙とちょうどバスケットにスッポリ入るくらいの大きさの壺が入っていた。
 手紙を見ると、1通はウゴールさん奥さんのティルザさんからでもう1通は息子さんのミハイル君と娘さんのミラナちゃんからの手紙だった。


 “ウゴールの妻のティルザと申します。
  大変貴重なドラゴンの肉をいただきありがとうございました。
  家族で美味しく食べさせていただきました。
  甘いお菓子、とてもとても美味しかったです。
  心ばかりの感謝として、私の作ったドライフルーツをお受け取りください。”

 “おいしいおにくありがとう
  おいしいおかしもありがとう
         みはいる  みらな”


 どうやらドラゴンの肉もパウンドケーキも喜んでもらえたようだ。
 こちらの女性も甘いものに目がないのは同じなんだろうな、ティルザさんには特にパウンドケーキが喜んでもらえたみたい。
 ミハイル君とミラナちゃんからの手紙も、たどたどしい字ながら気持ちを伝えようと一生懸命書いてくれたのが見てとれる。
 特にミラナちゃんの字はかろうじて読めるかなってくらいだから、字を習い始めたばかりなんじゃないかな。
 何かこういうの嬉しいね。
 壺の蓋を開けてみると、ティルザさん手作りのいろんな種類のドライフルーツがドッサリ詰まっていた。
 1つ食べてみる。
 口に広がる素朴な優しい甘さ。
 もう1度手紙を読み返してほっこりする。
『お主、何をニヤニヤしているのだ?』
 フェル……。
 ニヤニヤって何だよ、せっかく人がいい気分に浸ってるってのにさ。
 はぁ、まぁいいか。
「さ、早く帰って飯にしよう」
『うむ』
『飯飯ー』
『ご飯~』




ただ今のムコーダ所持金額
 推定金貨88,600枚
次の街で大幅に減る展開がある…………予定。

今日の分が短かったので、明日も更新予定です。


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